とある団地にて

由井実緒

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一章

一週間後 その1

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「ハァっ、ぁ、あ」
「ん、すごい……まだ大きくなるんだ」

 ガマンしないでもっと気持ち良くなってね? そう小首を傾げ愛らしく微笑みながら、昂った陰茎を舌先で舐る愛しい人。

 津村仁美。自身より一回り小柄で、一回り年嵩の壮年男性。今、己は彼と共に団地の手狭な風呂場で、身を清める傍ら色事に耽っていた。

 
 
 約束の一週間当日。津村は訪れた自身を快く迎え入れ、家のダイニングまで案内した。

「この一週間できる限りの準備はしたけど……上手く出来なかったらごめんね」

 そう目を伏せて語る、しおらしい想い人の姿。思わず胸が締め付けられる心地を覚え、無意識に唇が言葉を紡いだ。

「もしダメなら最後まではしません。つ、津村さんの体が、一番大事ですから」

 男の緊張した面持ちが、微かに和らいだのを見て決意する。今日は絶対に、無理強いはしない。彼にもっと自身のことを好きになって貰うべく紳士的に振る舞うのだと。

 その後は会話もそこそこに、手を引かれ風呂場へと誘われる。彼が目の前で服を脱ぎ始めた瞬間、思わず数分前の自身の誓いが頭から吹き飛びそうになった。

 眼前に広がる肢体は、肉付きが良く均整が取れて、しなやかであった。鍛えているというより、元々そういった体格なのだろう。胸元や臀部、太ももはむっちりと肉が付き、かつ腰は締まって細い。

 服越しにも良い体をしていると思っていたが、想像以上に美しく、情欲を煽る曲線美。下腹部に熱が集まり、代わりに血の巡りが滞り鈍る思考を自覚する。

「……脱がせてあげよっか?」

 棒立ちのまま、目の前の裸体を凝視する自身に津村がひかえめに声をかける。そうして数秒の後、彼の手がこちらの上衣へと伸びた。



「須藤くん体おおきいね」

 背中も広いなぁ、と甘く柔らかな声色と共に、滑る泡と弾む肉の感触が背に押し当てられる。

 津村の手は前面に回り、こちらの胸部を優しく撫ぜながら、背面は泡にまみれた身を密着させ擦り付けていた。

 全身をスポンジに見立てるよう、くまなく肌を合わせ身を洗う。それが、先程目にした想い人の豊満な肉体美から齎らされてるという事実に、脳が沸騰し茹だるかのようだった。

 陳腐な言い回しだが、まるて男の浪漫を詰め合わせたかのような状況に、脳が追いつくより先に体が反応を示す。

「ふふ、硬くなってる」
 
 腹筋をなぞり、下に降りた指先が昂りへと至る。触れられる前から、興奮でガチガチにそそりたった逸物に指が絡み、ぬるつく液体と泡をまぶされた。

「アッ……!それ、ダメです、っ、ぐ」

 ぐちゅぐちゅと、淫らな音を立てて陰茎を扱かれる。握る手の程よい強さと温かさ。ぬめる触感に竿から亀頭までをまんべんなく責められ、瞬く間に自らの体は追い立てられ、あえなく絶頂を迎えた。

「いっぱい出てるねぇ、気持ちよかった?」
「ハァっ、はい……アっ、また」
「出した後に先っぽこうされるのイイでしょ」

 ほら、また大きくなった。耳元でそう悪戯っぽく囁きかけられ、ぞくぞくと背筋が震える。

 初めて彼に告白した日もそうだった。津村は自分より遥かに大人の男で、色事に長け、そうして何処までも積極的だ。彼の手管に絡め取られれば最後、なす術もなく欲を煽られ搾り取られる。

「もう一回出して、まだ元気なら口でしてあげるね?」

 その言葉に、先週味わった口淫の快楽を思い出し、ごくりと一つ喉が鳴った。

 告白して一週間。自身と想い人、津村仁美は今日体を重ねる。夜はまだまだ長引きそうであった。

 
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