あほうぎ

降守鳳都

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つつぬけ

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 ぐるぐるで天井がなくなってから、晴れの日、雨の日、くもりの日、色々の日が過ぎました。
 あの日以来、阿呆は前のようにみんなから遠ざけられていたので、天井のない家の中にずっといました。
 でも、答えが見つかったので心はおだやかでした。
 その頃、雲上の神様は、仏様が『あほうぎ』をかくして、『かきおき』を代わりに阿呆に与えた意味がまったく分からなかったので、それをずっと考えていました。
 ずっと考えていたので、仏様に呼びかけることも忘れてしまうほどでした。
 神様は何度も何度も考えましたが、どうも答えが見当たりません。そこで静かに両手を合わせて、仏様のすがたを思い浮かべながら考えようとしたところ、遥か遠くの星にいる仏様がものすごい速さでとつぜん来ました。
 「あっ、仏様。実は…」と神様が言いかけたところ、仏様はやさしい笑みでもって、すべて分かっていると伝えて、一枚の紙を斜めに丸め形あるものを創って神様に手渡してから、いつものようにおごそかな声で「この『つつぬけ』を与えなさい」と言って、あっと言う間に遥か遠くの星にもどって行きました。
 仏様への感謝の思いをこめて、神様は阿呆目がけて『つつぬけ』を投げました。
 『つつぬけ』が阿呆の肩に当って下へ落ちたので、阿呆はすぐさまそれをひろい上げ、口元へもっていって「天井がつつぬけ」と天井の向こうに見える空に向かって言いました。
 言い終わると家の入口に人がいました。その人は阿呆の目をじっと見つめながら、
 「わたしは、直す人だよ。直す人は、直すためにいるのだよ」と言ってから、
 「かべに耳あり、障子にメアリーだよ」と続けました。
 それを聞いた阿呆は「メアリーとは何ですか?」と聞きました。
 「メアリーはいじめられて、差別(さべつ)されたり、殺されたり(ころされたり)した人たちが信じていた神様のことだよ」と答えました。
 そう答えてから、直す人は、すぐにふしぎな道具を出して、あっと言う間に阿呆の家を直しました。
  そして「さあ、これで直ったよ。直す人は、直したから帰るよ」と言いました。
阿呆が思いつきで「直す人は人なのですか?」と聞くと、直す人は「直す人は、おばけのようなものだよ」と答えてからすっと消えました。阿呆には意味が分かりませんでした。
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