マッチングアプリの男 顔がタイプの男編

１３．タイプの顔ゆえにかき消される違和感

その後レストラン街フロアに行った。

「何食べたい？」
「何でもいいよ。カレーとかの辛いもの以外なら。」

ぶらぶら歩いていると美味しそうなステーキ肉の写真が飛び込んできた。

「ここは？そんな高くないし。おいしそう！」
「いいね。ここにする？隣も見てみる？」
「私はここでいいよ。隣も見るなら行く？」
「じゃあここにしよう。」
（どないやねん。意外と優柔不断なのか？
プロフの性格欄には確か決断力ありって書いてたよな？）

「結構決めるとき早いね。」
「そう？まあ、直感が働いたらすぐ行動するかな。」

さちこは表に飾ってあったステーキ、彼はパエリアを頼んだ。

「俺パエリア食べたことないんだ。」
「へえーおいしい？」
「うん、すごいおいしい！これにして良かった。」
「良かったね。」
「さっちゃんのステーキもおいしそうだね。おいしい？」
「うん、おいしいよ。」
「ちょっともらってもいい？」
（？？？確かにあんたが払うけど、これってよく上沼恵美子が嫌ってる、
「ちょっとそれちょうだいって言う奴」のことか。
ほんまにそういう人おるんや。しかも男で！
私の友達には女の子でもそういう人おらんから、ちょっと驚き。。。）

「いいよ。はい、どうぞ。」
「ありがとう。ほんとだ。おいしいね。」
「でしょ？おいしいね。」
「ねえ、そのバジルライスももらっていい？」
（まあ、いいけど。なんでも欲しくなるタイプ？？？）

「いいけど、これはそんなにおいしくないと思うよ。
まあ食べたかったらどうぞ。」
「そうだね。普通だね。笑」

デザートまで完食し、美術館へ向かった。