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第3章・炎帝龍の山
二十七話・禁術とその真実…
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『アイ様、そろそろ時間ですよ』
ボルドーがそう言うと
祠に朝日の光が差してきた。
徐々に祠を照らしていく。
っと言っても、太陽の光が出している擬似的な光だけどね。
『もう少しで、神界へ繋がります。』
すでに、祠の大部分に光が当たっている。
その様子を見ていると、すぐに祠が眩く光った。
「う、眩しい!!」
徐々に光っていたはず
この光り方は、いつもと違う
光が収まると
辺りの景色が白一色に変わっていた。
「神界…だよな?なんでいきなり光ったんだろう?ねえボルドー?」
…返事が返ってこない
ボルドーが居たはずの横を見る
…居ない
「あれ?オレ1人だけ?」
すると、背後から声が聞こえてきた。
「ボルドーなら、ここには居ませんよ?貴方に話があって、貴方だけを一足先にこちらへと移動させました。」
聞き覚えのある声だけど…
この声の感じは…
怒ってるようだ。
オレは、後ろに振り返る。
いつもの笑顔が無い
これは、ヤバそう。
「お、おはようございます。」
「はい、おはよう。逢さん。」
「あ、あの、怒ってます?」
「はい。そうですよ?」
あ、顔に今怒りのマークが見えた気がする。
「それは、何ででしょうか?」
すると、大きなため息を出した。
「はー、やっぱり、気づいてないんですね?」
イレさんは、そう言うと額に手を当てながら、首を振ってる。
オレ何かしたんだろうか?
やっぱり、目立っちゃったから?
「そうですよ?私は、あれほど念押ししましたよね?目立たないようにって」
「すいませんでした。」
「貴方がした人助けが悪い事だとは、言いませんよ?」
悪い事じゃない?
ならば、何で怒って…
「貴方は、今の自分がとても…危うい状態でだって、自覚ありますか?それに今の状態が長く続くと思うんですか?」
今の状態…?
「ど、どういう事ですか?」
オレの目をじっと見つめて口を開いた。
「私は、以前言いましたよね?貴方には、目には見えない傷があると」
確かにそれは聞いた。
「そして…その傷は、神である私にも、けして治せないと」
それも聞いたけど…
でも…今は、何ともないんだけ…ど?
そんな事を考えた瞬間にイレさんの表情が険しくなった。
「それは、違います。」
首を振りながらそう言った。
「貴方は、以前祠に着いた時に意識を失ったのを覚えていますか?」
確かに、祠に着いた時にいきなり意識が飛んだな。
その後、神界で目が覚めたんだった。
「覚えてますよね?」
「はい。そうですけど?」
意識が飛んだだけのハズ…なんだけど?
え⁉︎アレって、ひょっとして…それだけじゃなかった⁉︎
「そうです。あの時のアレは、もう少し遅れていれば貴方は…」
そこで、イレさんの表情が曇った。
もう少し遅れていればっと言って、そのまま口を詰んでしまった。
沈黙の時間が流れる。
オレの額に汗が滲んできた。
まさか…
もう少し遅れていればって…
「そうです。貴方は、間違いなくあのまま死んでいました。」
イレさんはそう言って、オレから顔を背けた。
…死んでいた。
その言葉にオレは、ただ立ち尽くした。
その後、イレさんはオレの状態ついて、再び語ってくれた。
先ず…第1に
オレをこの世界に召喚した術…異世界召喚術は、失敗したっという事だった。
異世界から人間を生きたまま召喚するには、世界を隔てている次元の壁に一時的だが、穴を開ける必要がある。
異世界召喚術を成功させるには、その次元の壁に人が通り抜けるだけの大きさに穴を無理矢理こじ開ける。
そして、召喚された者が通り抜ける間は、そのこじ開けた穴をそのままの状態で維持する事が絶対条件だった。
だが、オレの時には、その次元の壁に人が通り抜けるだけのサイズの穴が開かれなかった。
その不十分なサイズの次元の壁の穴が開いたのだ。
普通ならば、そんな穴を人が通り抜ける事はまず出来ないだろう…
何故なら、穴を通り抜ける為には、その穴を通り抜ける物体と穴をサイズが合わないと通らないからだ。
だが…オレは、この世界に来てしまった。
不完全な異世界召喚術で召喚されて…
その小さな穴を到底、人が抗う事が出来ない力で…
無理矢理に、引き摺り込まれたのだ。
それは、まるで…例えるならば、柔らいゼリーをストローで吸い込むように…だ。
第2に
異世界召喚術が失敗したなら、召喚された者は、ズタズタに引き裂かれてしまう。
その瞬間に即死していたハズだったと言う事…
だが…オレは、死んでいなかったという事…
即死しても、なんら不思議ではない程の致命傷の傷を負って…
オレは、生きたままこの世界に来たのだ。
第3に
異世界召喚術は、禁術だった。
その昔…この世界の人々は、その理由は様々だが…
幾度となく異世界召喚術を酷使して
数え切れない程の異世界人を召喚することに成功した。
だが…同時にその召喚は、幾度となく失敗したのだ。
大半が大した知識もない人間が行われた為だった。
そうして失敗したり、召喚に巻き込まれた者…
その者達は、一人残らず全て死んだのだった。
ある召喚者は、首だけがこちら側に来た。
また、ある召喚では、召喚者と巻き込まれた者が一人分となって…
半分のずつ状態で、こちら側に来てしまった。
最も最悪な結果に終わった召喚では、血溜まりだけだった。
ボタボタと音を立てて…
この世界にこぼれ落ちた。
そんな事が悲惨な召喚が立て続けに起こり続けた。
理由は、明解だった。
異世界召喚術の使い過ぎだった。
そんな事で、なんの罪もない人間…
違う世界で平穏無事な暮らしていた人々たちが
この世界の人々の欲望の為に自身の意思とは関係なく
無理矢理に巻き込まれては、何も知らぬまま死んで行く。
その事態を重く受け止めた神々は、異世界召喚術を禁忌としたのだ。
その為…既にこの世界では、神々の許可なしには、何者が行おうとも
決して異世界召喚術は、成功する、しないの以前に術を行使する事が出来ない。
しかし、異世界召喚術は、一国の王の指示の元に行われた。
神々の目を巧みに欺いて…
世界の異変に神々が即座に反応したのだが…
その時には、既に全てが遅かったのだ。
ズタズタに身体中を引き裂かれて、この世界に落ちた。
虫の息とは言えど…
失敗した術での唯一の生還者として…
今のオレには、とても衝撃的な真実だった。
以前にも聞いていたのだが
あの時には、全然頭に入っていなかったんだ。
そして…その後にも
衝撃的な真実がオレには、待っていた。
ボルドーがそう言うと
祠に朝日の光が差してきた。
徐々に祠を照らしていく。
っと言っても、太陽の光が出している擬似的な光だけどね。
『もう少しで、神界へ繋がります。』
すでに、祠の大部分に光が当たっている。
その様子を見ていると、すぐに祠が眩く光った。
「う、眩しい!!」
徐々に光っていたはず
この光り方は、いつもと違う
光が収まると
辺りの景色が白一色に変わっていた。
「神界…だよな?なんでいきなり光ったんだろう?ねえボルドー?」
…返事が返ってこない
ボルドーが居たはずの横を見る
…居ない
「あれ?オレ1人だけ?」
すると、背後から声が聞こえてきた。
「ボルドーなら、ここには居ませんよ?貴方に話があって、貴方だけを一足先にこちらへと移動させました。」
聞き覚えのある声だけど…
この声の感じは…
怒ってるようだ。
オレは、後ろに振り返る。
いつもの笑顔が無い
これは、ヤバそう。
「お、おはようございます。」
「はい、おはよう。逢さん。」
「あ、あの、怒ってます?」
「はい。そうですよ?」
あ、顔に今怒りのマークが見えた気がする。
「それは、何ででしょうか?」
すると、大きなため息を出した。
「はー、やっぱり、気づいてないんですね?」
イレさんは、そう言うと額に手を当てながら、首を振ってる。
オレ何かしたんだろうか?
やっぱり、目立っちゃったから?
「そうですよ?私は、あれほど念押ししましたよね?目立たないようにって」
「すいませんでした。」
「貴方がした人助けが悪い事だとは、言いませんよ?」
悪い事じゃない?
ならば、何で怒って…
「貴方は、今の自分がとても…危うい状態でだって、自覚ありますか?それに今の状態が長く続くと思うんですか?」
今の状態…?
「ど、どういう事ですか?」
オレの目をじっと見つめて口を開いた。
「私は、以前言いましたよね?貴方には、目には見えない傷があると」
確かにそれは聞いた。
「そして…その傷は、神である私にも、けして治せないと」
それも聞いたけど…
でも…今は、何ともないんだけ…ど?
そんな事を考えた瞬間にイレさんの表情が険しくなった。
「それは、違います。」
首を振りながらそう言った。
「貴方は、以前祠に着いた時に意識を失ったのを覚えていますか?」
確かに、祠に着いた時にいきなり意識が飛んだな。
その後、神界で目が覚めたんだった。
「覚えてますよね?」
「はい。そうですけど?」
意識が飛んだだけのハズ…なんだけど?
え⁉︎アレって、ひょっとして…それだけじゃなかった⁉︎
「そうです。あの時のアレは、もう少し遅れていれば貴方は…」
そこで、イレさんの表情が曇った。
もう少し遅れていればっと言って、そのまま口を詰んでしまった。
沈黙の時間が流れる。
オレの額に汗が滲んできた。
まさか…
もう少し遅れていればって…
「そうです。貴方は、間違いなくあのまま死んでいました。」
イレさんはそう言って、オレから顔を背けた。
…死んでいた。
その言葉にオレは、ただ立ち尽くした。
その後、イレさんはオレの状態ついて、再び語ってくれた。
先ず…第1に
オレをこの世界に召喚した術…異世界召喚術は、失敗したっという事だった。
異世界から人間を生きたまま召喚するには、世界を隔てている次元の壁に一時的だが、穴を開ける必要がある。
異世界召喚術を成功させるには、その次元の壁に人が通り抜けるだけの大きさに穴を無理矢理こじ開ける。
そして、召喚された者が通り抜ける間は、そのこじ開けた穴をそのままの状態で維持する事が絶対条件だった。
だが、オレの時には、その次元の壁に人が通り抜けるだけのサイズの穴が開かれなかった。
その不十分なサイズの次元の壁の穴が開いたのだ。
普通ならば、そんな穴を人が通り抜ける事はまず出来ないだろう…
何故なら、穴を通り抜ける為には、その穴を通り抜ける物体と穴をサイズが合わないと通らないからだ。
だが…オレは、この世界に来てしまった。
不完全な異世界召喚術で召喚されて…
その小さな穴を到底、人が抗う事が出来ない力で…
無理矢理に、引き摺り込まれたのだ。
それは、まるで…例えるならば、柔らいゼリーをストローで吸い込むように…だ。
第2に
異世界召喚術が失敗したなら、召喚された者は、ズタズタに引き裂かれてしまう。
その瞬間に即死していたハズだったと言う事…
だが…オレは、死んでいなかったという事…
即死しても、なんら不思議ではない程の致命傷の傷を負って…
オレは、生きたままこの世界に来たのだ。
第3に
異世界召喚術は、禁術だった。
その昔…この世界の人々は、その理由は様々だが…
幾度となく異世界召喚術を酷使して
数え切れない程の異世界人を召喚することに成功した。
だが…同時にその召喚は、幾度となく失敗したのだ。
大半が大した知識もない人間が行われた為だった。
そうして失敗したり、召喚に巻き込まれた者…
その者達は、一人残らず全て死んだのだった。
ある召喚者は、首だけがこちら側に来た。
また、ある召喚では、召喚者と巻き込まれた者が一人分となって…
半分のずつ状態で、こちら側に来てしまった。
最も最悪な結果に終わった召喚では、血溜まりだけだった。
ボタボタと音を立てて…
この世界にこぼれ落ちた。
そんな事が悲惨な召喚が立て続けに起こり続けた。
理由は、明解だった。
異世界召喚術の使い過ぎだった。
そんな事で、なんの罪もない人間…
違う世界で平穏無事な暮らしていた人々たちが
この世界の人々の欲望の為に自身の意思とは関係なく
無理矢理に巻き込まれては、何も知らぬまま死んで行く。
その事態を重く受け止めた神々は、異世界召喚術を禁忌としたのだ。
その為…既にこの世界では、神々の許可なしには、何者が行おうとも
決して異世界召喚術は、成功する、しないの以前に術を行使する事が出来ない。
しかし、異世界召喚術は、一国の王の指示の元に行われた。
神々の目を巧みに欺いて…
世界の異変に神々が即座に反応したのだが…
その時には、既に全てが遅かったのだ。
ズタズタに身体中を引き裂かれて、この世界に落ちた。
虫の息とは言えど…
失敗した術での唯一の生還者として…
今のオレには、とても衝撃的な真実だった。
以前にも聞いていたのだが
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そして…その後にも
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