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『今話題!イケメン天才シェフが初出店』
テレビ画面の右上にポップな字体のテロップが浮かんでいる。チークの濃い女性リポーターが、細長いマイクを握りしめ興奮気味に喋っていた。番組を盛り上げる為の演出なのか、身振り手振りがいちいち大きい。作ったような甲高い声は厭に耳につく。
彼女の後ろにあるのは、白と茶色を基調にしたお洒落なレストラン。それに続く長蛇の列。殆どが若い女性だった。
流行に敏感なのはいつだって女性だ。新しく店が出来ると、たちまち話の中心となる。例えばそれが、海外の有名店で料理を学んできた、しかも若いイケメンの店ともなれば、連日人が押し寄せるのも無理はなかった。
女性リポーターは行列に並ぶことなくすんなりと中に入った。店内は人で溢れかえっているが、彼女は席に着くことなく奥へと進んでいく。目的地は、厨房だ。
店内と同じく、たくさんの人が忙しく動いている。そのなかから、涼しい顔でフライパンを握る青年にカメラは近づいた。
「横山さんですか?」
「はい。料理長の横山です」
カメラに一瞥をくれると、青年はまた料理に向き直る。手を休めることなく、爽やかにリポーターの質問に応えていく。4つ目の質問が終わると同時に、料理は完成した。全て打ち合わせて通りと言うような流れ。リポーターの煩わしい声をバックに、美しく盛られたオムライスが映し出される。
本当に、それは芸術的な美しさだ。トロトロに光る黄色が空腹を掻き立てる。口に入れた時の食感を想像するだけでヨダレが出そうだ。曲線を描く赤色が、また美しさを際立てる。
料理は味だけに留まらない。見た目も美味しさの1つだと教えてくれているようだ。
やっぱり、カナは凄い。天才なんだ。
テレビに映る幼馴染みの姿に、幸成はひとり、深いため息をついた。
テレビ画面の右上にポップな字体のテロップが浮かんでいる。チークの濃い女性リポーターが、細長いマイクを握りしめ興奮気味に喋っていた。番組を盛り上げる為の演出なのか、身振り手振りがいちいち大きい。作ったような甲高い声は厭に耳につく。
彼女の後ろにあるのは、白と茶色を基調にしたお洒落なレストラン。それに続く長蛇の列。殆どが若い女性だった。
流行に敏感なのはいつだって女性だ。新しく店が出来ると、たちまち話の中心となる。例えばそれが、海外の有名店で料理を学んできた、しかも若いイケメンの店ともなれば、連日人が押し寄せるのも無理はなかった。
女性リポーターは行列に並ぶことなくすんなりと中に入った。店内は人で溢れかえっているが、彼女は席に着くことなく奥へと進んでいく。目的地は、厨房だ。
店内と同じく、たくさんの人が忙しく動いている。そのなかから、涼しい顔でフライパンを握る青年にカメラは近づいた。
「横山さんですか?」
「はい。料理長の横山です」
カメラに一瞥をくれると、青年はまた料理に向き直る。手を休めることなく、爽やかにリポーターの質問に応えていく。4つ目の質問が終わると同時に、料理は完成した。全て打ち合わせて通りと言うような流れ。リポーターの煩わしい声をバックに、美しく盛られたオムライスが映し出される。
本当に、それは芸術的な美しさだ。トロトロに光る黄色が空腹を掻き立てる。口に入れた時の食感を想像するだけでヨダレが出そうだ。曲線を描く赤色が、また美しさを際立てる。
料理は味だけに留まらない。見た目も美味しさの1つだと教えてくれているようだ。
やっぱり、カナは凄い。天才なんだ。
テレビに映る幼馴染みの姿に、幸成はひとり、深いため息をついた。
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