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番外編:資金集めはつらいよ
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岸或斗の発言を皆が集中して聞いている。
「ずばり交通費・宿代等のお金よ! 全国大会は兵庫県立芸術センターで行われるわ! ここから兵庫までの交通費で何万円もふっ飛ぶわ! もう皆が積み上げた部費はほぼ0。皆仕送りやバイトでお金はあるとは思うけど、それでも足りないと思うわ!」
「じゃあ、男の人とデートしてお金を稼ぐのどう? 私の可愛さだったらいけるよ♪」
「聖! それはパパ活ってやつだ! 後々問題になるからやめい!」
「じゃあセームくんあたりに! あっ、見た目良くないから需要がない……ごめんね♪」
「……蓼食う虫も好き好き……」
「聖はぜつゆるだ。あと馬上、フォローになってない」
「あたしだったら、左京建設のダンプトラックに荷物としてのっかっていくけど、何時間も揺れる状態で行くし、他のやつら絶対耐えられんだろうな」
「……左京、もう少し現実的な方法……提案してくれ」
「交通手段は私がある程度調べてみたんだけど、寝台特別急行列車『日本海』、これでいくのが無難かなと思うの」
「え、寝台車! 私寝台車初めて~、乗ってみたい!」
寝台車というワード聞いて、聖アデルが目を輝かせた。
「自分も初めてだ、列車内で寝るなら、あまり疲れずに現地まで行けそうだな」
「……ちょっと興味津々……」
「でもよ、寝台車は安そうだけどやっぱ金はかかるよな。うちの左京建設の作業員に資金の金貢がせてやるか?」
「それよ、左京ちゃん! 私はお金を集めようと思うの!」
「……なるほど……聞こえよく協賛金の名目で集めた方がいいかと思う……」
馬上誠実のアイディアに岸或斗は感心した。
「いいわね、馬上君の言う通りにしましょう。いわばこれはボランティアでお金を寄付してくださいっていう事だしね。皆、大学の友達や先生、家族、あらゆる人のパイプを使ってお金を集めるのよ!」
「そういうの苦手だな、自分コミュ障だし……」
「誰でも最初はそういうのは苦手なものよ、仕事で言えば飛び込み営業、こればかりは勉強じゃ無くて、場数を踏まないとこれは得意になれないわ。今こそ、皆のコミュ力が試されるときね! 皆、頑張ってお金集めるわよ!!」
「「「「「おーー!!!」」」」」
こうして、カオスシンガースの協賛金集めが始まった。
大半のメンバーは大苦戦を強いられていた。
「もう嫌だ~~、化学科の教授に言ったら、お金をいただく人の態度じゃないって怒られた~~!」
塩川聖夢のコミュ力のなさから来る非常識な対応が原因ではあったが、軽く人に話かける事にトラウマとなっていた。
「音楽の先生から協賛金貰えなかった……音楽の先生なのに……」
馬上誠実はある人に程度狙いをつけて協賛金のお願いしていたが、その難しさに悩んでいた。
「私のために貢いで~~♪」
聖アデルはおたく友達のパイプを活かし協賛金を集めていた。性格にやや難はあるものの、その美貌から男のおたくから協賛金を多く回収することに成功していた。
「じいちゃんが作業員や下請けに脅しかけて、金集まったぜ!」
左京恋奈は自信の祖父の力を利用し、建設業関連の人から協賛金を回収していた。
「カオスシンガースの更なる発展のために、どうかお願いします♪」
岸或斗はお手本的な営業を行っていた。一例を挙げると、大学の外に出て、県内の合唱団より協賛金のお願いに行っていた。また、飲食店に行って店員と仲良くなり、口コミでお客を増やす対価として協賛金を頂く方法もとっていた。
こうして、女性メンバーの活躍により十分なお金が集まったのであった。
そして、全国大会二日前夜、AKT駅にカオスシンガースのメンバーが募った。
「夜に列車に乗るってわくわくするね♪」
「ああ! 早く全国大会の舞台へ行きたいぜ! うおおお!!!」
「花嫁は夜汽車に乗るんだっけ、分る人いるかな?」
カオスシンガースの女性陣のテンションは上がっていた。
「……お、きた」
馬上誠実のつぶやきと共に、寝台特別急行列車『日本海』がやってきた。
この列車がカオスシンガース全国大会への船出となるのである! メンバーは扉が閉まらない内に慌ただしく列車内へと乗った。
さて、列車内にはしきりがあり、そのしきりごとに二段ベットが2セット。つまり、4人が近くで寝れる。カオスシンガースのメンバーは五人。つまり一人が他の場所で寝ることになる!
ジャンケンで決めることになり、結果は。
「やっぱ自分か……」
「予想通りすぎて草だね♪」
「相変わらずおめえはジャンケン弱いな、なんか憑いているんじゃねえか? 時間ある時に神社にでも行って来いよ」
塩川聖夢が一人だけ別のベッド行きが決まり、がっかりした。
「まあ寂しかったら私が添い寝してあげるわよ♪ 甘えてもいいわよ♪」
「ア、アルちゃん! ぜひ私と添い寝して!」
「うふふ、アデルちゃんは可愛いからね~~。添い寝をするときは私のマンションでね」
「ぶは――――――っ!」
聖アデルは岸或斗の爆弾発言に興奮し、鼻血を噴き出した。
「……休め、明日に差し支える」
「そうね、もう遅いし、明日も練習するから休みましょう」
「あたしは一番上のベッドだ!」
「私高いところ苦手だから、下ね」
「一応男女に分かれて寝ますか、馬上君は上にする?」
「……ベースらしく下にする……車輪の音を聴きながら寝てみたい」
「了解」
左京恋奈、聖アデルが上下に分かれて寝て、向かいのベッドで岸或斗、馬上誠実が上下に分かれて寝た。各々全国大会への熱い気持ちを抑えて眠りに入った。慣れないベッドではあるが、メンバーの気が張り詰めていたせいか、すぐに眠りについたのである。
「ふわぁ~、良く寝たぜ~」
早朝、左京恋奈が先に大口を開けてあくびをしながら、眠りから覚めた。
「あら、恋奈ちゃん早いわね」
岸或斗も早く起きていたようだった。
「そういう或斗もな」
「まだ他の三人は寝てるみたいね」
「おはよ……」
「あら、セーム君目覚め悪そうね」
「ほかの客のいびきがうるさくて寝れんかった……」
バシン!
左京恋奈が塩川聖夢に、手加減したビンタを放った。
「あうひっ!?」
「目覚まし代わりにあたしのビンタはどうだ? 効いただろう?」
「これこれ恋奈ちゃん、せめて大会終了まではセーム君を丁重に扱ってよ」
「おい待て、終わったら丁重な扱いを受けないというのか?」
「朝から騒がしいね~~」
周りが騒々しいため、聖アデルの眠気も自然と薄くなったようだ。
「……おそよう」
馬上誠実が一番起きるのが遅く、自分を皮肉るような挨拶をした。
「皆起きたわね。まずは喉と緊張をほぐすようにいつも通りのカオスシンガースの会話をしましょう♪ ただし、喉に優しくない声は出さないようにね」
「わかったよ」
喉に優しい声はこれかなと思い、ボソボソと私はしゃべった。
「それでもいいけど、もっと自然でいいわよ」
「腹減った~、めし買ってくりゃあ良かったな~」
「……こんなこともあろうかと、カロリーマイト皆の分持ってきた」
「お、流石馬上君、私はメープル味をいただきま~す♪」
私は馬上君のカロリーナイトの一箱を貰い、最初に頂いた。私に続いて、みんなが好きな味のカロリーマイトを取っていった。
そして、列車はついに全国大会の舞台である兵庫県についたのである! カオスシンガースは列車を降り、多くの人をくぐり抜けていき、落ち着ける場所までやってきた。
「まずは宿へ行きましょう♪ 荷物重いでしょ? それにお風呂も入りたいんじゃない?」
「そうだね~~、私今汗臭いからセーム君みたいなむっつりに狙われそうで」
「おいこら、自分は女の汗の臭いで興奮する変態だとでも言いたいのか?」
「汗の臭い嗅ぎてえなら嗅がせてやっぞ、ほれほれあたしの腋だ」
左京恋奈が塩川聖夢にふざけて腋の下でヘッドロックをかける体制をとった。
メコ メコ
塩川聖夢の頭から異音が聞こえてくる。
「あがぁ~やめてくれ~~っ!!」
カオスシンガースメンバー一同ふざけあいながらも、宿に到着した。近場に銭湯もあり、近くに練習場所として借りた教会もあった。宿で休憩をとり、昼食をすませたメンバーは、練習場所の教会へと向かった。教会に入ると、練習よりもまず、初めて入る教会の雰囲気を味わっていた。
「全国大会ではネチ・メア・スマリアって宗教曲を歌うし、ぴったりの場所ね!」
「教会で歌うのってのなんか新鮮♪」
本日の練習は、カオスシンガース全国大会への最後の仕上げとなる。とにかく誰よりも上手い歌を歌いたいという気持ちを皆が持っている。
ほああ~♪ はあ~お♪
教会に完成度の高い宗教曲が響き、練習を聴いていたシスターさんも聴き入っていた。
カオスシンガースのメンバーは今日の練習に限っては皆真剣そのもの! 練習を開始してから、いつの間にか長い時間がたっていた!
「大分時間がたったわね。よし! このへんで練習は終わりましょう! では、皆、明日への抱負を述べてちょうだい!」
「どうせなら、こういう陣形でやってみよ~~、漫画で見たけど結構気合入りそうだよ♪」
聖アデルの助言でメンバーの皆が輪となり、各々の拳を輪の真ん中に集中させた。
初めに左京恋奈が熱い気持ちを持って抱負を述べた。
「ようしあたしからだ! やるからには一番! 一番以外はビリと同じだ! 興味はねえ! 明日はアルトとしてよい仕事をしてやるぜ!」
次に馬上誠実がクールに抱負を述べる。
「……俺は今までの人生、青春らしいことをしてなかったと思う……今がまさに青春だ……十年後、明日は良い青春だったと思えるような日にしたい……」
塩川聖夢が緊張しながら抱負を述べる。
「自分の歌でお客さんを感動させたい! 誰よりも皆を感動させる歌を歌いたいんだ! それが自分のプライドだ!」
聖アデルはにっこり笑顔で抱負を述べる。
「明日は全国の皆に聖アデルちゃんの魅力を教える!! ちやほやされるようになったらファンクラブも発足してやるんだから!!」
最期に岸或斗が締めの抱負を述べた。
「音楽とは競い合うものではない、音を楽しむ事である、それを明日、岸或斗が証明する!」
メンバー皆の闘志が体の奥から湧いてきており、五臓六腑に循環しているようだ。
「ようし! 練習の締めに『いざ立て歌人達よ!』を歌って士気を高めるわよ!」
いざ立~~て♪ 歌人よ~~♪
5つの歌人の魂、ここに熱く燃え滾る!
「ずばり交通費・宿代等のお金よ! 全国大会は兵庫県立芸術センターで行われるわ! ここから兵庫までの交通費で何万円もふっ飛ぶわ! もう皆が積み上げた部費はほぼ0。皆仕送りやバイトでお金はあるとは思うけど、それでも足りないと思うわ!」
「じゃあ、男の人とデートしてお金を稼ぐのどう? 私の可愛さだったらいけるよ♪」
「聖! それはパパ活ってやつだ! 後々問題になるからやめい!」
「じゃあセームくんあたりに! あっ、見た目良くないから需要がない……ごめんね♪」
「……蓼食う虫も好き好き……」
「聖はぜつゆるだ。あと馬上、フォローになってない」
「あたしだったら、左京建設のダンプトラックに荷物としてのっかっていくけど、何時間も揺れる状態で行くし、他のやつら絶対耐えられんだろうな」
「……左京、もう少し現実的な方法……提案してくれ」
「交通手段は私がある程度調べてみたんだけど、寝台特別急行列車『日本海』、これでいくのが無難かなと思うの」
「え、寝台車! 私寝台車初めて~、乗ってみたい!」
寝台車というワード聞いて、聖アデルが目を輝かせた。
「自分も初めてだ、列車内で寝るなら、あまり疲れずに現地まで行けそうだな」
「……ちょっと興味津々……」
「でもよ、寝台車は安そうだけどやっぱ金はかかるよな。うちの左京建設の作業員に資金の金貢がせてやるか?」
「それよ、左京ちゃん! 私はお金を集めようと思うの!」
「……なるほど……聞こえよく協賛金の名目で集めた方がいいかと思う……」
馬上誠実のアイディアに岸或斗は感心した。
「いいわね、馬上君の言う通りにしましょう。いわばこれはボランティアでお金を寄付してくださいっていう事だしね。皆、大学の友達や先生、家族、あらゆる人のパイプを使ってお金を集めるのよ!」
「そういうの苦手だな、自分コミュ障だし……」
「誰でも最初はそういうのは苦手なものよ、仕事で言えば飛び込み営業、こればかりは勉強じゃ無くて、場数を踏まないとこれは得意になれないわ。今こそ、皆のコミュ力が試されるときね! 皆、頑張ってお金集めるわよ!!」
「「「「「おーー!!!」」」」」
こうして、カオスシンガースの協賛金集めが始まった。
大半のメンバーは大苦戦を強いられていた。
「もう嫌だ~~、化学科の教授に言ったら、お金をいただく人の態度じゃないって怒られた~~!」
塩川聖夢のコミュ力のなさから来る非常識な対応が原因ではあったが、軽く人に話かける事にトラウマとなっていた。
「音楽の先生から協賛金貰えなかった……音楽の先生なのに……」
馬上誠実はある人に程度狙いをつけて協賛金のお願いしていたが、その難しさに悩んでいた。
「私のために貢いで~~♪」
聖アデルはおたく友達のパイプを活かし協賛金を集めていた。性格にやや難はあるものの、その美貌から男のおたくから協賛金を多く回収することに成功していた。
「じいちゃんが作業員や下請けに脅しかけて、金集まったぜ!」
左京恋奈は自信の祖父の力を利用し、建設業関連の人から協賛金を回収していた。
「カオスシンガースの更なる発展のために、どうかお願いします♪」
岸或斗はお手本的な営業を行っていた。一例を挙げると、大学の外に出て、県内の合唱団より協賛金のお願いに行っていた。また、飲食店に行って店員と仲良くなり、口コミでお客を増やす対価として協賛金を頂く方法もとっていた。
こうして、女性メンバーの活躍により十分なお金が集まったのであった。
そして、全国大会二日前夜、AKT駅にカオスシンガースのメンバーが募った。
「夜に列車に乗るってわくわくするね♪」
「ああ! 早く全国大会の舞台へ行きたいぜ! うおおお!!!」
「花嫁は夜汽車に乗るんだっけ、分る人いるかな?」
カオスシンガースの女性陣のテンションは上がっていた。
「……お、きた」
馬上誠実のつぶやきと共に、寝台特別急行列車『日本海』がやってきた。
この列車がカオスシンガース全国大会への船出となるのである! メンバーは扉が閉まらない内に慌ただしく列車内へと乗った。
さて、列車内にはしきりがあり、そのしきりごとに二段ベットが2セット。つまり、4人が近くで寝れる。カオスシンガースのメンバーは五人。つまり一人が他の場所で寝ることになる!
ジャンケンで決めることになり、結果は。
「やっぱ自分か……」
「予想通りすぎて草だね♪」
「相変わらずおめえはジャンケン弱いな、なんか憑いているんじゃねえか? 時間ある時に神社にでも行って来いよ」
塩川聖夢が一人だけ別のベッド行きが決まり、がっかりした。
「まあ寂しかったら私が添い寝してあげるわよ♪ 甘えてもいいわよ♪」
「ア、アルちゃん! ぜひ私と添い寝して!」
「うふふ、アデルちゃんは可愛いからね~~。添い寝をするときは私のマンションでね」
「ぶは――――――っ!」
聖アデルは岸或斗の爆弾発言に興奮し、鼻血を噴き出した。
「……休め、明日に差し支える」
「そうね、もう遅いし、明日も練習するから休みましょう」
「あたしは一番上のベッドだ!」
「私高いところ苦手だから、下ね」
「一応男女に分かれて寝ますか、馬上君は上にする?」
「……ベースらしく下にする……車輪の音を聴きながら寝てみたい」
「了解」
左京恋奈、聖アデルが上下に分かれて寝て、向かいのベッドで岸或斗、馬上誠実が上下に分かれて寝た。各々全国大会への熱い気持ちを抑えて眠りに入った。慣れないベッドではあるが、メンバーの気が張り詰めていたせいか、すぐに眠りについたのである。
「ふわぁ~、良く寝たぜ~」
早朝、左京恋奈が先に大口を開けてあくびをしながら、眠りから覚めた。
「あら、恋奈ちゃん早いわね」
岸或斗も早く起きていたようだった。
「そういう或斗もな」
「まだ他の三人は寝てるみたいね」
「おはよ……」
「あら、セーム君目覚め悪そうね」
「ほかの客のいびきがうるさくて寝れんかった……」
バシン!
左京恋奈が塩川聖夢に、手加減したビンタを放った。
「あうひっ!?」
「目覚まし代わりにあたしのビンタはどうだ? 効いただろう?」
「これこれ恋奈ちゃん、せめて大会終了まではセーム君を丁重に扱ってよ」
「おい待て、終わったら丁重な扱いを受けないというのか?」
「朝から騒がしいね~~」
周りが騒々しいため、聖アデルの眠気も自然と薄くなったようだ。
「……おそよう」
馬上誠実が一番起きるのが遅く、自分を皮肉るような挨拶をした。
「皆起きたわね。まずは喉と緊張をほぐすようにいつも通りのカオスシンガースの会話をしましょう♪ ただし、喉に優しくない声は出さないようにね」
「わかったよ」
喉に優しい声はこれかなと思い、ボソボソと私はしゃべった。
「それでもいいけど、もっと自然でいいわよ」
「腹減った~、めし買ってくりゃあ良かったな~」
「……こんなこともあろうかと、カロリーマイト皆の分持ってきた」
「お、流石馬上君、私はメープル味をいただきま~す♪」
私は馬上君のカロリーナイトの一箱を貰い、最初に頂いた。私に続いて、みんなが好きな味のカロリーマイトを取っていった。
そして、列車はついに全国大会の舞台である兵庫県についたのである! カオスシンガースは列車を降り、多くの人をくぐり抜けていき、落ち着ける場所までやってきた。
「まずは宿へ行きましょう♪ 荷物重いでしょ? それにお風呂も入りたいんじゃない?」
「そうだね~~、私今汗臭いからセーム君みたいなむっつりに狙われそうで」
「おいこら、自分は女の汗の臭いで興奮する変態だとでも言いたいのか?」
「汗の臭い嗅ぎてえなら嗅がせてやっぞ、ほれほれあたしの腋だ」
左京恋奈が塩川聖夢にふざけて腋の下でヘッドロックをかける体制をとった。
メコ メコ
塩川聖夢の頭から異音が聞こえてくる。
「あがぁ~やめてくれ~~っ!!」
カオスシンガースメンバー一同ふざけあいながらも、宿に到着した。近場に銭湯もあり、近くに練習場所として借りた教会もあった。宿で休憩をとり、昼食をすませたメンバーは、練習場所の教会へと向かった。教会に入ると、練習よりもまず、初めて入る教会の雰囲気を味わっていた。
「全国大会ではネチ・メア・スマリアって宗教曲を歌うし、ぴったりの場所ね!」
「教会で歌うのってのなんか新鮮♪」
本日の練習は、カオスシンガース全国大会への最後の仕上げとなる。とにかく誰よりも上手い歌を歌いたいという気持ちを皆が持っている。
ほああ~♪ はあ~お♪
教会に完成度の高い宗教曲が響き、練習を聴いていたシスターさんも聴き入っていた。
カオスシンガースのメンバーは今日の練習に限っては皆真剣そのもの! 練習を開始してから、いつの間にか長い時間がたっていた!
「大分時間がたったわね。よし! このへんで練習は終わりましょう! では、皆、明日への抱負を述べてちょうだい!」
「どうせなら、こういう陣形でやってみよ~~、漫画で見たけど結構気合入りそうだよ♪」
聖アデルの助言でメンバーの皆が輪となり、各々の拳を輪の真ん中に集中させた。
初めに左京恋奈が熱い気持ちを持って抱負を述べた。
「ようしあたしからだ! やるからには一番! 一番以外はビリと同じだ! 興味はねえ! 明日はアルトとしてよい仕事をしてやるぜ!」
次に馬上誠実がクールに抱負を述べる。
「……俺は今までの人生、青春らしいことをしてなかったと思う……今がまさに青春だ……十年後、明日は良い青春だったと思えるような日にしたい……」
塩川聖夢が緊張しながら抱負を述べる。
「自分の歌でお客さんを感動させたい! 誰よりも皆を感動させる歌を歌いたいんだ! それが自分のプライドだ!」
聖アデルはにっこり笑顔で抱負を述べる。
「明日は全国の皆に聖アデルちゃんの魅力を教える!! ちやほやされるようになったらファンクラブも発足してやるんだから!!」
最期に岸或斗が締めの抱負を述べた。
「音楽とは競い合うものではない、音を楽しむ事である、それを明日、岸或斗が証明する!」
メンバー皆の闘志が体の奥から湧いてきており、五臓六腑に循環しているようだ。
「ようし! 練習の締めに『いざ立て歌人達よ!』を歌って士気を高めるわよ!」
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