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明かり取りの天窓から、青空を見る。劣化した樹脂越しの空。梅雨は明けたばかり。これから暑くなるだろう季節を思って、笑みがこぼれた。
平日の昼間。小さな子供連れの女性に混ざって、ジェラート屋の列に並んでいる。ここは、商店街のアーケードにある、イタリアンジェラートのお店。価格は少し高め。だから、いいことがあった日とか、元気が欲しいときに買いに来る。
新卒で勤めた会社があまりにもブラックで、ゴールデンウィーク明けには辞めると決め、今日晴れて自由となった。
諦めは早い方。自分では、いいことだと思っているが、他人や家族はそう思っていない。
いいことがあった日は、決まって、いちごのジェラート。
コーンにたっぷり乗せられたそれを受け取り、五百円硬貨を渡すと、レシートは断って外に出た。アーケードの終わりに広場があって、座れるようになっている。花の終わったハナミズキの下のベンチに腰掛け、傍らにカバンを置き、ルビー色の角(つの)をペロリ。冷たい甘みと酸味に、思わず目を細めて、もう一口。溶けない程度の時間をかけて、なるべくゆっくり、大事に食べる。コーンの尻尾を飲み込むまで十五分。
よし。大丈夫。頑張ろう。
鼻から、少し冷やりとした甘い香りを吐き出して、また空を見上げた。
さぁて。どうしようかな。
学生時代にしたコンビニバイトの貯金を含めて、無職のままだと二ヵ月で家賃が払えなくなり、生活できなくなる。もう少し溜めてから辞めるべきだったとは思うが、メンタルが持たなかった。鬱にでもなると、回復には時間がかかるのを知っていたから、決断は早かった。
とはいえ、とりあえず最低でも越したばかりのアパートの家賃を払えるだけは稼がないと、住所不定無職へとレベルダウンしてしまう。そうなると、実家に戻らねばなるまいし、地元で職を探すことにもなりかねない。
それは避けたい。
家族は、嫌いではないけれど、好きでもなかった。
求人・・・かぁ。
そうだ。商店街の季刊誌に、そんなページがなかったろうか。
思い立って、アーケードを振り返る。どのお店にも置いてあるが、本屋で貰うのが無難だろうか。
本屋へ向かう道すがら、商店街の中ほどに鎮座する、小さな稲荷神社へ参った。
良い仕事が見つかりますように。
財布にあった、二十五円を賽銭箱に入れて、深々と頭を下げた。
総菜屋さんでチキンカツと稲荷ずしを買って、自転車で帰宅。アパートは築四十年の木造二階建て。南に面した一階の角を借りている。間取りは1k。バストイレ別のリフォーム済み。外見は古いが、中はそこそこきれいだった。節約のためシャワーだけそそくさと浴びて、扇風機をつけ、座卓に落ち着いた。食事を済ませたら、仕事を探すつもりだが、少し休みたい気持ちの方が強かった。ずっと寝不足だったし、食生活もガタガタで、肌も髪も荒れている。なにより疲れていた。五目の稲荷を食べ終わる頃には、かなり眠くなっていて。
「だめだぁ。今日はもういい。寝る。オレは頑張った。」
んーっと伸びをして、ゴミをまとめて指定ゴミ袋に突っ込み、ちいさなキッチンで歯磨きをする。虫歯がないのは自慢だが、八重歯があるので丁寧に磨く。五分ほどかけて磨いてうがい。寝る前のルーチンを終えて、ベッドに潜り込んだ。薄手のダウンケットに包まる。眠るのには丁度いい気温で、すぐに瞼が重くなった。スマホにケーブルを刺して、枕元に投げる。明かりを消したが、思い出してつけ直した。スマホに指を滑らせて、朝のアラームを削除した。
働いていた時には考えられないくらい、ゆっくり過ごしたつもりの一週間。できる限り自炊もして、体調が戻ってきたところ。商店街の写真屋に履歴書用の写真を撮りに来ている。とはいえお金はかけられないので、機械のやつだが。コンディションはまぁまぁ。床屋も行ったし、人としてなかなかの見栄えである。自分で言うのもなんだが、割とスーツも似合うと思っている。吊るしとはいえ、買ったばかりの夏物のスーツに、爽やかなブルーとネイビーのネクタイを締めてきた。背丈は人並みだが、低い方ではないと思っている。音声ガイダンスに従って、紙幣を入れ背筋を正す。鏡には、整えたばかりの黒髪ツーブロック。数分で出来上がった証明写真を手帳に挟んで、カバンに入れた。アーケードを少し戻って本屋でアルバイト用の履歴書を買う。就活の時に散々書いたが、その時にはなかった職歴があるので、新しく書く。ゲン担ぎでもある。気分が乗ってきたので、足はジェラート屋に向いていた。
実は、働きたいお店は、このジェラテリアである。通ってはいるが、下見もかねて別の視点から雰囲気を探るつもり。
屋号はフラゴラロッサ。
嫌な仕事を押し付けられた日も、日付が変わるまでの残業の翌日も、理不尽に叱られた日も、いつも救われてきた。
従業員はいつも爽やかな見目の人が立っていて、太い腕でディッシャーを握り、ジェラートを盛り付けてくれる。
どうせ仕事をしなくてはならないなら、好きなもののそばで、との思いである。至極安直だが、従業員向けの割引があったりしたらいいなという考えもあった。なにより、興味のない仕事をするのは、短期間であっても苦痛だと身に染みたのが大きい。下見をするのは、念のため人間関係の空気を知りたいからだ。
パワハラとか、絶対勘弁。
赤い屋根の小さなお店は、なるほどいちごっぽいデザインである。ラインナップもいちごをはじめとした
ベリー系のさっぱりしたものが多い。フルーツメインのイタリアンジェラート専門店だ。順番待ちをしながら、中を窺った。
従業員は二人で、若い男女。愛想よく客をさばいている。そう、いつもとても気持ちよく買うことができる。盛り付けは男性の担当で、レジには女性が立っている。常連らしい年配の客のスタンプカードに、手慣れた手つきでスタンプを押して、ニッコリ。客の方もつられてニッコリ。
うん。いいんじゃない?
ここで働けたらいいなぁ。
いちごとブルーベリーとヨーグルトのカップをオーダーして、ソワソワと出来上がりを待つ。やがて、こんもりと盛り付けられたジェラートが、カウンターに置かれた。会計を済ませて受け取る。カウンターの下にA4の従業員募集の広告が張ってあるのを見逃さなかった。
よし。大丈夫。募集してる!
店を出て、アーケードを少し歩き、いつもの広場のベンチに座る。スプーンですくって一口。
「うっま!」
よし。帰って履歴書作ろう。
お稲荷さんに寄って、願かけて・・・。
広場の隅のごみ箱に、紙のカップを捨てて、アーケードへとUターンした。
高梨楓李(たかなしふうり)。22年使ってきた名前だ。苗字と名前で、木が三つも入っているが、バランスも響きも嫌いじゃない。家族には、ふーり、と呼ばれていた。
丁寧に履歴書の余白を埋めながら、志望動機をどうしようかと思う。素直に、お金のため?接客の経験があることをアピールする?それともジェラートが好きだからとか。どれも決め手に欠けるけど、全部書いたらどうだろうか。
バカっぽいかな・・・。
力の入れ過ぎで怠くなった右手をフリフリと振って、伸びをする。
「就活終わったと思ってたからなぁ。書き方なんか忘れちゃったよ・・・。」
すごい枚数を書いたし、手書きではなかったから、適当にテンプレをコピーしていた。企業側もそんなのはお見通しで、軒並み落ちて・・・やっと内定したのがあのブラック・・・。
思い出したくない記憶に蓋をして、とりあえず今日の作業は終わり。急ぎではないのだ。面接は来週。本社があるというビルは、電車で三駅のところだった。
「面接の予約、ネットでできちゃうの、ほんと楽。」
スマホで求人サイトから、あっという間である。学生時代にコンビニバイトもしたけれど、あの時はどうだったろうか。
眠い・・・。
眠くなったら布団で寝られる。それがどんなに幸せか。
もう、オフィスの床に段ボールを敷いて、ジャケットを布団代わりに仮眠をとるなんてこと、しなくていいのだ。
地獄を見た。それだけの事。
人生にはスパイスも必要なんだよな。きっと。
苦すぎたけど。
二度と味わいたくない。
ふーっとため息をついて、書きかけの書類をファイルにしまった。
週明け、月曜日の三時。面接の予定を入れた時刻に、ジェラート屋の本社が入っているというビルにやってきている。
スーツに、例のネクタイをして、皮のカバンには履歴書。髪も清潔感重視でセットして、深呼吸。こういう建物、エレベーターに乗るだけで嫌な気持ちになるのは、前の職場を思い出すからだろう。緊張感とは別の暗澹たる思いを噛み潰して、指定された階で降りた。壁に掛けられた、会社の名前を確認し、冷房のためか締めきったガラスの扉を見つめていると、中から背の高いがっしりとした若い男性がやってきて、ガチャリと開けた。
ふわ、と甘い香りが鼻孔をくすぐる。
あ、いい匂い・・・。
自分は普段香水を使わないので、自身の匂いはいわゆる柔軟剤の匂いなのだが、これはたぶん違うだろうと思う。
「こんにちは。高梨さんですか?」
うわ・・・バリトン・・・。
いい声だな。こういう声なら、電話対応で下に見られて怒鳴られたりとか・・・ないんだろうな。
嫌なことを思い出して苦笑する。
「はい。高梨です。面接に伺いました。」
185?190センチはありそうか。仕立ての良さそうなチャコールグレイのスーツに、金とオレンジの千鳥模様のネクタイ。顔を見上げると、緑がかった琥珀の瞳が、細いフレームの眼鏡の奥で光っていた。同世代、いや、少し年上だろうか。安物のスーツを着た自分と比べてしまい、少し卑屈になる。あのスーツは多分、海外のブランドだ。体躯がしっかりしているから、とてもしっくりきている。
「申し訳ありません。担当の者が急な用事で手が離せないので、代わりに私がお話を伺うことになりました。伊住です。
連絡が遅くなり、行き違いになったようで、大変失礼しました。」
伊住(いずみ)と名乗った男は、ニコリともせず、淡々と述べた。
連絡が行き違い?スマホを確認しようかとも思ったが、電車に乗っていて気がつかなかったんだろうと思い、笑顔を作ると、わかりました、と会釈した。
「面接は、後日改めて行わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?本日は、私が少しお時間いただいて、お話をするだけになってしまうのですが。」
珍しいケースだ。後日面接をするなら、今日は帰ってもいいのだが、無駄足にさせないための配慮だろうか。
「こちらは問題ありません。」
不思議に思いながら答えると、伊住はぺこりと頭を下げ、では場所を変えますので、とドアをくぐって歩き出した。言われるままにオフィスに入る。デスクの並んだ普通のオフィスだが、あまり人がいない。それに、とても静かだった。探るようにちらちらと見ていると、伊住が肩越しに振り返った。
ふわ、と柔らかな香り。
「三時なので、みんなティールームの方に行ってます。おやつタイムなんです。弊社は、全面禁煙なので、タバコ代わりに、全員がこの時間に休憩を取れるようになっています。」
「面白いですね。」
前の会社は、タバコタイムを頻繁にとる社員と、吸わない社員との間に軋轢があった。なるほど、これなら平和そうだ。
「さ、こちらへ。」
促された先は、壁で仕切られた応接室。狭い空間だが、重厚なソファーとテーブルがあり、窓に向かった方へと促された。
「どうぞ。飲み物は、コーヒーでよろしいですか?」
え?面接でコーヒーなんて出されたことないけど・・・。
返答に詰まっていると、伊住が首をかしげる。ややあって、合点が言ったように頷くと、口を開いた。
「面接ではないので、緊張しないでください。足を運んでいただいたので、これはおもてなしです。コーヒーが苦手なようでしたら、弊社のジェラートはいかがでしょう?」
おもてなし!?
伊住の言葉に再度驚いて、ぽかんとしてしまう。
そんな会社あるか?
バイトの面接に来た、ただの若造だぞ?
いやでも・・・断るのも変か?
「えっと・・・。コーヒーで。」
「・・・ミルクは?」
「お願いします。」
聞かれるまま答えると、伊住は一旦部屋を出て行き、十分ほどして戻ってきた。トレイにはカップと、アイスコーヒーのグラス。どうぞと差し出されたカップは、ふわふわのスチームミルクがたっぷり乗ったカフェラテだった。びっくりしていると、伊住が向かいにグラスを置いて、やっと座った。長い脚が邪魔そうである。
伊住の匂いと、コーヒーの香りが混じって、なんだか落ち着かない。
「改めまして、伊住です。本日は来ていただきありがとうございます。こちらの都合で申し訳ありません。
私は、商品開発に籍を置いているので、人事にはあまり関係がないのですが、よろしくお願いします。」
ぺこ、と頭を下げるので、同じようにお願いしますとお辞儀した。鼻先をかすめる、コーヒーの香り。
「さて、早速ですが。どのようなきっかけで、弊社の求人をご覧になりましたか?」
スーツの内ポケットから、手帳と万年筆を出し、こちらに目を向ける。少し冷たい印象の伊住は、さして興味なさそうに、そう質問した。
「貴社の出店している、フラゴラロッサに通わせていただいておりまして。店内の雰囲気も良く、好きなので是非働いてみたいと思いました。店頭にポスターがあったのと、商店街の季刊誌で、募集が出ているのを知りまして。」
伊住は、そうですかと頷くと、さら、とメモを取り、またこちらを見た。
「それはありがとうございます。特に好きな商品はありますでしょうか。」
「いつも、いちごのを購入させていただいてます。」
伊住がメモを取りながら、他には、と問うてくる。
「最近だと、ブルーベリーとヨーグルトを。」
「あぁ。いいですよね。・・・価格帯が、少し高めですが、それはどうですか?」
「いいことがあった時や、元気が欲しい時に買いに行くので、ご褒美の位置づけなんです。だから、少し高級感がある方が、都合がいいというか。」
エナドリ買うなら、断然ジェラートです!と力説する。
なるほど、とペンを走らせ、ぱたりと手帳を閉じると、コーヒーどうぞと勧めてきた。いただきます、と会釈して、カップの持ち手を取る。一口すると、飲み頃のそれは、よく知る味のものではなかった。
「いかがです?」
「美味しいです。とても。」
ふーっとコーヒーの香りの吐息をすると、伊住は満足そうに、初めて少し笑って見せた。
「豆の選定と焙煎を管理させて、社内でのみ提供しているものでして。今はまだ、実験段階ですが、うまくいけば店舗展開する予定なのです。」
あれ?じゃぁ、もしかして。
「本題、こっちですか?」
「えぇ、まぁ。騙すようなことをして申し訳ありません。」
そういえば、彼は確かに、初めに言っていた。商品開発に籍を置いている、と。
「すごいです。味見させてもらってよかったんですか?」
「社内の評価だけだと、どうしても忖度というものがありますので。それで、ジェラートと同じく、少し高めの価格帯で勝負したいのですが、いくらくらいまでなら払えそうですか?」
伊住は先ほどまでは違い、興味津々、といった調子で話し始めた。しかし・・・コーヒーは、安いコーヒーメーカーの煮詰まったものか、インスタントしか飲んだことがない。どう答えればいいか迷って、素直に答えることにした。
「美味しいコーヒーを飲んだのはこれが初めてです。値段をつけるのは難しいです。他のお店のは飲んだことがないので。」
「コンビニとかも?」
問われて頷く。
伊住は、少し拍子抜けした顔をしたが、ややあっていいことを思いついた、と目を輝かせた。嬉しそうに、口元に笑みを刻んで、やや高い声色で告げる。
「嫌いでないなら、よかったら一緒に飲みに行きませんか?
市場調査、ですね。」
は?
「失礼ながら申し上げますと、二十代の時間の取りやすい男性を探していまして。求人のメールを拝見した時から、気になっていたんです。・・・もちろん報酬はあります。」
それって、言外に「暇でしょ?」って言われてるんじゃ・・・。
「あの、フラゴラで働きたいのですが?」
「その面接は、また後日です。あなたに損がないように考えさせていただきますので。」
どうです?と前置きして、伊住は言った。
「私と付き合いませんか?」
伊住の真意をはかりかねたまま、当たり障りなく受け答えし、オフィスを出たのが四時。電車で、最寄りの駅に着いたが、商店街には足が向かず、コンビニでパスタソースとアイスコーヒーを買って帰った。
伊住のコーヒーの方が美味しかった。
平日の昼間。小さな子供連れの女性に混ざって、ジェラート屋の列に並んでいる。ここは、商店街のアーケードにある、イタリアンジェラートのお店。価格は少し高め。だから、いいことがあった日とか、元気が欲しいときに買いに来る。
新卒で勤めた会社があまりにもブラックで、ゴールデンウィーク明けには辞めると決め、今日晴れて自由となった。
諦めは早い方。自分では、いいことだと思っているが、他人や家族はそう思っていない。
いいことがあった日は、決まって、いちごのジェラート。
コーンにたっぷり乗せられたそれを受け取り、五百円硬貨を渡すと、レシートは断って外に出た。アーケードの終わりに広場があって、座れるようになっている。花の終わったハナミズキの下のベンチに腰掛け、傍らにカバンを置き、ルビー色の角(つの)をペロリ。冷たい甘みと酸味に、思わず目を細めて、もう一口。溶けない程度の時間をかけて、なるべくゆっくり、大事に食べる。コーンの尻尾を飲み込むまで十五分。
よし。大丈夫。頑張ろう。
鼻から、少し冷やりとした甘い香りを吐き出して、また空を見上げた。
さぁて。どうしようかな。
学生時代にしたコンビニバイトの貯金を含めて、無職のままだと二ヵ月で家賃が払えなくなり、生活できなくなる。もう少し溜めてから辞めるべきだったとは思うが、メンタルが持たなかった。鬱にでもなると、回復には時間がかかるのを知っていたから、決断は早かった。
とはいえ、とりあえず最低でも越したばかりのアパートの家賃を払えるだけは稼がないと、住所不定無職へとレベルダウンしてしまう。そうなると、実家に戻らねばなるまいし、地元で職を探すことにもなりかねない。
それは避けたい。
家族は、嫌いではないけれど、好きでもなかった。
求人・・・かぁ。
そうだ。商店街の季刊誌に、そんなページがなかったろうか。
思い立って、アーケードを振り返る。どのお店にも置いてあるが、本屋で貰うのが無難だろうか。
本屋へ向かう道すがら、商店街の中ほどに鎮座する、小さな稲荷神社へ参った。
良い仕事が見つかりますように。
財布にあった、二十五円を賽銭箱に入れて、深々と頭を下げた。
総菜屋さんでチキンカツと稲荷ずしを買って、自転車で帰宅。アパートは築四十年の木造二階建て。南に面した一階の角を借りている。間取りは1k。バストイレ別のリフォーム済み。外見は古いが、中はそこそこきれいだった。節約のためシャワーだけそそくさと浴びて、扇風機をつけ、座卓に落ち着いた。食事を済ませたら、仕事を探すつもりだが、少し休みたい気持ちの方が強かった。ずっと寝不足だったし、食生活もガタガタで、肌も髪も荒れている。なにより疲れていた。五目の稲荷を食べ終わる頃には、かなり眠くなっていて。
「だめだぁ。今日はもういい。寝る。オレは頑張った。」
んーっと伸びをして、ゴミをまとめて指定ゴミ袋に突っ込み、ちいさなキッチンで歯磨きをする。虫歯がないのは自慢だが、八重歯があるので丁寧に磨く。五分ほどかけて磨いてうがい。寝る前のルーチンを終えて、ベッドに潜り込んだ。薄手のダウンケットに包まる。眠るのには丁度いい気温で、すぐに瞼が重くなった。スマホにケーブルを刺して、枕元に投げる。明かりを消したが、思い出してつけ直した。スマホに指を滑らせて、朝のアラームを削除した。
働いていた時には考えられないくらい、ゆっくり過ごしたつもりの一週間。できる限り自炊もして、体調が戻ってきたところ。商店街の写真屋に履歴書用の写真を撮りに来ている。とはいえお金はかけられないので、機械のやつだが。コンディションはまぁまぁ。床屋も行ったし、人としてなかなかの見栄えである。自分で言うのもなんだが、割とスーツも似合うと思っている。吊るしとはいえ、買ったばかりの夏物のスーツに、爽やかなブルーとネイビーのネクタイを締めてきた。背丈は人並みだが、低い方ではないと思っている。音声ガイダンスに従って、紙幣を入れ背筋を正す。鏡には、整えたばかりの黒髪ツーブロック。数分で出来上がった証明写真を手帳に挟んで、カバンに入れた。アーケードを少し戻って本屋でアルバイト用の履歴書を買う。就活の時に散々書いたが、その時にはなかった職歴があるので、新しく書く。ゲン担ぎでもある。気分が乗ってきたので、足はジェラート屋に向いていた。
実は、働きたいお店は、このジェラテリアである。通ってはいるが、下見もかねて別の視点から雰囲気を探るつもり。
屋号はフラゴラロッサ。
嫌な仕事を押し付けられた日も、日付が変わるまでの残業の翌日も、理不尽に叱られた日も、いつも救われてきた。
従業員はいつも爽やかな見目の人が立っていて、太い腕でディッシャーを握り、ジェラートを盛り付けてくれる。
どうせ仕事をしなくてはならないなら、好きなもののそばで、との思いである。至極安直だが、従業員向けの割引があったりしたらいいなという考えもあった。なにより、興味のない仕事をするのは、短期間であっても苦痛だと身に染みたのが大きい。下見をするのは、念のため人間関係の空気を知りたいからだ。
パワハラとか、絶対勘弁。
赤い屋根の小さなお店は、なるほどいちごっぽいデザインである。ラインナップもいちごをはじめとした
ベリー系のさっぱりしたものが多い。フルーツメインのイタリアンジェラート専門店だ。順番待ちをしながら、中を窺った。
従業員は二人で、若い男女。愛想よく客をさばいている。そう、いつもとても気持ちよく買うことができる。盛り付けは男性の担当で、レジには女性が立っている。常連らしい年配の客のスタンプカードに、手慣れた手つきでスタンプを押して、ニッコリ。客の方もつられてニッコリ。
うん。いいんじゃない?
ここで働けたらいいなぁ。
いちごとブルーベリーとヨーグルトのカップをオーダーして、ソワソワと出来上がりを待つ。やがて、こんもりと盛り付けられたジェラートが、カウンターに置かれた。会計を済ませて受け取る。カウンターの下にA4の従業員募集の広告が張ってあるのを見逃さなかった。
よし。大丈夫。募集してる!
店を出て、アーケードを少し歩き、いつもの広場のベンチに座る。スプーンですくって一口。
「うっま!」
よし。帰って履歴書作ろう。
お稲荷さんに寄って、願かけて・・・。
広場の隅のごみ箱に、紙のカップを捨てて、アーケードへとUターンした。
高梨楓李(たかなしふうり)。22年使ってきた名前だ。苗字と名前で、木が三つも入っているが、バランスも響きも嫌いじゃない。家族には、ふーり、と呼ばれていた。
丁寧に履歴書の余白を埋めながら、志望動機をどうしようかと思う。素直に、お金のため?接客の経験があることをアピールする?それともジェラートが好きだからとか。どれも決め手に欠けるけど、全部書いたらどうだろうか。
バカっぽいかな・・・。
力の入れ過ぎで怠くなった右手をフリフリと振って、伸びをする。
「就活終わったと思ってたからなぁ。書き方なんか忘れちゃったよ・・・。」
すごい枚数を書いたし、手書きではなかったから、適当にテンプレをコピーしていた。企業側もそんなのはお見通しで、軒並み落ちて・・・やっと内定したのがあのブラック・・・。
思い出したくない記憶に蓋をして、とりあえず今日の作業は終わり。急ぎではないのだ。面接は来週。本社があるというビルは、電車で三駅のところだった。
「面接の予約、ネットでできちゃうの、ほんと楽。」
スマホで求人サイトから、あっという間である。学生時代にコンビニバイトもしたけれど、あの時はどうだったろうか。
眠い・・・。
眠くなったら布団で寝られる。それがどんなに幸せか。
もう、オフィスの床に段ボールを敷いて、ジャケットを布団代わりに仮眠をとるなんてこと、しなくていいのだ。
地獄を見た。それだけの事。
人生にはスパイスも必要なんだよな。きっと。
苦すぎたけど。
二度と味わいたくない。
ふーっとため息をついて、書きかけの書類をファイルにしまった。
週明け、月曜日の三時。面接の予定を入れた時刻に、ジェラート屋の本社が入っているというビルにやってきている。
スーツに、例のネクタイをして、皮のカバンには履歴書。髪も清潔感重視でセットして、深呼吸。こういう建物、エレベーターに乗るだけで嫌な気持ちになるのは、前の職場を思い出すからだろう。緊張感とは別の暗澹たる思いを噛み潰して、指定された階で降りた。壁に掛けられた、会社の名前を確認し、冷房のためか締めきったガラスの扉を見つめていると、中から背の高いがっしりとした若い男性がやってきて、ガチャリと開けた。
ふわ、と甘い香りが鼻孔をくすぐる。
あ、いい匂い・・・。
自分は普段香水を使わないので、自身の匂いはいわゆる柔軟剤の匂いなのだが、これはたぶん違うだろうと思う。
「こんにちは。高梨さんですか?」
うわ・・・バリトン・・・。
いい声だな。こういう声なら、電話対応で下に見られて怒鳴られたりとか・・・ないんだろうな。
嫌なことを思い出して苦笑する。
「はい。高梨です。面接に伺いました。」
185?190センチはありそうか。仕立ての良さそうなチャコールグレイのスーツに、金とオレンジの千鳥模様のネクタイ。顔を見上げると、緑がかった琥珀の瞳が、細いフレームの眼鏡の奥で光っていた。同世代、いや、少し年上だろうか。安物のスーツを着た自分と比べてしまい、少し卑屈になる。あのスーツは多分、海外のブランドだ。体躯がしっかりしているから、とてもしっくりきている。
「申し訳ありません。担当の者が急な用事で手が離せないので、代わりに私がお話を伺うことになりました。伊住です。
連絡が遅くなり、行き違いになったようで、大変失礼しました。」
伊住(いずみ)と名乗った男は、ニコリともせず、淡々と述べた。
連絡が行き違い?スマホを確認しようかとも思ったが、電車に乗っていて気がつかなかったんだろうと思い、笑顔を作ると、わかりました、と会釈した。
「面接は、後日改めて行わせていただきたいのですが、よろしいでしょうか?本日は、私が少しお時間いただいて、お話をするだけになってしまうのですが。」
珍しいケースだ。後日面接をするなら、今日は帰ってもいいのだが、無駄足にさせないための配慮だろうか。
「こちらは問題ありません。」
不思議に思いながら答えると、伊住はぺこりと頭を下げ、では場所を変えますので、とドアをくぐって歩き出した。言われるままにオフィスに入る。デスクの並んだ普通のオフィスだが、あまり人がいない。それに、とても静かだった。探るようにちらちらと見ていると、伊住が肩越しに振り返った。
ふわ、と柔らかな香り。
「三時なので、みんなティールームの方に行ってます。おやつタイムなんです。弊社は、全面禁煙なので、タバコ代わりに、全員がこの時間に休憩を取れるようになっています。」
「面白いですね。」
前の会社は、タバコタイムを頻繁にとる社員と、吸わない社員との間に軋轢があった。なるほど、これなら平和そうだ。
「さ、こちらへ。」
促された先は、壁で仕切られた応接室。狭い空間だが、重厚なソファーとテーブルがあり、窓に向かった方へと促された。
「どうぞ。飲み物は、コーヒーでよろしいですか?」
え?面接でコーヒーなんて出されたことないけど・・・。
返答に詰まっていると、伊住が首をかしげる。ややあって、合点が言ったように頷くと、口を開いた。
「面接ではないので、緊張しないでください。足を運んでいただいたので、これはおもてなしです。コーヒーが苦手なようでしたら、弊社のジェラートはいかがでしょう?」
おもてなし!?
伊住の言葉に再度驚いて、ぽかんとしてしまう。
そんな会社あるか?
バイトの面接に来た、ただの若造だぞ?
いやでも・・・断るのも変か?
「えっと・・・。コーヒーで。」
「・・・ミルクは?」
「お願いします。」
聞かれるまま答えると、伊住は一旦部屋を出て行き、十分ほどして戻ってきた。トレイにはカップと、アイスコーヒーのグラス。どうぞと差し出されたカップは、ふわふわのスチームミルクがたっぷり乗ったカフェラテだった。びっくりしていると、伊住が向かいにグラスを置いて、やっと座った。長い脚が邪魔そうである。
伊住の匂いと、コーヒーの香りが混じって、なんだか落ち着かない。
「改めまして、伊住です。本日は来ていただきありがとうございます。こちらの都合で申し訳ありません。
私は、商品開発に籍を置いているので、人事にはあまり関係がないのですが、よろしくお願いします。」
ぺこ、と頭を下げるので、同じようにお願いしますとお辞儀した。鼻先をかすめる、コーヒーの香り。
「さて、早速ですが。どのようなきっかけで、弊社の求人をご覧になりましたか?」
スーツの内ポケットから、手帳と万年筆を出し、こちらに目を向ける。少し冷たい印象の伊住は、さして興味なさそうに、そう質問した。
「貴社の出店している、フラゴラロッサに通わせていただいておりまして。店内の雰囲気も良く、好きなので是非働いてみたいと思いました。店頭にポスターがあったのと、商店街の季刊誌で、募集が出ているのを知りまして。」
伊住は、そうですかと頷くと、さら、とメモを取り、またこちらを見た。
「それはありがとうございます。特に好きな商品はありますでしょうか。」
「いつも、いちごのを購入させていただいてます。」
伊住がメモを取りながら、他には、と問うてくる。
「最近だと、ブルーベリーとヨーグルトを。」
「あぁ。いいですよね。・・・価格帯が、少し高めですが、それはどうですか?」
「いいことがあった時や、元気が欲しい時に買いに行くので、ご褒美の位置づけなんです。だから、少し高級感がある方が、都合がいいというか。」
エナドリ買うなら、断然ジェラートです!と力説する。
なるほど、とペンを走らせ、ぱたりと手帳を閉じると、コーヒーどうぞと勧めてきた。いただきます、と会釈して、カップの持ち手を取る。一口すると、飲み頃のそれは、よく知る味のものではなかった。
「いかがです?」
「美味しいです。とても。」
ふーっとコーヒーの香りの吐息をすると、伊住は満足そうに、初めて少し笑って見せた。
「豆の選定と焙煎を管理させて、社内でのみ提供しているものでして。今はまだ、実験段階ですが、うまくいけば店舗展開する予定なのです。」
あれ?じゃぁ、もしかして。
「本題、こっちですか?」
「えぇ、まぁ。騙すようなことをして申し訳ありません。」
そういえば、彼は確かに、初めに言っていた。商品開発に籍を置いている、と。
「すごいです。味見させてもらってよかったんですか?」
「社内の評価だけだと、どうしても忖度というものがありますので。それで、ジェラートと同じく、少し高めの価格帯で勝負したいのですが、いくらくらいまでなら払えそうですか?」
伊住は先ほどまでは違い、興味津々、といった調子で話し始めた。しかし・・・コーヒーは、安いコーヒーメーカーの煮詰まったものか、インスタントしか飲んだことがない。どう答えればいいか迷って、素直に答えることにした。
「美味しいコーヒーを飲んだのはこれが初めてです。値段をつけるのは難しいです。他のお店のは飲んだことがないので。」
「コンビニとかも?」
問われて頷く。
伊住は、少し拍子抜けした顔をしたが、ややあっていいことを思いついた、と目を輝かせた。嬉しそうに、口元に笑みを刻んで、やや高い声色で告げる。
「嫌いでないなら、よかったら一緒に飲みに行きませんか?
市場調査、ですね。」
は?
「失礼ながら申し上げますと、二十代の時間の取りやすい男性を探していまして。求人のメールを拝見した時から、気になっていたんです。・・・もちろん報酬はあります。」
それって、言外に「暇でしょ?」って言われてるんじゃ・・・。
「あの、フラゴラで働きたいのですが?」
「その面接は、また後日です。あなたに損がないように考えさせていただきますので。」
どうです?と前置きして、伊住は言った。
「私と付き合いませんか?」
伊住の真意をはかりかねたまま、当たり障りなく受け答えし、オフィスを出たのが四時。電車で、最寄りの駅に着いたが、商店街には足が向かず、コンビニでパスタソースとアイスコーヒーを買って帰った。
伊住のコーヒーの方が美味しかった。
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自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
天の求婚
紅林
BL
太平天帝国では5年ほど前から第一天子と第二天子によって帝位継承争いが勃発していた。
主人公、新田大貴子爵は第二天子派として広く活動していた亡き父の跡を継いで一年前に子爵家を継いだ。しかし、フィラデルフィア合衆国との講和条約を取り付けた第一天子の功績が認められ次期帝位継承者は第一天子となり、派閥争いに負けた第二天子派は継承順位を下げられ、それに付き従った者の中には爵位剥奪のうえ、帝都江流波から追放された華族もいた
そして大貴もその例に漏れず、邸宅にて謹慎を申し付けられ現在は華族用の豪華な護送車で大天族の居城へと向かっていた
即位したての政権が安定していない君主と没落寸前の血筋だけは立派な純血華族の複雑な結婚事情を描いた物語
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
兄貴同士でキスしたら、何か問題でも?
perari
BL
挑戦として、イヤホンをつけたまま、相手の口の動きだけで会話を理解し、電話に答える――そんな遊びをしていた時のことだ。
その最中、俺の親友である理光が、なぜか俺の彼女に電話をかけた。
彼は俺のすぐそばに身を寄せ、薄い唇をわずかに結び、ひと言つぶやいた。
……その瞬間、俺の頭は真っ白になった。
口の動きで読み取った言葉は、間違いなくこうだった。
――「光希、俺はお前が好きだ。」
次の瞬間、電話の向こう側で彼女の怒りが炸裂したのだ。
【完結】幼馴染に告白されたけれど、実は俺の方がずっと前から好きだったんです 〜初恋のあわい~
上杉
BL
ずっとお前のことが好きだったんだ。
ある日、突然告白された西脇新汰(にしわきあらた)は驚いた。何故ならその相手は幼馴染の清宮理久(きよみやりく)だったから。思わずパニックになり新汰が返答できずにいると、理久はこう続ける。
「驚いていると思う。だけど少しずつ意識してほしい」
そう言って普段から次々とアプローチを繰り返してくるようになったが、実は新汰の方が昔から理久のことが好きで、それは今も続いている初恋だった。
完全に返答のタイミングを失ってしまった新汰が、気持ちを伝え完全な両想いになる日はやって来るのか?
初めから好き同士の高校生が送る青春小説です!お楽しみ下さい。
義兄が溺愛してきます
ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。
その翌日からだ。
義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。
翔は恋に好意を寄せているのだった。
本人はその事を知るよしもない。
その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。
成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。
翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。
すれ違う思いは交わるのか─────。
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