10年後も生きる為に、特種素材を求めて、異世界を旅する事になりました。《仮》

夕刻の灯

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第1章・始まりの森

十二話・セーフスペースの変貌

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ボルドーの能力スキルセーフスペースに入らないと
オレの命に関わるが…
そう、命がかかってるんだが…
あと一歩が、踏み出す事が出来ない。
しばらくの間、躊躇していると
踏ん切りのつかないオレの行動を見て
痺れを切らしたのか、カーディナルが告げた。

『もう、しようががないわね』
「え?カーディナル⁉︎」

いきなり、何を言い出すのか?
オレがそう思っていると、直ぐに
カーディナルが翼を広げて、
飛び立ち、セーフスペースの入り口へと
ためらう事なく、飛び込んだ。

『私が先に入って、この中の様子を確認して来るわ』

そう言い残して、入り口の中に消えて行った。
突然の事で、思考が追いつかず
呆け~っと、してしまった。
おっと、いけない!!
ぼーっとしてる場合じゃない!!

「ボルドーオレ達も、カーディナルの後に続くぞ!!」
『はい!!アイ様、行きましょう!!』

オレ達がカーディナルの後を追って
セーフスペースの中に入ろうとしたその時

『ねえ?ちょっと、コレってどういう事⁉︎』

そう、カーディナルの念話が届くやいなや
カーディナルがセーフスペースの中から出て来た。

『二人から聞いた話と違うんだけど?どうなっているのかしら?』

カーディナルがオレ達に聞いて来た。

『カーディナル何の話だ?』
「え?あの世界樹ユグドラシルがどうかしたの?」

二人が、そうな感じにカーディナルに聞くと
カーディナルが首を左右に振った。

『違うわ、確かにあの木は、二人から聞いてた通りになってたけど、そうじゃないの』
「『え?他に何が?』」

カーディナルの発言に
オレ達の声が揃ってしまった。
そんな事を尻目に、カーディナルが衝撃的な発言をした。

『ボルドーの能力スキルがセーフスペースって聞いてたけど、あので、セーフスペースって言わないっと思うわよ?』

はい?
異様な広さ?
オレ達は、カーディナルの発言に固まった。

『とりあえず、二人とも中に入りましょう。中は、見た所だけど安全よ?』

中は安全なのかだったら、ためらう必要は無いな。

『分かった。カーディナルがそう言うならば、大丈夫だろう。アイ様入ってみましょう。』

ボルドーも、中に入る気になったようだ。

「そうだね。安全って話だし、入るだけなら平気だよね?」

オレの問いに、胸をはって
カーディナルが答える

『勿論ですわ。』

ならば、入らないとな
そう思って、カーディナルを先頭に
その次にオレ、最後にボルドーの順に
オレ達は、セーフスペースの中に入って行った。

~~・~~・~~・~~・~~

セーフスペースに入ってみると
中の様子が明らかに違う
魔法道具マジックアイテム太陽の日サンシャインが付与されている街頭で、明るくなっているものその一因だろうが
広かった。
全体的に、以前のセーフスペースよりも遥かに広くなっている。

「ボルドー、君の能力スキルのセーフスペースって、こんなに広げられるの?」

ボルドーが頭がちぎれる勢いで、首を左右に振ってる

『いいえ、そんなハズないんですが、どうなってるのか私にも分かりません。』

え?
分かりませんって?
ボルドー君の能力スキルだよね?
どう言う事?
カーディナルが衝撃的なことを言い出した。

『ボルドーひょっとして、あなたの能力スキル進化てるんじゃないかしら?』

能力スキルの進化?
そんな事あるんだな

「カーディナル能力スキルって、進化するの?」
『そうね~、能力スキルの所有者のレベルが上がるか、能力スキルの使用頻度が高いとかがありましたわよ?』

ボルドーのレベルが上がったのかな?
能力スキルはあんまり使ってなかったと思うんだけど
あれ?
ボルドーが会話に参加して来ないな?
そう思って、ボルドーの方を見ると
固まってた。

「ボルドー、大丈夫?」
『……。』

返事が返って来ない…。
それ以前に、固まったままで微動だにしないな
あまりの出来事に、フリーズしたのかな?
どうするかな?このイヌ
まぁ良いかな?
その前に次の事を考えよう。
オレ達の目の前にそびえ立つ
あの木ヤツの事を考えないとな

「デカくなり過ぎてない?」
『確かに、大きいですわね~。苗木から半日ほどで、これ程になるなんて、言われなきゃ誰も気づきませんわ』

だよね~。
小さな苗木から今じゃ、大きな木になってるからね。
今朝、片手で持てたのが嘘みたいに思えるよ。
あまりにも、どっしりと構えて立ってからさ
元からこの空間に有った、って言われる方が納得がいく。
実際、オレもそう思うんだけど
現実は甘くない。
幹周りがオレの元々の両腕でも、届かないだろうな
枝も太く逞しい、葉が青々と木の枝に生えている。
この世界イレベリアでは、この速さの成長はよくある事なんだろうか?

「カーディナル聞いて良い?」
『何でしょうか?先言っておきますが、この世界樹ユグドラシルの事を聞かれても私は、困りますけどね。』

先に言われた。
しかし、きかないと行けないし

「木の成長ってわ早くなったりするのかな?」
『いいえ、こんな事ないですわね。』

やっぱり、カーディナルも知らなかった。
どうしよう…
相変わらず、ボルドーは固まったままだし
埒があかないな。
すると、カーディナルが発した言葉で、オレは解決策を見い出した。

『ただ、主神のイレ様に聞けば分かると思いますわよ?』
「!!」

そうか!!
その手があったよ!!
そもそも、この世界樹ユグドラシルの苗木イレさんに貰ったんだった。
イレさんならば、このボルドーの能力スキルの事も分かるハズだ!!
そんな訳で、祠を通じて、神界に行く事にした。
ただ、前に神界に行った時には
祠に太陽の光が当たらないと神界に行けなかったから
行けるかちょっと、不安だけど…

オレは、祠の前に立ち、神界に居るイレさんに会えるようにと思い浮かべた
すると、程なくして
周りの景色が変わった。

オレたちは、白い空間に居た。
そう神界に行けたのだ。
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