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出会い
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しばらくそうして須田に抱きしめられているうちに、体に残っていた震えもおさまり、平静状態に戻ると、今度はずっと抱きしめられあやしてもらっている状況に恥ずかしさを覚え顔に血液が集まるのを感じた
「……須田さん、山本のこと下ろしてやらへんと今度は恥ずかしさでパニックなりそうやで」
その様子を見かねた上條が助け舟を出すと、彰人は何度も頷き同意の意志を須田に伝えた
「ん?あ、悪りぃ悪りぃ、つい可愛くて」
そう言って笑いながらずっと抱きしめてくれていた体を解放させると、彰人は膝から降りてその場に立ち上がった
「ありがとうございました……」
「気にすんなぁ?俺がやりたくてやったことだしさ」
彰人が降りたことで須田も立ち上がり埃を払うと、大きな手でわしゃわしゃと彰人の頭を撫でてくれた
沢山抱きしめられ、優しい言葉をかけてもらったおかげか、Domである須田に触られても怖いと思わなくなっていた
「彰人、俺らと一緒にサークルやろうぜ?」
ずっと緊張していた表情が和らいだのを見て、須田はもう一度そう声をかけてくれた
「……はい、これからよろしくお願いします……」
河野がサークル紹介をしてくれた時に言っていた、このサークルのDomは怖くない、信頼できるという言葉を思い出す
自分がDomに辱められた時、SubDropした時、どちらも須田をはじめとして福部と上條も全力で守ろうとしてくれていた
中高時代、翔たちから植え付けられたものを少しでも克服したいという気持ちもあり、彰人は迷っていた気持ちに区切りをつけ須田の誘いに頷いた
「よっしゃ、じゃあ今日はこの辺で解散するか」
「そうっすね、明日もあるんで」
須田の言葉に沢井も頷くとサークル室にいたメンバーは荷物を持って全員で部屋を後にした
「彰人」
階段を先に降りた沢井たちについて降りようとすると、一番後ろで施錠をしていた須田に呼び止められた
「どうしたんですか?」
振り返って階段の一番上にいる須田を振り返って見上げた
「彰人がさ本当に信じられるパートナーが見つかるまで、俺に守らせてくれよ」
「え?」
予想外の言葉に彰人はつい聞き返してしまった
「俺はさ、俺の周りにいる奴がダイナミクスとか性別とか関係なく笑っててほしいわけよ、ほんで、それは彰人も一緒なわけ。だから、俺に守らせてくれよ」
真っ直ぐに彰人を射抜くように見てくる須田の真剣な瞳に、自然と頷いていた
「そっか、よかった」
少しだけ安心したように笑うと、須田も階段を降りはじめ、気がつくと彰人は最後尾で目の前を歩く須田の背中を追いかけるように階段を降りた
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