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合同合宿会 4
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今回も汽車の旅は長く三時間弱もかかる。
今回は僕だけ途中乗車になっているから三時間弱で済んでいるが、如月さんたちは三時間以上の旅になっている。
前回の合同親睦会の時は、如月さんからの課題もあり、覚えるのに必死だったが今回は課題は聞いていない。そんな僕はその三時間を音楽を聴いて時間を潰した。ゲームは充電を喰うということが前回でわかったから、今回だけは家にいるうちとログインだけに済ませた。
如月さんからの課題がなかったからなのだろうか、今回の旅はとてものんびりに感じていた。
三時間の汽車の旅を終えると、今度は前回同様バスの旅だ。まあ、前回のように長くはなくて、たったの五分。だから乗ったと思えばもう着いた。
バスは大浜の丘公園前にに着き、僕らはそこでバスを降りた。そこからは徒歩移動。まあ歩くと言っても数百メートルだが。
キャンプ場の入り口には、鉄でできた門がありそれを潜ると芝生の広場にちらほらとコテージが並んでいた。コテージの向こうには大海原が顔を出しており、青々とした海は一段と綺麗だった。
如月さんは一人管理棟の中に入って行き、受付を済ませて鍵を持って出てきた。
如月さんがいれば諸々のことはしてくれるからありがたい。
「今回も前回同様にデイキャンプで昼食を食べようと思っていたのですが、私たちが泊まる予定のコテージは、今宿泊者がいないそうで善意で早めに入ってもいいということなので、コテージの中で何か作りましょう」
そういうわけでコテージの中に入って、リビングに荷物を全て置いて昼食の準備をした。
コテージ内の台所は狭く、女子四人が並べばそれで埋め尽くされていて、男子は完全に蚊帳の外の状態だった。
「男子のみなさん。手が空いているのでしたら夜のバーベキュー台の準備をお願いしてもいいですか? 炭の用意はまだで大丈夫ですのでバーベキュー台だけでお願いします」
「おお、わかった! 任せとき!」
岡澤君は一人外に出た。僕も手持ち無沙汰だから岡澤君に着いて行った。中村君もそんな僕について来ていた。
「組み立て方わかるの?」
「おお、めっちゃ簡単やで。よう見ときよ。ここをこうするやろ。ほんでこうして、こうして。ここをこやってするねん。ほんだら、もう炭置くスペースの出来上がりやねん。ほんだら、もう足つけるだけやねん」
口での言い方が気になりすぎて、頭にあんまり入ってこなかった。と言うか、口での説明がはっきり言って下手だ。
「意外と簡単にできるんだね」
精一杯のフォロー。
「そやねん。また片す時に片し方も言ったんわ」
「うん、お願いするよ……」
片付ける時もこんな様子だったら、僕はいつまで経っても頭に入らないと思った。
バーベキュー台の準備の整った男子は、如月さんに見つからないようコテージの影に隠れて残りの時間をやり過ごした。
「あれっ? 男子のみなさんどこ行きました?」
如月さんの声に慌てて、僕たちは近くに落ちている枝を拾い集めた。
「あ! こんな所にいたのですか。で、みなさん何しているのですか?」
如月さんは僕らに疑いの目を向けていた。
「いやな。時間余ったけん、せっかくやったら焚き火でもできたらな。と思って木の枝集めとったんよ」
「ふーん。ま、確かにいいかもですね。夜に見ると綺麗ですよね」
「そやねん。昼ごはんできるまでに、どないかようけ集めるわ」
如月さんの言い方的に岡澤君の言葉を信じているわけじゃなさそうだけど、一応は納得していた。
今回は僕だけ途中乗車になっているから三時間弱で済んでいるが、如月さんたちは三時間以上の旅になっている。
前回の合同親睦会の時は、如月さんからの課題もあり、覚えるのに必死だったが今回は課題は聞いていない。そんな僕はその三時間を音楽を聴いて時間を潰した。ゲームは充電を喰うということが前回でわかったから、今回だけは家にいるうちとログインだけに済ませた。
如月さんからの課題がなかったからなのだろうか、今回の旅はとてものんびりに感じていた。
三時間の汽車の旅を終えると、今度は前回同様バスの旅だ。まあ、前回のように長くはなくて、たったの五分。だから乗ったと思えばもう着いた。
バスは大浜の丘公園前にに着き、僕らはそこでバスを降りた。そこからは徒歩移動。まあ歩くと言っても数百メートルだが。
キャンプ場の入り口には、鉄でできた門がありそれを潜ると芝生の広場にちらほらとコテージが並んでいた。コテージの向こうには大海原が顔を出しており、青々とした海は一段と綺麗だった。
如月さんは一人管理棟の中に入って行き、受付を済ませて鍵を持って出てきた。
如月さんがいれば諸々のことはしてくれるからありがたい。
「今回も前回同様にデイキャンプで昼食を食べようと思っていたのですが、私たちが泊まる予定のコテージは、今宿泊者がいないそうで善意で早めに入ってもいいということなので、コテージの中で何か作りましょう」
そういうわけでコテージの中に入って、リビングに荷物を全て置いて昼食の準備をした。
コテージ内の台所は狭く、女子四人が並べばそれで埋め尽くされていて、男子は完全に蚊帳の外の状態だった。
「男子のみなさん。手が空いているのでしたら夜のバーベキュー台の準備をお願いしてもいいですか? 炭の用意はまだで大丈夫ですのでバーベキュー台だけでお願いします」
「おお、わかった! 任せとき!」
岡澤君は一人外に出た。僕も手持ち無沙汰だから岡澤君に着いて行った。中村君もそんな僕について来ていた。
「組み立て方わかるの?」
「おお、めっちゃ簡単やで。よう見ときよ。ここをこうするやろ。ほんでこうして、こうして。ここをこやってするねん。ほんだら、もう炭置くスペースの出来上がりやねん。ほんだら、もう足つけるだけやねん」
口での言い方が気になりすぎて、頭にあんまり入ってこなかった。と言うか、口での説明がはっきり言って下手だ。
「意外と簡単にできるんだね」
精一杯のフォロー。
「そやねん。また片す時に片し方も言ったんわ」
「うん、お願いするよ……」
片付ける時もこんな様子だったら、僕はいつまで経っても頭に入らないと思った。
バーベキュー台の準備の整った男子は、如月さんに見つからないようコテージの影に隠れて残りの時間をやり過ごした。
「あれっ? 男子のみなさんどこ行きました?」
如月さんの声に慌てて、僕たちは近くに落ちている枝を拾い集めた。
「あ! こんな所にいたのですか。で、みなさん何しているのですか?」
如月さんは僕らに疑いの目を向けていた。
「いやな。時間余ったけん、せっかくやったら焚き火でもできたらな。と思って木の枝集めとったんよ」
「ふーん。ま、確かにいいかもですね。夜に見ると綺麗ですよね」
「そやねん。昼ごはんできるまでに、どないかようけ集めるわ」
如月さんの言い方的に岡澤君の言葉を信じているわけじゃなさそうだけど、一応は納得していた。
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