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君さえいなけりゃ
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しおりを挟む「…え…?手伝うって…なに…?」
羞恥と混乱でパニックが続く義経の肩を押しベッドに寝かせると、湊和はその上に覆い被さり再び耳にキスを繰り返しながら義経の自身に優しく指を絡ませる。
「っ!!え…湊和くん、待って…!!」
「大丈夫だから…力を抜いて?」
よしよしと頭を撫で義経を落ち着かせながら湊和は手の動きを早めていく。
…多分、この感じだともうすぐ終わるところだったんだろうなぁ…。
湊和は義経自身からの先走りの量などから自分がものすごく良いところで邪魔をしてしまったのだと罪悪感を感じながら、今度こそ熱を吐き出させてやろうと丁寧に義経を絶頂に誘う。
「ゃっ…やだ、ぁ……そ、わく…」
「大丈夫…ヨシ、力を抜いて」
「んっ……ぁ、んんっ…!」
「声も我慢しなくていいからそのままイッていいよ」
「や、だぁ!ゃ……イけなっ…!!」
義経はこの状況をうまく受け入れられないまま胸を肩を大きく上下させながら紡ぐ呼吸は過呼吸を起こしかけている。頭は左右に振り、湊和に触られている事実を拒絶しているのか襲いくる快感から逃れようとしているのか、どちらにせよ効果はないようだった。
湊和はその様子を見ながらもう一度優しく頭を撫で、そのまま義経の顎を固定するとおもむろに唇を重ね無理矢理に舌を絡ませた。
「んんっ!!はっ…ゃぁ…ぁ、あぁっ!!」
湊和が角度を変える度に鳴るくちゅという水音を聞く度に義経の体はどんどんと弛緩し、傍若無人に口内を動き回る舌に理性は削られていき欲望は解放を求めて義経を追いつめる。
「んゃ!あっ…ゃあぁぁっ!!」
完全に意識を口腔内に逸らされ、自身の先端に親指の爪をたてられた瞬間、義経は嬌声とともに自身から白濁を吐き出し快楽に強張っていた四肢をだらりとベッドに投げ出した。
「はぁはぁ、はっ…はぁ…」
虚ろな表情に上気して赤く色付く肌、熱を含んだ荒い呼吸がやけに艶めかしく、湊和は気付かれないように生唾をのみ込むと慌ててベッドから離れ洗面台に向かった。
薄く開いた瞼から湊和の姿が見えなくなったのを確認すると義経の視界はぐにゃりと滲んで歪んだ。
最悪だぁ…。湊和くんにこんな姿見られたうえに、て、手伝ってもら、う、なんてっ……恥ずかしすぎて死ねる……。
「大丈夫?」
あられもない姿を晒したというのに湊和は相変わらず優しく、声を押し殺し泣き続ける義経にペットボトルの水と温水で湿らせたタオルを差し出し静かにベッドの縁に腰をおろした。
この手がオレのを…。
ぐしぐしとなかなか止まらない涙を両手の甲で拭いながら湊和が持つペットボトルに先程まで翻弄されていた自身を重ねてしまうと、義経の頭は湯沸かしポットのように瞬間的に沸騰し湯気を上げる。驚く湊和からペットボトルを奪い取り起き上がった義経は力の入らない手でキャップを開け喉に水を流し込むと、焦り過ぎたその行動で水は気管に入ってしまい「うっ!!」と短い悲鳴を上げ盛大に咳き込んだ。
「大丈夫?!」
湊和は慌てて義経の背中を擦ったり叩いたりして体を支えると義経は数回強く咳き込んだ後、ようやく呼吸を落ち着かせた。
「……ごめんね…」
「気にしないで」
「……いろいろと……」
「…あ……それこそ気にしないで?男同士だし…」
疲労と余韻で怠い体は指先ですら動かすのが億劫で、湊和はそんな義経の体を支えてもう一度水を飲ませると今度は優しくベッドに体を倒した。そして小さな子供をあやすように頭を撫でてやると湊和を見つめていた義経は二、三度瞬きを繰り返した後、安心したようにすぐに意識を手放した。
聞こえてきた可愛い寝息に湊和はそりゃあ疲れるよね、などと他人事に呟きながらもうすっかり冷えてしまったタオルで義経の体を軽く拭いて簡単に服を直してやり、掛け布団を肩までしっかりと掛けてあげた。
…可愛い寝顔…。
無意識に湊和はベッドに腰掛け、義経のパーマがかかった髪に指を絡めた。
綺麗な髪…。
傷みの少ない淡い栗色の髪に指を滑らせ義経の頬に触れると、自然と上半身を倒しベッドが軋む音が湊和の心に背徳心を植え付ける。
幼さの残る寝顔にまだ髪を染める前、黒髪だった頃の義経の面影に触れると自分はいつからこんな淫猥な感情を義経に抱いていたんだろうと湊和は複雑な感情に顔を歪めた。
「……ごめんね、ヨシ…」
覆い被さり一瞬だけ触れた唇は義経の温もりを移し、湊和はそれを実感するともう一度義経が寝ていることを確認して右手を自分の下着の中に滑り込ませ昂る自身に手をかける。
「んっ…っ、はっ…はぁはぁ…」
先程の義経の乱れた姿に興奮していた自身は先端の敏感なところを軽く弄るだけで驚く程簡単に吐き出した白濁が下着を汚し、湊和は嘲笑を漏らした。
…汚い……こんな自分…。
静かな寝息をたてる義経に罪悪感を覚えた。僕がこんな感情を抱いてるなんて知られてしまったらきっと嫌われてしまうだろうなんて冷めた考えは、それでも体に残った熱にすぐに掻き消された。
自分が失ってしまった純粋さに焦がれる程に惹かれてしまったあの日から、どうしても欲しくなってしまった。自分のモノに出来ないことなんて分かりきってるのに…。
「でも…やっと僕にもチャンスが回ってきたかな…」
ふっと、嗤う湊和はもう一度、義経に唇を重ねると漸くベッドを降りた。
end
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