フェイタリズム

倉木元貴

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出会いの形は最悪だ 6

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 この疑問は、部活動紹介それが始まって解決した。
 部活動紹介第一弾は、どの学校でも人気の野球部。普通の部活動紹介なのかと思えば、キャプテンと副キャプテンが野球あるあるの漫才を一通り披露した。つまりは、僕らが教室に一度返されたのは、小道具を搬入するのと最終リハーサルのためだというのか。でも、今は悪い気はしない。だって普通に面白いこの二人のやりとり。この後部活紹介するところは気まずいだろうな。これ以上のクオリティを求められるけどハードルが高すぎだ。
 野球部の部活紹介が終われば、そこから先は中学の時のような普通の部活紹介だった。それは、サッカー部から始まり、陸上部、バスケットボール部、バレーボール部、卓球部、ライフル射撃部、ソフトボール部、弓道部、体操・新体操部、バドミントン部とスポーツ系の部活が続いた。その後、十分間の小休憩を挟んで、演劇部から始まり、囲碁将棋部、合唱・アカペラ部、軽音楽部、茶道部、写真部、美術部、書道部、吹奏楽部、化学部、地学部、園芸部、手芸部、新聞部、クイズ研究会、マンガ研究会、料理研究会、映画研究会、恋愛科学研究会、ラヂオ研究会と文化系の部活動が名を連ねた。さすが高校。中学の時とは桁違いに部活の数が多い。まあ、悩まず帰宅部一択の僕にはそれほど関係ないけど。
 この時はまだ何も知らずに安堵していた。だが、事件はいつも突然起きるのだった。
 それは、無事に部活紹介を終えて教室で樹と話している時だった。
 
「そいえば大智、あれ聞いた?」
 
「あれって何?」
 
「一年生は、必ずどこかの部活に入らないといけないって噂」
 
 その時点で僕の脳内には衝撃が走ったが、樹の言うことは全て真に受けてはいけないのだ。と言うことで、真意を綾人に訊いてみた。
 
「綾人~。樹が、一年はみんな部活に入らないといけないって言っているけどマジの話なの?」
 
 綾人は考えることなく首を縦に振った。
 
「僕も先輩に聞いただけだから詳しくは知らないけど、なんかそうらしいよ」
 
 綾人はこんなくだらない嘘をつくやつではない。と言うことは、樹の言っていることは本当だと言うのか。くそ、こんななことになるなら部活紹介ちゃんと聞いておくべきだった。帰宅部に入るつもりでまともに聞いていたの野球部だけだ。でももうスポーツは懲り懲りだ。こうなったら仕方ない。部活見学の名目で部活偵察を行おうか。あ、その前に、簡単で幽霊部員になれそうな名前の部活を探しておこう。第一候補があれば勧誘を断るのも楽だしね。
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