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酷使されていた大王の聖王女
エピソード8
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サザランド王国(正式には合衆国なのだが)は、聖教国をサンマの尻尾だとすると、頭の部分が平野で、目玉の辺りが聖なる泉がある、そんな長細い地形をしている。
サンマの姿のように細長い半島で、その地の大半は瘴気によって汚染され荒涼とした山岳地帯で、大きな魔鳥の住処になっていて人は住むことが出来ない。
サンマの胸ビレ辺りに、この地を愛したかつての聖女、そして歴代の聖乙女の亡骸を祀った祠が結界となっていてその場所から南は魔物の侵入を防いでいるので魔物被害は大したことが無い。
たまに海洋生物が北海からやって来て漁業中の船を襲うくらい。
なので魔石の採れる鉱山も無く、魔物も出ないので、魔力奉納などに使用したり、日常生活の動力として利用している魔石は聖教国から購入していた。
サンマの目玉辺りに涌き出た泉があり、その泉を守るように囲んだ神殿が聳え立っている。
大陸にあるサザランド王国の土地は全てこの神殿の者であったし、そこに住まうのはフエンテ一族とそこに仕える者だけで、それ以外の国民は半島付近にある大きな島とその周りの中小数多の島々に住んでいた。
島々にはそれぞれ王が居て、その王たちはかつてこの地を愛した聖女の末裔たちである。
その聖女は名を莉乃と言い、召喚されてすぐこの世界に馴染み、聖教国の神官や聖騎士を連れて各国の瘴気を払う巡礼を行った。
その後、その一行にいた神官の生まれ故郷であるサザランド王国へとやって来ると、生んだ男児をその神官へと託し、島々を順に巡り問題を解決しながら各島ごとに聖女の情けを与え、その時の子孫が現在の島々にいる王たちである。
この時、聖女の力をその血によって多く取り込むことが出来たこの出来事を、サザランド王国では[リノの奇跡]と記録され、これ以降、力のある者が多くに寵愛を与えることをサザランドでは『ギャクハー』と呼ばれる善行の風習となったのである。
故に、サザランド王国の神殿で祀るのは、聖教国で祀っているこの世界を創り聖女を遣わせし女神ではなく、この地に情けと叡知を与えし聖女リノを祀るリノー派と呼ばれる大宗派となった。
と言うのもこの地では力のある者が情けを与える善行によって、多くの子を為し、しかもその多くが魔力を持っているので、魔力奉納も潤沢だし、魔力量の多い者も多数、神官として聖教国へと赴いているためであった。
リノー派は、血が濃くなり過ぎないように、各島々の島民同士を神殿の管理の下『コンカツ』と言う大規模なお見合いを定期的に行い、気の合わない者同士が無理して一緒にいるよりも新たな伴侶を求めた方が良いと善・行・を奨めた聖女リノの教えを忠実に護り、信徒はサザランド王国内に限らず拡がる一方である。
さて、アリシアが生まれた島は、この国で一番遠くにある小さな島で、島民も他の島に比べて少なかった。一番近くの大きな島でも船で1日以上かかる、辺境地。
この島に限らず、魔物の出ないサザランド王国では島の問題の多くは嵐と水で、嵐は過ぎるのを待つしか無いが、必要な水は水属性の魔力持ちに頼っていた。
なので、サザランドでは水属性の者は重宝されていた。
多くの国民が魔力持ちなので、生まれたての赤子でもみな何となく子の属性が分かる。
本来魔力とは生命力と同じ物なので、年を重ねてある程度身体が出来てからじゃないと、魔法を使うのは身体に良くないとされているので、聖教では7つで魔力判定をすることになっているのだが、サザランドではもっと小さい時から、各島にある聖女リノ考案の保育園で遊びとして取り入れられていた。
聖女リノの教えでは、魔力が枯渇してくると魔力の最大値が上がるとか。
なので早い時から魔力を使っているサザランド人には魔力の多い者が必然的に多くなるのだった。
そんな魔力のあるのが普通のサザランド王国で、アリシアの親は生まれた時から娘に魔力属性を感じることが無かった。
平民の両親ではあっても、水魔法の両親から生まれたのに上の兄や姉とは明らかに違う感覚だった。
その為、母は
「魔力無しの子を産んでしまって申し訳無いわ。この子、お嫁に行けないかもしれないわ」
と悲しみ失望していたのだが、父が
「別に平民の子だし、こんな田舎だ。別にこのまま家にいれば良いじゃないか。食べてく為なら何か手に職でも持てばいいさ」
そう言って慰めたのだった。
リノー派にしては珍しくマルシアの兄姉はみな同じ親の子だった。
乳離れすると慣例で行かされる島の保育園では、他の子たちに
「魔力無し、魔力無し」
と、囃し立てられて虐められたりもしたが、その度に兄姉が、
「マルシアを虐めるなんて許さないぞー!」
と言って、追いかけながら水玉をバシャバシャ当ててやり返したので暫くすると虐められなくなった。
マルシアも、言葉が喋れるようになると、
「煩いわね、私の土魔法よ!これでも喰らえ!」
と言って、予め丸めてピカピカに磨いた泥団子を腰に付けた袋から取り出して、投げ付けてやった。
単なる泥団子ではなく、暇に飽かせて磨いたピカピカの泥団子は硬度も上がって、汚れる上に結構痛いので虐めっ子撃退用にはもってこいだった。マルシアは魔法は使えなくても工夫の出来る子に成長していった。
そんな家族に愛された末っ子のマルシアに転機が訪れたのは、7つの魔力判定の時であった。
サンマの姿のように細長い半島で、その地の大半は瘴気によって汚染され荒涼とした山岳地帯で、大きな魔鳥の住処になっていて人は住むことが出来ない。
サンマの胸ビレ辺りに、この地を愛したかつての聖女、そして歴代の聖乙女の亡骸を祀った祠が結界となっていてその場所から南は魔物の侵入を防いでいるので魔物被害は大したことが無い。
たまに海洋生物が北海からやって来て漁業中の船を襲うくらい。
なので魔石の採れる鉱山も無く、魔物も出ないので、魔力奉納などに使用したり、日常生活の動力として利用している魔石は聖教国から購入していた。
サンマの目玉辺りに涌き出た泉があり、その泉を守るように囲んだ神殿が聳え立っている。
大陸にあるサザランド王国の土地は全てこの神殿の者であったし、そこに住まうのはフエンテ一族とそこに仕える者だけで、それ以外の国民は半島付近にある大きな島とその周りの中小数多の島々に住んでいた。
島々にはそれぞれ王が居て、その王たちはかつてこの地を愛した聖女の末裔たちである。
その聖女は名を莉乃と言い、召喚されてすぐこの世界に馴染み、聖教国の神官や聖騎士を連れて各国の瘴気を払う巡礼を行った。
その後、その一行にいた神官の生まれ故郷であるサザランド王国へとやって来ると、生んだ男児をその神官へと託し、島々を順に巡り問題を解決しながら各島ごとに聖女の情けを与え、その時の子孫が現在の島々にいる王たちである。
この時、聖女の力をその血によって多く取り込むことが出来たこの出来事を、サザランド王国では[リノの奇跡]と記録され、これ以降、力のある者が多くに寵愛を与えることをサザランドでは『ギャクハー』と呼ばれる善行の風習となったのである。
故に、サザランド王国の神殿で祀るのは、聖教国で祀っているこの世界を創り聖女を遣わせし女神ではなく、この地に情けと叡知を与えし聖女リノを祀るリノー派と呼ばれる大宗派となった。
と言うのもこの地では力のある者が情けを与える善行によって、多くの子を為し、しかもその多くが魔力を持っているので、魔力奉納も潤沢だし、魔力量の多い者も多数、神官として聖教国へと赴いているためであった。
リノー派は、血が濃くなり過ぎないように、各島々の島民同士を神殿の管理の下『コンカツ』と言う大規模なお見合いを定期的に行い、気の合わない者同士が無理して一緒にいるよりも新たな伴侶を求めた方が良いと善・行・を奨めた聖女リノの教えを忠実に護り、信徒はサザランド王国内に限らず拡がる一方である。
さて、アリシアが生まれた島は、この国で一番遠くにある小さな島で、島民も他の島に比べて少なかった。一番近くの大きな島でも船で1日以上かかる、辺境地。
この島に限らず、魔物の出ないサザランド王国では島の問題の多くは嵐と水で、嵐は過ぎるのを待つしか無いが、必要な水は水属性の魔力持ちに頼っていた。
なので、サザランドでは水属性の者は重宝されていた。
多くの国民が魔力持ちなので、生まれたての赤子でもみな何となく子の属性が分かる。
本来魔力とは生命力と同じ物なので、年を重ねてある程度身体が出来てからじゃないと、魔法を使うのは身体に良くないとされているので、聖教では7つで魔力判定をすることになっているのだが、サザランドではもっと小さい時から、各島にある聖女リノ考案の保育園で遊びとして取り入れられていた。
聖女リノの教えでは、魔力が枯渇してくると魔力の最大値が上がるとか。
なので早い時から魔力を使っているサザランド人には魔力の多い者が必然的に多くなるのだった。
そんな魔力のあるのが普通のサザランド王国で、アリシアの親は生まれた時から娘に魔力属性を感じることが無かった。
平民の両親ではあっても、水魔法の両親から生まれたのに上の兄や姉とは明らかに違う感覚だった。
その為、母は
「魔力無しの子を産んでしまって申し訳無いわ。この子、お嫁に行けないかもしれないわ」
と悲しみ失望していたのだが、父が
「別に平民の子だし、こんな田舎だ。別にこのまま家にいれば良いじゃないか。食べてく為なら何か手に職でも持てばいいさ」
そう言って慰めたのだった。
リノー派にしては珍しくマルシアの兄姉はみな同じ親の子だった。
乳離れすると慣例で行かされる島の保育園では、他の子たちに
「魔力無し、魔力無し」
と、囃し立てられて虐められたりもしたが、その度に兄姉が、
「マルシアを虐めるなんて許さないぞー!」
と言って、追いかけながら水玉をバシャバシャ当ててやり返したので暫くすると虐められなくなった。
マルシアも、言葉が喋れるようになると、
「煩いわね、私の土魔法よ!これでも喰らえ!」
と言って、予め丸めてピカピカに磨いた泥団子を腰に付けた袋から取り出して、投げ付けてやった。
単なる泥団子ではなく、暇に飽かせて磨いたピカピカの泥団子は硬度も上がって、汚れる上に結構痛いので虐めっ子撃退用にはもってこいだった。マルシアは魔法は使えなくても工夫の出来る子に成長していった。
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