前触れなく感じてしまう体質をなんとかしてほしい

Sui

文字の大きさ
28 / 38
キスしたくなるのなんとかしてほしい 〜ワタル〜

03

しおりを挟む

「たっまんないだろ…あんな顔しやがって…」

 ケンタの唇の柔らかさと目を伏せた顔を、思い出せば思い出すほど下半身がうずくのが止まらない。
 気持ちがオープンになったぶん、下半身も素直になってきてるような気がする。

 首に歯形をつけられた時はまだケンタの気持ちが分からなかったが、この間ヤキモチ妬かれて確信できた。
 あれはもう俺のことが好きになってる。
 涙ボロボロ流しちゃって、そんなに気にしてくれたのかと思うと、もう興奮しちゃうだろう。

 下半身の興奮が止まらないので、やむなく性器を取り出し、今までのケンタのイキ顔や嬌声を思い出しながら自慰した。

「…はや…く、ケンタの唇をむさぼりた、い……なっ」

 そうして、イった——。
 すると、身体が水に包まれてるような感覚がした。

「……待て、この感覚ケンタが言ってたやつ…!」

 もしかして、ケンタがまじないをかけた?
 慌てて落ち着いた自身をズボンの中にしまい、リビングへ向かうと、ケンタが呆然と座っていた。
 なにやら、かかったという合図でもあったのだろうか。

「あ……ワタル…。えっと、なんともないか…?」
「なんともないかと言えば、なんともないけど、かかったのは分かった」
「マジかよぉ…!」

 次は頭を抱えた。お試しつもりが、かけてしまったという感じか…。本当に『誰でも出来るおまじない』なんだな。

「なんで俺にかけてみたの…? こないだのは物足りなかった…?」
「ちがっ…! どんな感じかなって思っただけ…!」

 本当に向こう見ずなの、そういうとこ好きだよ。

「なぁ、解き方は分かってるよな?俺はケンタが好きだし、キスしたいのも勿論ケンタだからね。分かってる……?」

 もう逃げることができないと悟ったケンタは何も言えずにコクコクと頷く。

「俺の性欲スイッチが入る時、ケンタとのタイミングが合うといいね…?」





 数日後、時は来た。
 ケンタが経験したことを、まさか自分も経験するとは思わなかったが、せっかくだしと色々試したものの本当に全く反応なかった。性欲が全然出て来ないのだ。
 その分、性欲スイッチが入る時に膨れ上がるという感じなのだろう。つまり濃いセックスした後、次に入る間隔が延びたのは、性欲チャージみたいなものが結構空いた感じなのかもしれない。
 なるほどよく出来てる仕組みだな…と考えた矢先に背中に快感が降りてきた。
 ケンタは毎回、こんな感じだったのかと思うとゾクゾクした。解く術が分からずここまで来たのは、もはや奇跡といってもいい。

「やっべ…。これはなかなかクる…」

 ケンタもそろそろ性欲スイッチが入ってもいいころだが、果たしてどうなのだろうか。
 自分の部屋からとりあえずリビングに向かってみると、ケンタは居たが性欲スイッチはまだ入っていないようだ。
 ケンタは俺を見てすぐ把握したようで、狼狽えていた。

「やっぱり経験者だけあって、俺がどんな状態か分かっているんだな…?」
「その、僕まだ入ってな……」
「でも俺は我慢出来ない。呪いかけた責任はとってもらうからな」

 ケンタの腕を引っ張り、自分の部屋に連れて行く。
 最初は抵抗はしたものの、すぐ諦めてついてきてくれたのは少しだけホッとした。
 本気で嫌がられたら、さすがに凹むしな。

 ベッドにたどり着くとケンタを押し倒し、自分は四つん這いになる。まるでサカった狼のように。

「さて、俺はもうケンタを犯したいことしか考えてません。なのでなんとかしてください」

 息を荒らげながらそう言うと、ケンタは赤くなりながらうつむいていた。いつもだったら眺めていたが今回はさすがに余裕がなく、顎をつかんで俺を向かせた。

「うつむいてばかりだと、俺がとんでもないことしちゃうよ…?」

 ずっと前から舐めたいと思っていたケンタの左目の下にあるホクロをべろりと舐める。
 ほんの少し、涙の味がした。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *不定期連載です。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!

中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。 無表情・無駄のない所作・隙のない資料―― 完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。 けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。 イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。 毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、 凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。 「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」 戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。 けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、 どこか“計算”を感じ始めていて……? 狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ 業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか僕を、ひろってくれたのは、やさしい男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

処理中です...