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【番外編】大不正解(東儀×神楽)
6*
しおりを挟む「あんたとはもう、こんな事しない…これっきりだ…」
「往生際が悪いなぁ…逃がさへんってゆうとるやろ?」
「んんっ、ぁ…」
尚も抵抗を続ける神楽に竜太は自分のものを引き抜くと白濁に汚れたそれを神楽の口元に近付けると眉を潜め怪訝な表情で竜太を睨み付けると、竜太はそれすらも楽しそうに笑った。
「ほら。どうすればええか分かるやろ?」
「っ、ざけんな……んぐっ!!んんんんっ…んぁ…」
「歯、立てたらアカンよ…んっ…は、あっ…アキの喉、ほんま気持ちええ…」
神楽の髪を掴み無理矢理咥えさせると、物のように頭を律動させ自身を昂らせると喉の奥までに差し込み腰を振るとすぐに射精感が込み上げ苦しさに歪んだ顔に竜太は容赦なくその欲望を吐き出した。
「かっは!…おぇ、はっ、はっ、はっ…」
喉奥まで染み込まされた竜太の匂いを吐き出すように神楽は盛大に咳き込むが喉に纏わりつく粘液は出ていく気配すらなく吐き気までもよおし洗面台へ向かおうとベッドを降りた瞬間、竜太の腕に捕まり抗議しようと開いた唇はいとも簡単に竜太に塞がれ、流れ込んでくる液体に溺れないように神楽は必死にそれを飲み込んだ。
それを何度も繰り返される内に口内の不快感は一掃された神楽だったが、酸欠と立ち上がったことで太腿を伝う白濁の感触に思考はどんどん奪われ力の入らない体は竜太に寄りかかることでなんとかその態勢を維持していた。
…堕ちるな…。
………堕ちたくない……。
自分の腕から逃げることさえしない神楽に竜太は唇へのキスから首筋に流れるようにキスを落としていくと、ぞくり、電気のような甘い痺れを残し、力の入らない腕はそれでも戯れのように竜太の首に回る。
「…愛しとる…俺にはアキだけや…」
「…」
縋りつくように必死に掴んでいたこいつの腕を、離すのは容易いことだったのに。
離しても離しても、まるで引力のようにこいつに惹き付けられる。
……堕ちたくない…。
堕ちたらきっと……失望される…。
双眸から溢れる涙を神楽は隠すことも拭うこともせず、竜太はそれを唇で拭っていく。優しいその感触に神楽は自分の中の何かが解けていくのを感じていた。
それはあの日、竜太と生きる道を頑なに拒み続けた自分だった。
「愛しとる…」
「…やめ、て……やめてくれ…」
相変わらず力の入らない体は竜太に軽々と抱きかかえられベッドに横たえられると母親のような慈愛に満ちた眼差しで頭を撫でられると心地よさに瞼を閉じる。頭を撫でる大きな手に安心するのは離れていても変わらないものだと神楽は疲弊した体をベッドに沈めた。
「……ほんま、素直やないなぁ…」
静かな寝息を立て始めた神楽を見つめ、竜太は先程の光景を思い出していた。竜太の手から契約書を奪い取り内容を全て確認した刹那、神楽が表情を明るくしたのを見逃さなかったのだ。
嬉しいなら嬉しいって素直に言えばええのに…ほんま遊びがいがあるわ…。
神楽と再開するまでは不安に満ちていた竜太だったがその表情を見た瞬間、神楽の気持ちが以前と変わっていないことを確信すると絶対に逃がさないと心に誓った。
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