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5.ご対面

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当日の朝、
「ごめん。昨日は21:30に寝て4:30に目が覚めて、
記念にライン送ろうかと思ったけど、
音切ってないとまずいかと思ってやめちゃった。」
「おはよう。お気遣いありがとう。
そんなに朝早く起きたら夜までもたないからお昼寝した方が良いね。笑
今日はよろしくお願いします。」
「おはよ!大丈夫その後5:00から8:00まで寝たよ。笑
今日楽しみにしてるね!」

さちこは用事を済ませ、身支度を整えて家を出ようとした矢先にラインが入った。

「ごめん。ちょっと寝すぎた。笑 待ち合わせ17:00前にお店のビルの下でいい?」
「うん。いいよ。気を付けてね。」
「ごめんね。ぎり間に合うかもしれないけど念のため。ごめんよ。
さっちゃんも気を付けてね。」
「うん、ありがとう。私もぎりぎりやったからちょうどよかった。
じゃ、またあとでね!」

駅に着くとマスクをして全然写真とは印象の違う
禿げ頭が目立つおっさんが立っていた。
身長と体型、シンプルなファッションからして彼に違いないと思いあいさつした。

「こんにちは。たーくんですか?」

お互いマスクを取ってみると本人確認できた。

「マスクだとわかんないですよねー。
店が17:00からみたいなんで、ちょっとその辺歩きましょうか。」
(やっぱり開店時間確認すればよかった。
しかもこのくそ暑いのに外歩くって。。。化粧崩れそうでちょっと嫌だな。)

ビルの周りを一周して店に入った。

実物で見ても顔がタイプなことに変わりはなかった。
確かに思ったより禿の部分が日焼けして、汗もかいてるし頭頂部はおじさんぽい。笑 
でもデコから下の顔は素敵!
またくしゃっとわらった笑顔も可愛かった。

ただ笑うと歯並びはいいが差し歯の1本以外すべて黒い。。。
禁煙者であるし、ヤニの色ではない。
磨いていないとか虫歯の黒さでもない。
神経がなさそうな歯の黒ずみである。
1本だけならよくあることだが上歯も下歯も全てお歯黒状態は珍しい。
せっかくのルックスの台無し感は否めない。
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