前触れなく感じてしまう体質をなんとかしてほしい

Sui

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朝っぱからなんとかしてほしい 〜ケンタ〜

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 絶頂するといつもだと熱が急激に引いてスッキリしていたのに、今回はそうならず何が起きたのかわからなかった。

 おそるおそる紐で縛られている僕自身を見てみると、まだ勃っていて射精はしていない——つまり

「わたるぅ、なに、これ、わた…るぅっ」

 ワタルとは色んなことをやった。やったけど、こういうのは初めての経験でパニックになった。

「……初めてなんじゃないか? イった後、まだ感じているのは」
「これ、が、当たり前……なのかっ?」
「空イキは当たり前とはいえないけどな。でも、イってもまだ感じている、っていうのはそうだな」
「そう…なのか……?」

 だからいつもワタル、イった後でも僕のいないとこで自慰してたのはそういうことなのか。

「おい、ちょ、待て、めちゃくちゃ締めてくる…っ」

 パニックのせいか身体が緊張し、思いきり締まってしまったらしい。慌てて力を抜こうにも動転していてさらにキュウキュウと締めてしまう。

 こういうのも初めてで、羞恥で赤面になり思わず腕で顔を隠し上半身を後ろへ捻った。
 それがワタルにとっては欲情がさらに高まってしまうことを知らずに。

「うぉおお……ぐぅっ! そろそろ、俺も、イきそうだぞ」

 必死に抑えたかのような悲鳴が聞こえたのが気になったが、やっと紐を解いてもらえることの方に気が向いてしまった。
 ずっと射精を塞き止められていたのをやっと解けられ、その感触だけでもビクビクしてしまう。

 ワタルは僕がイく前にと、音が聞こえるほど激しくガン突きされ、先ほどまでの羞恥を忘れてしまうほどの快感に溺れていく。

「あっ、ああんっ、はぁっ」
「もう少しだから、もう少し、我慢して……」
「わかった、わかったからっ…」

 僕が射精した後だと全く感じないこの身体を、セックスし続けるのは人としてダメだということらしい。
 一応、オトコの心理は分かっているから、続けてもいいんだけどな……。
 でも、確かに自分だけ感じないまま受け入れるのは少し抵抗感があるだけに、ワタルの優しさはありがたい。

「んんっ、んっ、あっ! はぁあっ…!」
「もう、イくっ、ぞっ……」

 穿っていたものが少し膨張をしたのを後孔で感じた瞬間、ナカに熱い液体が出てきたのが分かった。
 そして最後まで出し切るまで奥にグッグッと突かれ続け、一呼吸おいてからゆっくり抜き出しながら片手で僕自身を強く早めにこすられた。

 今度こそ、本当に、イく——。



 ◇



「…あー、めちゃ出てるなぁ……」

 シャワー浴びながら、ナカで出されたものを掻き出す。さっきまでどれだけ感じていても、今はムズムズするとかが全くない。
 不感症?っていうぐらい感じないのだ。

「まぁ…不快感あるよりはマシ、かなぁ」

 今回は空イキ?とかで、余韻みたいなあの感覚はもう一度やってみてもいいかな?と思ってしまった。
 しかし次の性欲スイッチがいつ来るのか分からない。今回は初めてのケースだし、もしかしたらいつもより間隔が長いのかもしれない。

 イってもまだ感じる、っていうのは経験することはないと思ってた。
 そういうことがあるのは知識として知っていたし、周りは何度でもシたくなるという話も聞いていた。
 一回イったらおしまいの僕にはどういう事なのか分からなかった。でも今、分かった気がする。

「ワタルには感謝だな……」

 今日は休みだったから良かったものの、朝からはさすがに勘弁してほしいよなぁ。前回はいつ来てたんだっけ…?あとで聞いてみるか。

 この体質に付き合って研究までしてくれる幼なじみのために、出来るだけ自分も何が出来るか模索してみよう——と決意を固め、身を清めた。


 ——そのころワタルは自分の部屋で、今回のセックスを反芻しながら何度も自慰しており、夕方ぐらいまで部屋から出ることはなかった。



 二人が次へ進展するには、ケンタが恋心芽生えるのが先か、ワタルが動くのが先か。
 それとも体質が治るのが先か。


 それはワタル次第?



【第一部 終】
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