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6.お食事
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席は2人用の掘りごたつの個室で、向かい合わせに座っていた。
ラインでの頻繁なやり取りや事前の電話もあったため、
最初から緊張感はなくいろんな話題で盛り上がった。
彼は前妻との間に娘が一人いると話した。
過去にマッチングアプリで友達になった男の、
<娘より息子がいる男の方がセックスが丁寧>という持論を思い出した。
前妻が出産後すぐに職場の男と不倫に溺れ、
赤子をほったらかして朝帰りするようになり、
やがて出張などありえない職種にもかかわらず、
出張と言って外泊するようになり、不倫を確信したという。
前妻が不倫の事実を認めようとしないため、5年争い、
養育権は譲り、親権を取ったとのことだった。
彼は係争中の5年間は裁判で不利にならぬよう
彼女を作らず真面目に我慢していたらしい。
さちこが気になったのは、前妻が不倫して嫌な思いをしたのに、
不倫しようとしている女とつきあえるのか?
自分のような女に嫌悪感はないのだろうか?ということだった。
その辺の話もしつつ、お互いの話をいろいろした。
「俺はもうチューしてみたいよ。」
何の脈絡もなく言ってくる彼にさちこは下を向いて照れ笑いでごまかす。
「ねーなんで最初にいいねくれたの?」
「えー、なんでって、、、
あれは男から押さなきゃいけないって暗黙のルールみたいのがあるでしょ?」
(そういう回答を求めてるんじゃないんだよな。
キスしたいんなら、嘘でもかわいいと思ったとか言えねえのかな?)
「ふーん。。。」
「え、俺はなんで?」
「顔がどストライクだから。」
「そういわれるとめっちゃ嬉しいです。」
「私は実際会ってどうですか?」
(今度こそほめろよ。セカンドチャンス与えてやってんだから!)
「いや、おもしろいし、かわいいと思うよ。」
「ほんと?嬉しい!ありがとう!」
「なんか時々はにかむじゃん。」
「そう?」
「それめっちゃかわいいなと思って。」
(これって前に飯友にもこっそり写真撮られてた表情のことかなあ。
男にはこういうのがウケるんだな。ふむふむ。)
ここで、ダメ押しのはにかみをするさちこ。
「あ、そうだ、シックスパック見せてよ。」
「うんいいよ。」
彼は立ち上がってTシャツをめくりあげた。
思ったほどの筋肉の浮彫はないが、確かに贅肉のない引き締まった体であった。
「ほんとだ。すごいね。ねえ、この突起は何?」
脇腹に直径2CM程の腫瘍っぽいでっぱりがあった。
「なんかわかんないんだよね。病院に行ったけど、ほっといていいみたいで。」
「ふーん、痛くないの?」
さちこはその突起をつまむようにあえてやらしい手つきで触った。
「うん、なんとも感じない。」
「へー。」
そしてシックスパックにはあえて触れず、トイレに行った。
トイレから戻ると彼は自分の太ももの上に座るよう促してきた。
「ここに座りなよ。」
「え?ダメだよ。ここ居酒屋だよ。隣ならいいよ。」
さちこが隣の空いたスペースに腰を掛けると
彼は「キスしてみよう」と迫ってきた。
さちこ好みの薄い唇、お歯黒のことは一旦忘れてキスを受け入れた。
ラインでの頻繁なやり取りや事前の電話もあったため、
最初から緊張感はなくいろんな話題で盛り上がった。
彼は前妻との間に娘が一人いると話した。
過去にマッチングアプリで友達になった男の、
<娘より息子がいる男の方がセックスが丁寧>という持論を思い出した。
前妻が出産後すぐに職場の男と不倫に溺れ、
赤子をほったらかして朝帰りするようになり、
やがて出張などありえない職種にもかかわらず、
出張と言って外泊するようになり、不倫を確信したという。
前妻が不倫の事実を認めようとしないため、5年争い、
養育権は譲り、親権を取ったとのことだった。
彼は係争中の5年間は裁判で不利にならぬよう
彼女を作らず真面目に我慢していたらしい。
さちこが気になったのは、前妻が不倫して嫌な思いをしたのに、
不倫しようとしている女とつきあえるのか?
自分のような女に嫌悪感はないのだろうか?ということだった。
その辺の話もしつつ、お互いの話をいろいろした。
「俺はもうチューしてみたいよ。」
何の脈絡もなく言ってくる彼にさちこは下を向いて照れ笑いでごまかす。
「ねーなんで最初にいいねくれたの?」
「えー、なんでって、、、
あれは男から押さなきゃいけないって暗黙のルールみたいのがあるでしょ?」
(そういう回答を求めてるんじゃないんだよな。
キスしたいんなら、嘘でもかわいいと思ったとか言えねえのかな?)
「ふーん。。。」
「え、俺はなんで?」
「顔がどストライクだから。」
「そういわれるとめっちゃ嬉しいです。」
「私は実際会ってどうですか?」
(今度こそほめろよ。セカンドチャンス与えてやってんだから!)
「いや、おもしろいし、かわいいと思うよ。」
「ほんと?嬉しい!ありがとう!」
「なんか時々はにかむじゃん。」
「そう?」
「それめっちゃかわいいなと思って。」
(これって前に飯友にもこっそり写真撮られてた表情のことかなあ。
男にはこういうのがウケるんだな。ふむふむ。)
ここで、ダメ押しのはにかみをするさちこ。
「あ、そうだ、シックスパック見せてよ。」
「うんいいよ。」
彼は立ち上がってTシャツをめくりあげた。
思ったほどの筋肉の浮彫はないが、確かに贅肉のない引き締まった体であった。
「ほんとだ。すごいね。ねえ、この突起は何?」
脇腹に直径2CM程の腫瘍っぽいでっぱりがあった。
「なんかわかんないんだよね。病院に行ったけど、ほっといていいみたいで。」
「ふーん、痛くないの?」
さちこはその突起をつまむようにあえてやらしい手つきで触った。
「うん、なんとも感じない。」
「へー。」
そしてシックスパックにはあえて触れず、トイレに行った。
トイレから戻ると彼は自分の太ももの上に座るよう促してきた。
「ここに座りなよ。」
「え?ダメだよ。ここ居酒屋だよ。隣ならいいよ。」
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