期限付きの猫

結城 鈴

文字の大きさ
28 / 30

28

しおりを挟む
 バレンタインに指輪を買うカップルは多いだろうからと、少し前にお店にやってきていた。郊外にある、ジュエリーショップだ。なんでも、展示ケースの照明の仕事をしたことがあるとかで、デザイナーと知り合いなのだそうだ。
会って、少し話してみて驚いた。アート系にその手の人が多いのは分かるが、そのまんまオネェの人だったからだ。服装は、シックにまとまったスーツを着ていて、見た目ではそうとわからなかったからだ。
「孝利さん・・・。」
「理解ある人だから、ここにした。男同士のペアを買っても、応援してくれるよ。」
普通の、男女のカップルばかりのこの店で、そんなオチとは。
「こんにちは。五十畑さん。」
「お久しぶりです。北村さん。そちらの方が電話で言っていた?」
「環健斗です。」
名乗ると、すかさず孝利が「タマって呼んでます。」と言った。
「まぁ!じゃぁ子猫ちゃんね!」
どんな指輪が似合うかしら。と工房の方へと案内される。
「バレンタインに送り物かしら?」
「間に合いますか?」
「間に合わせます。」
孝利と五十畑がそんなやり取りをしている。アトリエに案内され、指輪のカタログを広げられた。
「さぁ。ここなら静かに選べるわ。お店の方は少し賑やかすぎるものね。」
気を使ってくれたのだと知る。さすがに、カップルばかりの店内で、指輪はオーダーできなかった。
「シンプルなものを。石とかは、家事の邪魔にならない程度に。」
「あら。じゃぁ裏側にサファイアとか入れちゃう?」
「あぁ。いいですね。タマ、それでいい?」
「えっ?あぁ・・・うん。」
お揃いなら何でもいい、なんて言えずに固まった。固まっていると、要望があれば聞くのよ?と五十畑が言ってくる。アトリエに、コーヒーの香りがし始めた。片隅に置かれたコーヒーメーカーがこぽこぽとコーヒーを落としている。
「孝利さん、素材はプラチナ?」
「にしようかと思ってる。サファイアと相性いいから。」
「うん。僕もそう思ってた。」
なら決まりね。と、五十畑が、指のサイズを測りに来る。
「左手の薬指でお間違いない?」
「あ・・・。」
応えに戸惑っていると、孝利がはいと応えていた。五十畑が、左手を取って、サイズを見る。メモをして、注文カードを仕上げていった。
いくらくらいするんだろう?
孝利は、金額の話はしないが・・・。石の入ったプラチナのペアリング・・・。十万、で買えるかな?
ちら、と孝利を窺うと、プレゼントだよ。と囁いた。
「普段、アクセサリーはつけないの?」
「ネックレスならたまに。」
聞かれて答えると、じゃぁ皮ひもサービスでつけとくわね、と返された。
「指輪、つけっぱなしにできないでしょう?」
「時と場合によるとは思います。」
「そうなのよねぇ。北村さんにも皮ひもつけとくわね。仕事で傷にしたくないでしょうし。」
そうか。孝利も、仕事に指輪はつけて行かないだろう。ふと、鈴井を思い出す自分がいて、嫌になった。
「どうしたの?不機嫌な顔して。」
「なんでもないです。」
鈴井の前に、指輪をして仕事に行けないだろうことを思って、不機嫌になっている、とは言えなかった。
指輪のオーダーが終わり、コーヒーを淹れてもらい、椅子に座って飲んだ。
孝利の足は、やっと、普通に歩けるまでに回復していた。腕のいい整骨の先生のおかげだと言う。まだ、違和感はあるようだが、この分ならバレンタインにえっちなこともできそうかと思っていた。
まだ、二度目。一緒にいるうちには、何度も抱かれるのだろうが、さすがにまだ慣れない。痛みを伴うし、気持ちよくなるまでには時間がかかった。
それでも・・・。
抱き合いたい。深く。
そんなことを考えながら、コーヒーカップを両手に挟んでいると、五十畑が、色っぽい顔するわね、と苦笑していた。
「何考えてたの?」
「えっ?えーっと・・・。」
バレンタインの、夜のことよね?と五十畑に言われて、耳が熱くなる。
「・・・そうなの?」
頷けずにいると、孝利はじゃぁ頑張らないとな、とコーヒーに口をつけた。
「子猫ちゃん、若いんだもん、どんどんしてあげないと浮気されちゃうわよ!」
「し、しませんから・・・。」
もっと抱き合いたいのは本音だけど、孝利の負担にはなりたくない。でもきっと、孝利も同じことを考えている。繋がるのは、ダメージが大きいから、と。大事にされているのがわかるから、我儘は言わない。孝利が誘ってくれた時だけ。でも、できるだけ、イベントごとには抱いてほしいなと思ってしまう。乙女チックだろうか・・・。
「タマは俺の猫ですから。どこにもやりませんよ。」
孝利がカップを置いて、きっぱりと言い切った。
くすぐったくも、嬉しかった。

 帰り道。指輪、注文しちゃったなーと思いながら、車の外を見ていた。すると、孝利が、運転しながら、ねぇ、と話しかけてきた。
「足りないかい?」
「えっ?何がですか?」
「セックス。」
あー・・・さっきの話か。
「男同士、無茶できないってわかってますから。それに、足を怪我してから、スキンシップ増えましたよ?」
ベッドを共にすることが増えたのだ。横になってなら、ハグできるからと。それだけでもうれしかったし、キスはしていたし。入れないセックスはしていたし。
「入れたい、って思うの?」
「・・・それは・・・。」
孝利は思わないのだろうか。
「逆に聞きますけど、孝利さんは?」
「思うけど。傷つけたくないからね。」
デリケートなところだというのは、知ってる。孝利に促されて、指を入れてみたことがあるからだ。血管に触れるというのを、自分も感じた。切れたらどうなるか・・・。
孝利がよく見ている、男同士の動画でも、無茶苦茶な動きはしていないように思う。スローペースで抜き差し・・・。
「タマ?」
「回数こなしたら、中も丈夫になるのかなぁ・・・。」
「・・・どうだろうね。中、柔らかくて、あったかくて、すごく気持ちいい。俺も嫌いなわけじゃない。ただ、傷つけたらどうしようって。指でする時も、本当はゴムつけた方がいいみたいだよ。爪が危ないからね。」
そうなんだ・・・。
「感覚が鈍いところだから、むりやりセックスできちゃってるけど、それだけに出血が怖いよね。」
「僕たぶん、血液とか精液で移る病気は持ってないですよ。」
「それは俺も。」
「血が止まらなかったら、最悪病院行くでしょう?説明できる?」
触った感じ、タマには痔もないみたいだし。と付け足される。
「タマの住んでる町に、評判のいいい肛門科の先生もいるみたいだけど、お世話にはなりたくないでしょ?」
「それ、調べたんですか?」
「うん。もしもの時に駆け込める病院は、検索してある。」
ゲイに寛容な病院らしいよ。と赤信号で止まり、こちらに視線をよこす。
「医師がゲイ・・・とか?」
「ちがうけど、タマの住んでる町は、そういうことに寛容な町なんだよ。」
「住んでた、ですけどね。」
「あぁ・・・。ごめん。」
孝利は謝って、車を発進させた。
「足りないって、思うくらいでちょうどいいことにしておいて。体が慣れない分、痛いだろうけど。」
「僕・・・一回で満足できちゃうタイプって、前に話しましたよね?」
「うん?」
「たまにできればいいです。」
痛くても、と返すと、ふふと笑われた。
「よく慣らしたら、きっとつらくないはずなんだよ。早くって言うから痛くしちゃうだけで。今度の時は、もう少し俺にリードさせて?」
かぁっと耳が熱くなる。恥ずかしくて、車から降りたい気分。
「あ、おやつどうします?」
「今向かってる。美味しいケーキ屋さんがあるみたいでね。」
フォレスターは、自宅ではなく、ケーキ屋に向かっていたようで。
「バレンタインは、やっぱりチョコ、欲しいですか?」
「一緒に、フォンダンショコラを食べられたら、十分だと思ってる。」
あぁあれか。
「そうですね。チョコレート買うの、ちょっと恥ずかしいですもんね。」
想像してげんなりした。
「今日行くところは、レモンチーズケーキが美味しいところ。
紅茶、淹れてくれる?」
「はい。」
楽しみだ。きっとホール買いするんだろうな。
そんなことを考えながら、寄り道を楽しんだ。

 バレンタイン商戦の仕事も明けた、バレンタイン当日。指輪は小包で届いた。早めに買っておいたフォンダンショコラを、レンジで温めて、トロトロにする。孝利がコーヒーを淹れていた。
「開けていいよ。」
キッチンから声がする。小包を抱えて撫でていたのを見られていた。梱包を解くと、緩衝材に包まれて、皮ひもと、ペアのリングケースが出てきた。丁度そこに、コーヒーを持って、孝利がやってくる。
「開けますよ?」
「うん。」
孝利はクスクス笑いながら、開けるのを待っていた。
ぱか、と開くと、同じデザインのリングが二つ並んでいる。
裏側にはサファイア。それと、お互いの名前が刻んであった。
「はめてみて。」
言いながら、孝利も自分のリングに手を伸ばす。はめてみて、具合を確かめているようだった。
「サイズはぴったりだけど、つけ慣れないね。」
「僕もです。なくしそう。」
首から下げておくのが無難だと思った。
「きれい・・・。」
うっとりと眺めていると、タマは女の子みたいだね、と孝利が苦笑した。
「きれいですよ。・・・すごいなぁ。僕、孝利さんのものなんですもんね。」
「嫌かい?」
「・・・すごく嬉しい。・・・でも、ホワイトデーに何を返そう?欲しいものありますか?」
「特にはないよ。一緒にいられたら十分。」
「じゃぁ、クッキーでも焼きましょうか。素人にもできるお菓子の本、探しておいてくださいよ。」
「いいね。それ採用。探しておくよ。」
さぁ、温かいうちにケーキを食べよう。そう言って、スプーンでチョコレートを掬う。一口食べて、コーヒーを飲む。
「うん。おいしい。最高のバレンタインだ。」
今日はしようか。と囁かれる。誘われるのは、前にした時以来。断る理由もない。二つ返事で頷いた。
「ほんとに美味しい。」
ぺろ、と唇を舐めていると、舐めとり切れなかったチョコレートを、孝利が舐めた。
「おいしい。」
そのままチョコレート味のキスをして、二人笑い合う。
左手の薬指には、指輪。
幸せな気分で、ケーキを食べた。

 セックスをするのは、足を痛めた孝利に乗って以来。少し緊張して、準備万端ベッドに上がった。
きつめに暖房が入っている。孝利が温度を上げたのだろう。バスローブを床に落とし、裸で毛布にくるまっていると、孝利がやってきた。
「おまたせ。」
「何してたんですか?」
「アンにチュールやってた。」
進歩したなぁ、と思う。前はご飯もやらなかったけど、今はトイレの掃除もする。それがなんだか、仕事を取られたみたいで淋しい時もあるが。アンも、そんなことをするようになった孝利に、徐々に甘えるようになった。お互いのためにはいいことだと思う。
「なに・・・?やきもち?」
「妬いてませんよ。」
つんとそっぽを向いて見せると、優しく毛布を剥がされた。どちらともなく、キスをする。夜のキスはミント味。孝利が気を使うから、歯磨きの後にリンスまでする。
耳や、うなじをまさぐられながら、舌を絡ませる。その手が、ちょん、と胸の突起に触れた。
「んむ?」
そこは前にも触れられたことがある。そこをそうされると、腰に響くのだ。
「女の子じゃないんだから・・・。」
やだーと抵抗するも。
「そう?気持ちいいみたいだよ?」
だから、何の知識なんだろう?ネット?動画?
「舐めてみようか。」
指先で弄っていた乳首を、舌が舐め上げた。
「んっ?・・・んぁ・・・。」
ジンジンする・・・。腰の奥がざわつく。
ちゅうっと吸い上げられて、ぴくりと中心が反応した。
「えっ?うそ・・・。」
「ね?気持ちいいんだよ。」
孝利が、器用に、ペニスと乳首を愛撫し始める。すぐに、ペニスは孝利の手の中でむくむくと大きくなった。
「健斗の、身長のわりに大きいよね。」
「身長の、は余計だと思うんですけど・・・。」
「舐めてもらいたい?後ろ、弄られたい?」
クスクス笑いながら、孝利が聞いてくる。両方、って言ってしまいたい。それを見透かして、舐めながらね、とローションを手にした。パチンと蓋を開け、中身を手に取ると、手のひらで温めて、後口に垂らした。
「冷たくない?」
「うん・・・。」
ぬる、と指を差し込まれる。浅いところを濡らして、指が一本スムーズに出入りするようになると、少し深くを抉るようにかき混ぜた。
「あぁ!・・・うんっ!」
感じるところを擦られて、すぐに射精感がこみ上げてくる。
「あ、だめ。そんなにしたらイッちゃう。」
「今日は二回に挑戦しよう?」
「あ・・・だめ・・・こわい。」
佐川の言葉がよみがえる。先にイってしまうと、孝利が中でイケなくなる。というか、ただひたすら痛いと言っていた。でも今その名前を出すわけにいかない。
「何が怖いの?」
「痛いのやだ。」
「痛くしないよ?」
尿道プレイとかするわけじゃあるまいし、と笑っている。その言葉も十分怖かったが・・・。どう説明したものか。
「一緒に中でイキたい。」
お願いすると、孝利は少し考えた風で・・・じゃぁもう少し慣らそうか、と言ってきた。ホッと胸を撫でおろしつつ、前は少し萎え気味だ。
「何が怖かったの。舐めてあげるから元気出して。」
ぺろ、と先端の先走りを舐めとり、口に含んでくれる。その光景だけで、ペニスはまた膨らんだ。
気持ちいい。指は二本に増え、中をかき回している。前立腺には届かない浅い部分だ。そこに、薬指がねじ込まれる。
「ぁ・・・ぃた・・・。」
「痛いね。ちょっと我慢してね。」
止めてくれる様子はなく、ペニスを愛撫しながら、指を深く差し込んできた。関節が引っ掛かかる。痛みに、腰が逃げた。
「いたい・・・。」
いつも、口だけや指だけのセックスをする時も、指は二本までしか入れてこなかった。痛くて涙目だ。逃げる腰を、片手で掴んで引き戻される。
「だめ。今日はこれでなれて。」
「指、痛い・・・。どうせ痛いなら、孝利さんの方がいい。」
「指も俺です。」
「そうじゃなくて!」
力まない、とペニスを握られる。
「ひぁ!」
くた、と力が抜けたその隙に、三本の指が根元まで入った。
「んぁぁっ!」
「はいった。動かすよ?」
「まっ、まってぇ・・・。」
太い関節の部分を飲み込むと、痛みは薄れた。そろえた三本の指で、ぐちゅぐちゅと後口をほぐされる。
「あっあっ・・・や、あたる。そこだめ・・・だめってば。」
「こんなに感じるのに、なんでだめかなー?」
「やっだって、そんな何回もむり。」
「ふーん?じゃぁ、もっと焦らしていじめちゃおうかな?」
指先が、ポイントを外して、中を弄りはじめた。
「あっ・・・っ・・・うう。」
後に、三本も指を含まされたまま、ペニスをしごかれる。きゅうっとそこが締まるたびに、ジワリと快感が広がる。
「ぁ・・・やだぁ。こんなんじゃなくて、もっと・・。」
「もっと?」
「おっきいの入れてよぉ・・・。」
半泣きになりながら訴える。入り口はもう痛みを訴えてはいない。今なら、きっときもちいい。
「痛くない?」
コクコクと頷く。すると、指が抜け出て行った。
「バックにする?このままがいい?」
正常位は恥ずかしい・・・けれど顔を見ながらしたい欲求もあった。楽なのは後ろからだろうが・・・。
「このまま・・・。」
言うと、大きなクッションを腰の下に入れてくれた。尻が上がる。そこに、孝利の屹立があてがわれる。いつの間につけたのか、ゴムも装着済みだった。
ひた、とそこに触れる熱が愛おしい。これから入ってくるのだと、期待せずにはいられない。
「いくよ?」
こく、と頷くと、ゆっくりと先端が潜り込んできた。ぬるぬると開かれていく。けれど今日は・・・痛くない。
「あっ!」
ぐぷぷ、と一息に半分ほどを飲み込んだ。
「おっと・・・。痛い?」
フルフルと首を横に振る。すると、安心したのか、孝利がぐぐっともう半分を押し込んだ。肌と肌が触れる。孝利の肌は、しっとりと汗ばんでいた。
「あつい・・・?」
エアコン、のつもりで聞いたけれど、孝利は、中、熱いね、と返してきた。
「ん。動いても大丈夫そう。痛くないよ。」
つうーっと生理的な涙が、目じりから落ちて、耳に入った。
「気持ちいいとこ、してあげようね。」
言うと、孝利がゆっくり抜け出てゆき、ずん、と前立腺あたりをついた。
「ふぁっ!」
あ、やばい。きもちいい。
「きもちいい・・・それ・・・すき。」
コンタクトの入っていない孝利に、気持ちいい、と何度も伝える。すると、孝利にしては少し早いペースでそこを擦ってきた。
「あっ、あ、だめ。早い・・・!」
「イキ・・・そう?」
中が絡んでくる、と眉根を寄せて、下唇を舐めた。それがなんとも色っぽくて・・・。
「イッちゃう・・・ぁ!だめ!だめだってば!あっあっ!」
早いペースで追い上げられて、高みが見えた。
「俺も・・・!」
「あ、や・・・一緒に!」
わかってるよ、と孝利が前に手を伸ばした。鈴口を指でなぞる。
「ひぃあっ・・・や、それしなくていい!中だけで・・・。」
「なか・・・だけ?」
コクコク頷くと、孝利が、そこへの刺激を苛烈にした。
「あ!いっちゃういっちゃう!も・・・あ・・・うううっ!」
唇を噛んで、叫びたいのをこらえる。あまりにもの快感に、一瞬頭が白くなった。
「っくう・・・。」
孝利が呻くのを聞いて、現実に引き戻される。
「・・・痛い?」
「う。・・・ゆるめられる?」
イケなかった、と苦笑する。
「抜く?それとも、中に出していい?」
「あ・・・。」
ただひたすら痛いだけ。
リフレインした言葉に、しかし・・・。
「孝利さんがいい方でいいよ・・・。」
恐る恐る言ってみる。
「じゃぁこのまま。ちょっと我慢してね。」
痛みを覚悟して、体の両脇に置かれた孝利の手を握った。
孝利がローションを足して、腰を使いだす。思っていたよりもつらい痛みに、ぎゅっと目を閉じた。
「ん・・・っ!」
こらえきれない悲鳴が、喉の奥から漏れてしまう。
「痛い?もうちょっと。」
孝利が、中で大きくなるのを感じた。もう少し。
「イク、ね。」
くっと孝利が息をつめた。中で、二度三度と吐精するのがわかる。孝利は、余韻を楽しむ間もなく、ずるりと抜け出て行った。
「痛かったんでしょう。」
「・・・うん。」
よく我慢できたね、えらいえらいと頭を撫でてくれる。
「痛いって、知ってたの?」
「・・・機嫌悪くならない?」
「どうして?」
「佐川さんが・・・一緒にイケないと、ただひたすら
痛いって・・・。」
またあいつか。と孝利がため息をつく。
「それを怖がってたの。」
頷くと、またため息をついた。
「健斗、二回目無理そうだもんね。感じてないと、痛みが勝るのか。・・・今度は一緒にイケるようにするから。」
ちゅ、とキスされて宥められる。
「うん・・・。でも、あれでしょ?僕がイク時、締めちゃうから痛くてイケないんでしょ?」
次からは口でする。と言ってみる。
「中でイケた方が俺も気持ちいい。善処します。」
孝利はそう言って笑った。笑いながら、腹に飛んだままになっていた精液をタオルで拭う。
「少しゆっくりして、お風呂に入ろう?」
頷いて、うと、と目を閉じた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

貴族軍人と聖夜の再会~ただ君の幸せだけを~

倉くらの
BL
「こんな姿であの人に会えるわけがない…」 大陸を2つに分けた戦争は終結した。 終戦間際に重症を負った軍人のルーカスは心から慕う上官のスノービル少佐と離れ離れになり、帝都の片隅で路上生活を送ることになる。 一方、少佐は屋敷の者の策略によってルーカスが死んだと知らされて…。 互いを思う2人が戦勝パレードが開催された聖夜祭の日に再会を果たす。 純愛のお話です。 主人公は顔の右半分に火傷を負っていて、右手が無いという状態です。 全3話完結。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

《完結》僕が天使になるまで

MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。 それは翔太の未来を守るため――。 料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。 遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。 涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。

しっかり者で、泣き虫で、甘えん坊のユメ。

西友
BL
 こぼれ話し、完結です。  ありがとうございました!  母子家庭で育った璃空(りく)は、年の離れた弟の面倒も見る、しっかり者。  でも、恋人の優斗(ゆうと)の前では、甘えん坊になってしまう。でも、いつまでもこんな幸せな日は続かないと、いつか終わる日が来ると、いつも心の片隅で覚悟はしていた。  だがいざ失ってみると、その辛さ、哀しみは想像を絶するもので……

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

僕たち、結婚することになりました

リリーブルー
BL
俺は、なぜか知らないが、会社の後輩(♂)と結婚することになった! 後輩はモテモテな25歳。 俺は37歳。 笑えるBL。ラブコメディ💛 fujossyの結婚テーマコンテスト応募作です。

処理中です...