10年後も生きる為に、特種素材を求めて、異世界を旅する事になりました。《仮》

夕刻の灯

文字の大きさ
20 / 88
第2章・騎士の物語

ある元騎士の話《前》

しおりを挟む
ーーーー》ーー《》ーー《ーーーー
この章には、主人公や今までの登場人物は、一切出て来ません。
次の章まで、一切出て来ません。
ーーーー》ーー《》ーー《ーーーー



北西部に位置する王国に男の子が生まれた。
それが俺だった。
俺は、農家の三男として育った。
長男の兄が農家を継ぐ為、親父に冒険者になってはどうか?
っと物心がつく頃には、言われていた。
幼馴染みの親友ダチも、四男坊で家は継げないし、手伝いも足りてる
だから、俺と親友ダチは、幼い頃から互いに鍛錬して
16になるとパーティを組み、冒険者のギルドに入った。
最初は、初心者のFランクからだった。
Fランクは、採取や雑務の依頼の仕事ばっかりで親友ダチは愚痴ばかりだったが
ランクを上げようと俺は、愚痴もこぼさずにひたすら頑張った。
俺たちは、そうして、E、Dとランクが順調に上がった。
Eランクは、極めてランクの低い魔物の討伐と言う名の駆除
Dランクも、ランクの低い魔物ばっかりだったが、こなす数が多い依頼が来るようになった。
そんな感じで、ランクが上がるにつれて、徐々に難易度が上がっていく
そうして、19になった俺は、ようやくBランクになった。

いつも通り冒険者ギルドで、依頼を探して
その中から討伐依頼クエストを受けて、森の中を探索していると
俺は、彼女に出会った。
彼女は、魔物の相手に一人で戦っていた。
俺たちは、彼女の助太刀をしようとしたが…
彼女には、全く必要なかった。
俺たちの目的の魔物では、なかったけど
中々のランクに指定されている魔物を一人で倒してしまった。
俺たちが二人掛かりで、やっと倒せるかどうかの魔物を
たった一人で、しかも
俺たちとあまり変わらない、年に見える若い女が倒したんだ…
俺たちは、自分たちの実力が
まだまだ、俺たちが思っていた以上に足り事を思い知らされた。
その日のうちに、俺たちは、目的の魔物を倒して
冒険者ギルドに帰った
そこで、再び彼女に出会った。

どうやら、彼女は別の国から来たらしい。
受付の人に、そう話しているのを
俺たちは、自分たちの討伐報告をしている時に聞いた
そして、その次の日から彼女を度々見かけた。
同じ冒険者ギルドで、活動しているのだから
当然といえば、当然だった。

そんなある日…
俺たちは、ミスをしてしまった。
高価なポーションの入った瓶を親友ダチがうっかり、落として割ってしまった。
その事でついカッと、なった俺たちは言い争いの末に
それぞれ、一人で、討伐依頼クエストに行った。
そこで、普段なら二人でやっと倒せる魔物を
一人で狩ろうと躍起になった。
そして、どうにか一人でその魔物を倒した
そして、俺は意気揚々と、ギルドに帰って来た。

そこで、驚愕の事実を知る。
ギルドの扉を開けて入るなり、大声で誰かに呼ばれた。
その人物は、俺を捕まえて引きずって行った。
その人物は、冒険者ギルドのギルドマスターだった。
そのギルドマスターに引きずられて行った先に
異様な人だかりが出来ていた。

その中に、俺の相棒であり、幼馴染み親友ダチ居たのだ
その親友ダチは、息も絶え絶えで、
胸や、頭には大きな傷があるんだろう
血が滲んでいる布がまかれていた。
どうして、こうなったんだと
ギルドマスターに聞いたら
思い切り殴り飛ばされた。

実は、親友ダチは、高価なポーションの代金を少しでも
取り戻そうと、無理して、魔物を狩りに行ったそうだ。
行っちゃ悪いが、親友ダチは元々、俺よりも実力はない。
そんな、親友ダチが魔物に向かって行ったんだそうだ。
そして、一体は無理をしてでも、倒したんだが
無理をしたせいで、体力を使い果たしてしまった。

そんな時に、倒した魔物の血の匂いを嗅ぎつけて
別の魔物が現れた。
そこで、いつもならばすぐ逃げられるハズだった
しかし、親友ダチには、既にその体力はない。
その結果、親友ダチは、その魔物に襲われた。
魔物に襲われているのを別の冒険者が見つけて
急いで、その魔物を倒して、親友ダチを連れ帰って来たそうだ。
そんな話をギルドマスターが怒りを露わにして語ってくれた。
そして、

「お前ら!!一体、何やってんだ?お前らは、二人で一つの仲間だろう!!それをたかが、ポーション一つが原因で何やってる?ポーション何ぞ、また買い直せばいいだけだろうが!!」

俺はその事実を知り、その場で崩れ落ちた。
そうだ。
ポーションなんて高額なだけで、二度と手に入らない訳じゃないんだ。
そうしているうちに、親友ダチは弱っていく。
どうすればいいんだと、俺は思っていた。

俺には、ポーションも無いし、治癒魔法は使えない。
そんな時に、後ろから声がした
そして、親友ダチの体が光った。
ある人物が治癒魔法を掛けてくれたんだ
誰だろう?っと、後ろを振り向くと
彼女が必死の形相で、繰り返し魔法を使っていた。
そう、彼女には治癒魔法が使える
そして、なんとか親友ダチは、一命を取り留めた。
俺は、彼女に礼を言おうと近寄ったら
彼女に頬を思いっきり叩かれた。

「貴方、一体何してるの?チームをほって、依頼に行くなんて大切なのは仲間の命でしょう!!」

彼女は、怒り心頭で怒っていた。
そして、謝ろうとしたら
彼女がフラフラして、倒れそうになって
俺は急いで受け止めた。
彼女が倒れた原因は、魔力切れ
彼女は、無理して親友親友に治癒魔法を掛けていてくれたのだ。

そして、数日が経った。
親友ダチは、まだベットの上だった。
一命を取り留めたとは言え
まだまだ、傷が残っていた。
あの日の翌朝に、目を覚ました親友ダチに俺は素直に謝った。
すると、親友ダチも謝って来た。
俺たちは互いに謝罪し合った。
そして、ドアを叩く音がした。
隣の部屋で、彼女が目を覚ましたそうだ。
俺は急いで、彼女に礼を言いに行った。

半年が過ぎた頃
親友ダチがある事を俺に告げた。

「俺の傷は、治っても以前のようにはならないらしい。」

親友ダチの傷は、彼に後遺症を残した。

「申し訳ないが、俺は冒険者を辞める」

親友ダチはそう真剣な表情で告げた。
以前の俺ならば、無理にでも引き止めただろうが
俺は、その事を承諾した。

そうして、俺は一人で冒険者を続ける事になると
思っていたんだが、ギルドマスターに呼び出された。
部屋に入るなり、ある人を紹介された。
それは、彼女だった。

「お前、彼女とチームを組め、お前一人では、依頼クエストをさせない。」

ギルドマスターはそう告げた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

処理中です...