マッチングアプリの男 顔がタイプの男編

椋のひかり~むくのひかり~

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25.彼の正体

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彼のラインを見ているとアイコンが登録されていることに気づいた。
どんなアイコンかと拡大して見ようといじっていたら、
タイムラインのページにたどり着いた。

1時間前にアイコンが変更されたと表示されていた。
1時間前にラインのアイコンを設定する暇がありながら、
私の送ったラインを既読スルーするなら、
もうそれが宇宙からの答えなのであろう。
さちこは素直に受け止めようと思った。

すると、彼のタイムラインに
無名のアイドルグループらしき動画をいくつもフォローしていることが判明した。

しかも彼がそのアイドルグループの躍っている動画に対して
コメントを投稿しているのが目に入った。

「たーたんだけが飛び跳ねてるから、天井で頭打って禿げそう!
(絵文字いっぱい)」

さちこは目を疑った。
ツッコミどころ満載である。

まず、自分は名前が4文字で
あだ名がつけにくい名前ゆえに、今まであだ名で呼ばれたことはない
とさちこに断言していたのは嘘だったのか。

それが、自分のことを<たーたん>!
46歳のおっさんが<たーたん>と名乗っている!
いくら顔がタイプでも興ざめであった。

コメントの文章に絵文字いっぱい使うくせに
ラインでは1つも見たことがなかった。

しかも<禿げそう>じゃなくて、禿げてるからね!もう60%は禿げてるよ!

更には対象のアイドルが、どう見ても中学生ぐらいのグループであった。
9歳の女児の親であるにもかかわらず、
娘と年の近い少女たちの追っかけをしてる心境が全く理解できなかった。
気持ち悪いのなにものでもなかった。

言うまでもなく、背筋が寒くなるのを感じ、
これこそがある意味宇宙の答えだと確信した。

後はもう爆笑しかなかった。
ゲラゲラと一人で爆笑していると、彼から返信がきた。

「うん、覚えてるよ。笑」
(あ、もう結構です。忘れてください。笑)

「アイコン、写真登録したんだね。」
「アイコンやってみた。どう?」
(どうでもいいし、それよりキモイもん見てもうたし。。。)

「うん、かっこいいじゃん。」
それ以来、お互い連絡することはなかった。

さちこは思った。
あの満月の日のお願いで、自分に正直になって書いていなければ、
こんなに早く決着できなかったであろう。と。

きっと今も彼のいい面だけを思い浮かべて、悶々としていたのだろう、と。

そして、引きの早さにも自分でも驚いた。
どんなに顔がタイプでも、理想が膨らんでいた分だけ、
予期せぬ受け入れがたい一面を見たとき、
人はこんなにもあっさり冷めてしまうのかと。。。

彼はまさしくネタのために現れた人物だったのであろう。

宇宙と彼に感謝した。


今回の気づき
①いくら顔がタイプでも言動に違和感を感じたら早めに考え直すべき
直感は大切

②優柔不断の男は自分には合わない

③どんなにクールな顔をしていても裏の顔はあると覚悟すべし

④男はエッチの相性が良くてもそれだけで相手の女を好きにはならない

⑤下向きカーブは舐めにくい



この体験と気づきに感謝します。

たーたん、貴重な学びをありがとう。

彼に幸あれ。



最後まで読んでくださってありがとうございました。
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