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第3章・炎帝龍の山
三十四話・戦神と武神
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「ア、アイさん?大丈夫ですか?」
「ちょっと、私達の言葉聞こえてる?」
ボーっとして、頭の中がぼんやりしていたけど
直ぐにハッキリして来た。
「へ⁉︎あ‼︎すいません、聞こえてませんでした。」
心配そうにオレの顔を見つめている。
「やっぱり…一度に教えてあげられる事には、限りがあるわね。」
「では、アイさん。続きは、また今度です~また、お会いしましょう」
意味ありげな言葉を残して、風景に霞がかるようになってきた
ハッと、気がつくと…
いつもの祠の前だった。
世界樹の青々として大きな葉が太陽の日の光を浴びて、煌めいている。
何だったんだろう…
イレさんが双子だった事までは、覚えているんだけど
その後のことが思い出せない。
何か大事なことを聞いた気がするんだけど
ダメだ。思い出そうとすればするほど
記憶が薄れていくように分からなくなった。
「分からない…何故だろう?」
花畑の階層に移動した。
ボルドー話があるんだけど…
そう言おうとしていたが、その言葉は、喉の奥に引っ込んでしまった。
オレの視線の先には、花畑の所々に穴ぼこが出来てた。
その花畑の土かな?それと他にも、何やら瓦礫が散乱している…
それが元はなんだったのか?って思う位にバラバラだった。
ソルジャンさんがオレの顔を見て
ギョッとして、直ぐに懐から何かを取り出して
周囲に向かって、それを軽く振った。
「周囲を物を元ある姿に修復させよ、修復」
ソルジャンさんがそう言うと、瓦礫があっと言う間に塊になって元の物へと復元されていく
修復魔法か?
見事に復元された花畑に蜂達が飛んで来て、いつもの花畑の手入れ作業を始めた。
いつ見ても思うけど、蜂達の手際の良さはすごいよね。
最初に出会った時の花畑も圧巻だったけど
今のこの階層の花畑も蜂達の仕事な訳だし
ボルドーやカーディナルが言うには蜂達に育てられない植物はないそうだからね。
その話は、さて置いて…
どうやら先ほど、ソルジャンさんが懐から取り出して
手にして魔法を使っていたのは、杖だったようだ。
ソルジャンさんは、その杖を再び懐にしまうと
オレのそばに寄って来て
「アイ君がいない間に大変な事が起きた。」
「え⁉︎大変な事⁉︎」
それは、一体何があったんだろう?
「それがね…」
そう言って、起こった事を話してくれた。
神父とシスターが中心となり獣人達が話し合って、今後の事を考えたそうだ。
まず最初に何をしたいのか?
家を建てるべきか?それとも信仰の象徴の御神体の再建か?
彼らの結論は…
自分たちの生活を送る上で、なくてはならない物を…
日々の暮らしの中で、一番に大切にして来たものを…
1日の始まりに1日の幸せと安全を1日の終わりに感謝の祈りを捧げる対象
御神体の再建だった。
そこで、ソルジャンさんは、ボルドーに何か材料になる木材がないか?っと尋ねた。
すると、ボルドーはアイテムボックスに頭を突っ込み
『これでいいか?この間無駄に切り倒した森の木を加工したものだが』
そう言って、木材を取り出した。
この間の木…
あの時の…リオさん達を助けた時に、風刃で切り倒した森の木かな?
「これは、コボの木…ですか?」
『ああ、そうだ。コボの木だ。ちゃんと加工して乾燥してある物だ。』
「確かにいい木材ですね。ボルドー殿、本当にこれを使っても?」
『ああ、構わないさ。持っていたとしても、どの道使わないと意味がないからな。』
その木材を手に取り、まず最初に戦神の像を
その次に武神の像を作った。
以前の物と同じ立ち姿を思い出しながらノミを振るい
一体一体を削り出した。
以前の御神体の像は、一体化していたために持ち出す事が出来なかったから
今回の像は、有事の際にここに持ち運べる様に…っと一体一体を個別に作った。
その像を作る行為を神父とシスターを筆頭にして、皆目を輝かせて釘づけになって見ていた。
そうして、出来上がった像に以前の御神体が持っていた様に剣と槍を持たせた。
「うわー前よりも立派な御神体だわ」
「そうね。前の像も素晴らしい物だったけれど」
「ソルジャンさん、ありがとうございます。」
「これで祈りを捧げられます。ソルジャンさん」
みんな頭を下げてソルジャンさんにお礼を言い
「では、皆さんソルジャンさんへの感謝も込めて、神様たちに祈りを捧げましょう。」
そう言って、目を瞑り祈りを捧げ始めた。
その様子をソルジャンさんは照れながら見ていたそうだ。
何だか、何にも問題なさそうなんだけど?
え⁉︎ソルジャンさん違うの?この後?
そう…その後
ソルジャンさんは、祈っているみんなの方を見ていた。
すると、背後に気配を感じた。
振り返ると、そこには…
「地上に降りるのは、久しぶりじゃな」
「そうデすネ。久しブりデすヨ。」
老婆にも幼女にも見える低身長の女性が剣を持ち
ひょろ長く痩せた身体の高身長の男性が槍を持っている。
その2人が立っていた。
ソルジャンさんは、その2人の顔を知っていた。
「おや、そこにいるのは、剣聖殿ではないかの?」
「おお、剣聖殿ダ。」
その2人も、ソルジャンさんを知っていた。
「何故⁉︎ここに居るんですか?」
そこに居たのは、ソルジャンさんのかつての友だった存在だ。
共に戦った戦友にして、共に夢を追いかけた朋友…
大戦の際にその命を落とし、人々に神と崇められ神界へと昇った。
戦神と武神だった。
「ちょっと、私達の言葉聞こえてる?」
ボーっとして、頭の中がぼんやりしていたけど
直ぐにハッキリして来た。
「へ⁉︎あ‼︎すいません、聞こえてませんでした。」
心配そうにオレの顔を見つめている。
「やっぱり…一度に教えてあげられる事には、限りがあるわね。」
「では、アイさん。続きは、また今度です~また、お会いしましょう」
意味ありげな言葉を残して、風景に霞がかるようになってきた
ハッと、気がつくと…
いつもの祠の前だった。
世界樹の青々として大きな葉が太陽の日の光を浴びて、煌めいている。
何だったんだろう…
イレさんが双子だった事までは、覚えているんだけど
その後のことが思い出せない。
何か大事なことを聞いた気がするんだけど
ダメだ。思い出そうとすればするほど
記憶が薄れていくように分からなくなった。
「分からない…何故だろう?」
花畑の階層に移動した。
ボルドー話があるんだけど…
そう言おうとしていたが、その言葉は、喉の奥に引っ込んでしまった。
オレの視線の先には、花畑の所々に穴ぼこが出来てた。
その花畑の土かな?それと他にも、何やら瓦礫が散乱している…
それが元はなんだったのか?って思う位にバラバラだった。
ソルジャンさんがオレの顔を見て
ギョッとして、直ぐに懐から何かを取り出して
周囲に向かって、それを軽く振った。
「周囲を物を元ある姿に修復させよ、修復」
ソルジャンさんがそう言うと、瓦礫があっと言う間に塊になって元の物へと復元されていく
修復魔法か?
見事に復元された花畑に蜂達が飛んで来て、いつもの花畑の手入れ作業を始めた。
いつ見ても思うけど、蜂達の手際の良さはすごいよね。
最初に出会った時の花畑も圧巻だったけど
今のこの階層の花畑も蜂達の仕事な訳だし
ボルドーやカーディナルが言うには蜂達に育てられない植物はないそうだからね。
その話は、さて置いて…
どうやら先ほど、ソルジャンさんが懐から取り出して
手にして魔法を使っていたのは、杖だったようだ。
ソルジャンさんは、その杖を再び懐にしまうと
オレのそばに寄って来て
「アイ君がいない間に大変な事が起きた。」
「え⁉︎大変な事⁉︎」
それは、一体何があったんだろう?
「それがね…」
そう言って、起こった事を話してくれた。
神父とシスターが中心となり獣人達が話し合って、今後の事を考えたそうだ。
まず最初に何をしたいのか?
家を建てるべきか?それとも信仰の象徴の御神体の再建か?
彼らの結論は…
自分たちの生活を送る上で、なくてはならない物を…
日々の暮らしの中で、一番に大切にして来たものを…
1日の始まりに1日の幸せと安全を1日の終わりに感謝の祈りを捧げる対象
御神体の再建だった。
そこで、ソルジャンさんは、ボルドーに何か材料になる木材がないか?っと尋ねた。
すると、ボルドーはアイテムボックスに頭を突っ込み
『これでいいか?この間無駄に切り倒した森の木を加工したものだが』
そう言って、木材を取り出した。
この間の木…
あの時の…リオさん達を助けた時に、風刃で切り倒した森の木かな?
「これは、コボの木…ですか?」
『ああ、そうだ。コボの木だ。ちゃんと加工して乾燥してある物だ。』
「確かにいい木材ですね。ボルドー殿、本当にこれを使っても?」
『ああ、構わないさ。持っていたとしても、どの道使わないと意味がないからな。』
その木材を手に取り、まず最初に戦神の像を
その次に武神の像を作った。
以前の物と同じ立ち姿を思い出しながらノミを振るい
一体一体を削り出した。
以前の御神体の像は、一体化していたために持ち出す事が出来なかったから
今回の像は、有事の際にここに持ち運べる様に…っと一体一体を個別に作った。
その像を作る行為を神父とシスターを筆頭にして、皆目を輝かせて釘づけになって見ていた。
そうして、出来上がった像に以前の御神体が持っていた様に剣と槍を持たせた。
「うわー前よりも立派な御神体だわ」
「そうね。前の像も素晴らしい物だったけれど」
「ソルジャンさん、ありがとうございます。」
「これで祈りを捧げられます。ソルジャンさん」
みんな頭を下げてソルジャンさんにお礼を言い
「では、皆さんソルジャンさんへの感謝も込めて、神様たちに祈りを捧げましょう。」
そう言って、目を瞑り祈りを捧げ始めた。
その様子をソルジャンさんは照れながら見ていたそうだ。
何だか、何にも問題なさそうなんだけど?
え⁉︎ソルジャンさん違うの?この後?
そう…その後
ソルジャンさんは、祈っているみんなの方を見ていた。
すると、背後に気配を感じた。
振り返ると、そこには…
「地上に降りるのは、久しぶりじゃな」
「そうデすネ。久しブりデすヨ。」
老婆にも幼女にも見える低身長の女性が剣を持ち
ひょろ長く痩せた身体の高身長の男性が槍を持っている。
その2人が立っていた。
ソルジャンさんは、その2人の顔を知っていた。
「おや、そこにいるのは、剣聖殿ではないかの?」
「おお、剣聖殿ダ。」
その2人も、ソルジャンさんを知っていた。
「何故⁉︎ここに居るんですか?」
そこに居たのは、ソルジャンさんのかつての友だった存在だ。
共に戦った戦友にして、共に夢を追いかけた朋友…
大戦の際にその命を落とし、人々に神と崇められ神界へと昇った。
戦神と武神だった。
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