桜はまだか?
ようやく春らしくなった江戸の空のもと、町奉行所同心秋山小次郎が駆けていた。火付(放火)である。
ボヤであったが、最悪江戸を焼く大火となる可能性もある。火付けは大罪 ―― 死罪である。
どんな馬鹿野郎が犯人かと、囚われている自身番に飛び込むと、そこにはうら若き乙女の姿が………………
天和三(一六八三)年三月二十九日、ひとりの少女が火付けの罪で、死罪となった。世にいう、八百屋お七事件である。
なぜ、少女は火付けを犯したのか?
これは、その真相を探り、なんとか助けてやりたいと奮闘する男たちの物語である。
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