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死ぬか子作りか!?

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「なんだここは?」

「記憶にない部屋ですね……」

 どこか良く分からない一室に二人の男がいた。二人とも同じ学校の生徒である。
 その内の一人は桜大地さくらだいち。髪は金髪に染めて、身体のあちこちにアクセサリーをつけて、粗暴な言動が多く、いかにも不良といった見た目をしている。しかし、意外にも成績・スポーツ・ビジュアルも良く、校内での女子人気は高い。
 もう一人は香納英人かのうえいと。桜大地とは対照的に、黒髪にメガネ、どんな相手にも紳士的な対応をとり、模範的な秀才男である。彼もまた成績・スポーツ・ビジュアルが良く女子人気は高い。

「おい、てめえがここに俺を連れてきたのか?」

「無闇に人を疑うのはやめた方がいいですよ。味方をなくします。ちなみに僕もあなたがここに連れてきたものかと思いましたよ」

 ちなみにこの二人、非常に仲が悪い。学校で会えば必ずや険悪な雰囲気になり、喧嘩こそ起きていないが周りの生徒や先生が止めに入る事態もあった。
 二人とも「どちらが一番か」で競い合う事が多い。桜大地は性格が勝負事に燃える熱血タイプで負けず嫌いである。とにかく勝負事は一番を狙っていく男なのだ。香納英人は幼き頃からの教育で、常日頃から一番である事が宿命付けられ、自分が一番である事は当たり前だと考えている。両者とも一番でない事は自身のプライドが許さないのだ。
「相変わらず腹立つ言い方しやがるな。まあいい、つまりお前もしらねえって言うんだな!」

「とにかくどうしようもんですかね」

ウィーン

 二人のいる部屋の扉が開き、誰かが入ってきた。扉から出てきた生命体に彼らは驚いた。明らかに人間とも動物とも言えない見た目をしている。二足歩行で手足もあり、顔には口も目も耳もあって人型に近いが、全身が銀色である。恐らく常人や専門家でさえもその生命体を知るものはいない。いわゆる宇宙人というものである。

「これはどっきりなのか? マジだったらやばくねえか?」

「これはこれは、なかなかに慎重な対応が必要とされるようです。いざとなったら君を利用しないと危ないかもしれないですね」

「俺はてめえに利用される気なんざまっぴらねえよ。むしろお前を盾にして逃げてやるよ」

「カピョラリプロラゴ」

 宇宙人が二人に対し、なにやらよく分からない言語を喋った。もちろん彼らには宇宙人の言葉は分からない。それを察した宇宙人は室内にあるモニターに文字を表示した。

(この言葉は通じるか)

 モニターには二人がよく知る日本語が表示された。二人は頷いてサインを出した。宇宙人がまた言葉を発し、次なるメッセージが出てくる。

(まず唐突に身柄を確保した事に関してはお詫びを言いたい。我々は人間の生態の研究を行っているのだ。素直に協力してくれれば君らを解放しよう)

「へえ、俺らでどんな研究をしようっていうのかね?」

「悪い予感しかしないですね」

「解剖されるとかだったらまっぴらゴメンだぜ」

(我々は人間の繁殖活動に非常に興味を持っている。君達がいかに子供を産み出すかを見たい)

「!?」

 このメッセージを見て二人の顔つきが変わった。それは二人にとって到底受け入れがたいものだからだ!!

「ちょっと待てえ!」

「この宇宙人さんはとても非常識なようですね……」

(我々に協力できないなら、証拠隠滅のため消えて貰う。つまり死だ)

「そもそも男同士で子供が作れるかってんだよ!!」

「仮に彼や僕が異性だとしても、性行為をしたいとは一切思いませんね」

「それは俺も同じだ。こうなったらこの宇宙人を俺がぶっとばしてやらあ!」

 桜大地は宇宙人めがけて一直線に走り、体重の載った右ストレートをくりだした。

ぼわぁん

 右の拳が宇宙人に触れる寸前、宇宙人の姿が消えた。

「なにぃ!?」

(無駄だ。物理的な衝撃は我々には与えられないものと思った方が良い。君が暴力的行為をとった件に関しては、このような場に連れてこられて精神が安定していないという事だろう。大目に見るが、相応の罰は受けてもらおう)

ぷすり

 突然、桜大地の左腕に注射がされた。

「うおっ! どこからこんな注射が! やい、ヤバい薬注射したんじゃねえだろうな!!」

びくん びくん

 桜大地の身体に異変が起きた。体内に熱がこもっているかのような感覚に襲われ、特に下半身が顕著である。

「なんだこの感覚は! やっぱヤバい薬か!」

「大丈夫ですか桜君? まあ君なら危ない薬の一つや二つやっていそうなのでむしろ日常茶飯事では?」

「こちとらお前以上の優等生じゃい! ヤバい薬なんて見たこともねえ!」

「それと、下半身は随分と元気そうですね」

「へ?」

 桜大地が下半身に目をやると、股間のあたりがかなり膨らんでいる。つまり桜大地の性器が勃起しているのだ。

「ってなんじゃこりゃあ!!」

「どうやら性的なお薬のようですね。バイアグラと似ているようだ……」

 モニターに宇宙人からのメッセージが表示された。

(桜大地と名乗る男に性的興奮剤を注射した。多少刺激の強い薬で早めに射精しないと精神が崩壊する)

「なんてもん注射したんじゃ! くそ、こうなったらオナニーするしかねえ! 香納! 覗くんじゃねえぞ!」

「言われなくても覗きませんよ」

(それは駄目だ。香納英人、少なくともお前には見る以上の事はしてもらう)

「ほう、断ればどうなりますか?」

(死だ)

「死ぬとかどうとうか言っておりますが、貴方方には本当に私達の生命を奪うほどの力があるのですか?」

(そうか、では我々の技術を一部お見せしよう)

しゅわわん

 突然、床に見たこともない巨大な宝石が現れた。

「ふむ、名前は知らない宝石ですが、要は硬度の極めて高いものを破壊するといったパフォーマンスをやるつもりでしょうかね?」

(香納英人とやら、察しが良いようだ。そこにいる単細胞とは違うようだな)

「誰が単細胞だ!」

「誰も君だなんて言っていませんよ。もしかして君は単細胞のご自覚がおありと?」

「香納、生きて帰れたらマジでぶっ殺してやるからな……」

「その時は僕も全力で正当防衛しましょう」

(ここにある宝石はロンズデーライトだ。ダイヤモンドよりも硬度が高いことで知られている。さて、こいつをだ)

シュパン!

 突然レーザー光がロンズデーライトを横切り、見事に真っ二つに割れた。

「つまり、貴方方はいつでもこのロンズデーライトのように僕達を真っ二つにすることが出来る。その他にも色んな方法で仕留めることが出来る。そう解釈してよろしいですかね?」

(そういうことだ)

「やれやれ、仕方ないですね」

 香納英人は不本意そうな態度で桜大地を見た。

「この僕が特別に君のオナニーを見てあげましょう。心からご感謝下さい」

「俺だって女に見せるならともかく、お前に見せつけるなんて気分最悪だぜ」

カチャカチャ

 桜大地も覚悟を決めて制服のベルトをゆるめて、ズボンとパンツをおろした。桜大地の股間から同年代の男子学生の平均よりも大きい性器が出てきた。

「グロテスクな物体ですね。早く抜いて早くしまってください」

「わかってらい」

しゅっしゅっ

 桜大地はオナニーを始めた。ほどよく握った右手を前後に動かし、勃起した性器に刺激を与える。香納英人もそれを黙って見ていたが、三分ほどしたタイミングである。

「できるかぁ!」

「どうした桜君?」

「おかずもねえし、野郎に見られているし、こんなんで抜ける奴はいねえよ!!」

(ならば、香納英人、お前が性的刺激を与えろ)

「まあこういう展開は予想していました。では、宇宙人さんと呼んで良いですかね?」

(我々もお前達のように正式な名称はあるが、「宇宙人さん」という名称で呼んで貰ってもかまわない)

「では、桜君がより射精しやすいプレイがお好みなので、まず彼が床に大の字で寝るように拘束して下さい」

(了解した)

「って、何当然のように変な事指示してんだ香納!」

ウィーン

 桜大地の足下からマジックアームが伸びてきた。複数のマジックアームが桜大地の身体を掴んだ。

ガシャン ガシャン ガシャン

「こんなもん力尽くで!」

 桜大地は力尽くで壊そうとするが、それは無理なことであった。徐々にマジックアームの力で、桜大地は床に寝る形となった。

「準備は整ったようですね」

 加納英人は自分の履いていた靴と靴下を脱ぎ、裸足となった。

「桜君、この僕が特別に足でしごいてあげます。ありがたく思って下さいね」

「最悪だ、お前のくっさい足で抜かれるなんて……」

「心外ですね。僕はボディーソープで毎日身体は洗っています」

ぺたん

 桜大地の性器に香納英人の足が乗っかった。香納英人は瞬時に色々な事を意識し実践した。桜大地の性器に体重を載せすぎない事、足裏の凹凸を活かす事、性器の敏感なポイントを責める事、時折スピードや載せる体重を変えて刺激に変化を加える事。その結果!

「うおっ! なんでこんなに意外と気持ち良いんだよ!」

「やはり僕は天才だ。初めてやることでもこんなにそつなくこなしますからね」

「野郎のち〇こを足コキして自己陶酔かよ。かっこつかねえぜ」

ずしり

 加納英人は桜大地の一言に機嫌を悪くし、性器に載せる体重を増加させた。

「あだだだ!! こらぁ! 体重載せすぎだ!!」

「僕が主導権を握っている事をお忘れなく、次は君の睾丸を潰しますよ」

 香納英人はそう言って、足を睾丸に移動させた。

「恐ろしい事抜かすな! お前だって金玉が潰される恐ろしさがぐらい分かっているだろ!」

「ええ分かっていますよ。でも君の睾丸が潰れても僕は困りませんので」

「俺が困るんだっつうの!!」

「ワガママな人ですね。こんなのはどうですか?」

 加納英人は足の親指と人差し指の間に亀頭を挟み込むにしてしごいた。新たな刺激の責めに桜大地は快感を感じ、性器はより一層膨張していった。

「おやおや、どんどん固くなっていきますね。君は野郎の性器で感じているんですか?」

「くそっ! 加納の足で感じるなんてえええ!!」

 桜大地の性器は限界に近かった。性器の根元まで精液がこみあげていたのだ。

どぴゅう どぴゅるる

 桜大地の性器から大量の精液が射精された。桜大地の着用していた黒の学生服を真っ白に汚した。

「ふう、桜君の性器をしごくなんて真似、二度としたくないですね。まあ君が無様に射精する姿は言い見物でしたがね」

「こんにゃろ~~! お前のせいで俺の学生服が汚れたし、イカ臭くなったじゃねえか! これしか着替えねえんだぞ!」

「それはそれで君にお似合いでしょう?」

「どうお似合いだっつうんだよ!」

「僕としてはそろそろ桜君の感謝の言葉を聞きたいんですよね。君が射精できなかったら、宇宙人さんの説明の通り、気が狂うほどの感覚に襲われていたかもしれないんですよ」

「ありがとうございました! これでいいのかよ!」

「そうだね、土下座も加えたら最高だね」

「この拘束された状態でどう土下座しろってんだ!」

ピーピー

 モニターの方から電子音が聞こえ、二人が振り向くと、メッセージが表示されている。

(君達が今すぐ繁殖活動をするというのは難しいようだ。だから君達が繁殖活動をするに至るまでの経過を我々として観察させて貰う)

「ほう、宇宙人はあくまで加納と子作りしろっていうのか? 頭おかしいんじゃねえのか!」

「やれやれ、どうにかして納得させないといけないようですね」

(まずは体液で汚れた身体を洗うが良い。お前達の星の文化にのっとり、バスルームなるものを用意した。バスルームと書かれている扉のを開ければ良い)

かちゃり かちゃり

 このタイミングで桜大地の拘束が外れ、自由に動ける状態となった。

「加納、ここにはうるさいやつらもいねえしぶんなぐりてえところだが、まずは風呂だ」

「宇宙人さん、風呂はひとつだけですか?」

(風呂は一室に二人が余裕で入れるスペースはある。安心しろ)

「宇宙さん、僕が聞きたいのは僕と桜君別々で専用のシャワールームがないかということですがね?」

(ない。お前達が一緒に裸の空間でいかなる反応を示すかも観察したい。つまり二人同時でバスルームに入るのだ)

「……最悪だぜ」

「君とはよく意見が合うようです……」

 二人は渋々とバスルームへと向かった。
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