マッチングアプリの男 有吉似の男編

椋のひかり~むくのひかり~

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10.好きなタイプ

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「え、なんで俺にいいねくれたの?どこを見て?」 
 
(別に可もなく不可もないから返しただけやけど。) 
 
「うーん、いいねもらって別に変なところなかったからかなあ。」 
「実際会ってみてどう?どう?」 
「どうって別に。最初は不機嫌な顔全開で怖いなと思ったけど。笑」 
「あー、ごめんね。俺目が悪いから。 
悪いって言うか、光に弱くてまぶしくなっちゃうんだよね。」 
「あー、そうだったんだね。」 
 
(それだけじゃないと思うけど。) 
 
「どういう基準で選ぶの?」どういうのがタイプ?元旦那はどんな人?」 
「旦那は寡黙な人かなあ。」 
 
(小指指しがお前と一緒とは言えんし。笑) 
 
「外見のタイプはこれってのはないけど、色気がある人かな。」 
「色気のある人いいよね。」 
「いいでしょ?」 
「豊川悦司とか。」 
「そういうのじゃない。」 
「あー、そうなのね。イケメン好きでしょ?」 
 
(人の話聞いてるか?イケメン好きやったらお前と会ってないよ。) 
 
「一般的なイケメン好きではないよ。ただ、玉木宏だったらついていく。笑」 
「あー、わかる。あの安全地帯の人?」 
「それ玉置浩二でしょ?もっと若い俳優の人。 
永谷園のお茶漬けのコマーシャルとか出てる人。 
もちろん顔もかっこいいんだけど、あの声が好きなんだよね。」 
 
(ってか、さっきから例えが古くねえか?
私のこと何歳だと思ってるんだ?笑) 
 
「まあアプリで見てるのは顔と身長と禁煙者かと。。。あと次男ってとこかな。」 
「え、結婚したくないのに次男かどうかは気にするんだ。」 
「あ、そーいう意味じゃなくてね。 
私さ、ちょっと違うことのために見ててさ。シモイ話しても大丈夫かな?」 
「うん、大丈夫。男はそういうの大好きだから。なになに?」 
「ムケテルかムケてないかにすごくこだわりがあってね。笑」 
 
隣の20歳前後であろう初々しいカップルに聞こえないよう 
机に身を乗り出して小声で言った。 
彼も有吉スマイルで目を輝かせて身を乗り出してきた。 
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