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第三章「焼き味噌団子」
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神谷源太郎は、幸恵のはみ出した足を夜着の中に入れてやった。
「嫌われたかな」
と、ひとり寂しく呟いた。
帰宅すると、寝ていた幸恵が起きてきた。
久しぶりに源太郎は抱いてやろうと思ったが、幸恵はなぜか嫌がった。
桃のようなすべすべの頬をぷっくりと膨らませて、じっと源太郎を睨み付ける。
その目はどこか、お七に似ていた。
「まあ、何ですか、お父様に向って」
母に叱られると、そのままぷいっと夜具の中に潜り込んでしまった。
源太郎は、幸恵の無垢な寝顔を見ながら、
(あの目、お七に似ていたな。この子も、お七のようになるのだろうか?)
と思った。
「あなた、いかがなされました?」
娘の寝顔をしげしげと眺めていた源太郎に、妻の多恵が訊いた。
「いや、女は分からんと思ってな」
「はあ?」
「いや、お七の件だが……」
源太郎は、昼間あったことを話し出した。
「嫌われたかな」
と、ひとり寂しく呟いた。
帰宅すると、寝ていた幸恵が起きてきた。
久しぶりに源太郎は抱いてやろうと思ったが、幸恵はなぜか嫌がった。
桃のようなすべすべの頬をぷっくりと膨らませて、じっと源太郎を睨み付ける。
その目はどこか、お七に似ていた。
「まあ、何ですか、お父様に向って」
母に叱られると、そのままぷいっと夜具の中に潜り込んでしまった。
源太郎は、幸恵の無垢な寝顔を見ながら、
(あの目、お七に似ていたな。この子も、お七のようになるのだろうか?)
と思った。
「あなた、いかがなされました?」
娘の寝顔をしげしげと眺めていた源太郎に、妻の多恵が訊いた。
「いや、女は分からんと思ってな」
「はあ?」
「いや、お七の件だが……」
源太郎は、昼間あったことを話し出した。
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