突然能力に目覚めた男の730日

こうめい

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3章 最強主人公

478日目その4~意趣返し~

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外出許可を得て、外に出る。

一か月近く、出ていない外界。
本当の予定は明日なのだが、ちょっと色々理由があって、余裕を持った外出予定にしていた。

そのおかげで意趣返しを出来る。

アイツは気づいていないだろう。
多分だが、真っすぐ自分のアジトに帰っている最中だ。

火火野「おっ、移動が止まったな。大体40km先くらいか。さぁ、ビックリしてもらおうか。」

ドドンッ!!

足裏で爆発を起こし、超加速と飛行を可能にする。
俺は爆縮(バクシュク)と、名付けている。

爆発による縮地法。
縮地法自体は古武術や沖縄武術などで実際にあるそうだが、俺はとある漫画にて知った。
そもそもは仙人が使う術で、地面を縮めて瞬間移動するそうだ。

空を飛ぶとあまりにも目立つ。そこで外で使う場合はもう一つ技を使っている。

陽炎(カゲロウ)

火の熱による光の屈折を利用し、俺の姿を視認しづらくしている。
上手く使えば、残像拳みたいなことも簡単にできる。

そんなこんなで、人がほとんど居ないであろう空間を飛び抜けて40km先に着いた。

そこは別荘地。周囲の建物の間隔は数百メートルはある。
豪勢な建物の前に俺はやってきた。

火火野『反応は…この建物の奥からだな。まぁ、能力を使えばSWEETの施設みたいなものは作れるか。』

建物の奥に爆縮で移動し、扉らしきものを吹っ飛ばして中に侵入する。

ドォンッ!!

スカジャン「なんだぁ!?」
火火野「おっ、久しぶりな顔が居るじゃないか。」

そこには、スカジャンとYシャツ、それに小柄で暗そうな女性ともう一人サングラスで長髪の男?
それと、龍皇!!

龍皇「おいおい、人の家に入るときはノックするように習わなかったのか?」

余裕の笑みを浮かべた龍皇が話しかける。

火火野「その言葉そのまま返すよ。」

フッと鼻で笑う龍皇。

ピリッ

打って変わり冷ややかな視線で俺を見据える。

龍皇「どうやってこの場所が分かった?」
火火野「言ってやる必要はないだろ?」
龍皇「フン。では、無事に帰れると思っているのか?」
火火野「もちろん。勝手に来たんだ。勝手に帰るさ。」
Yシャツ「出来ると思っているのか!」
スカジャン「おぉ!!あの時のリベンジだぁ!やってやるぞォコラぁ!!」

他の二人は喋らないものの、ヤル気は満点って感じだ。

スッと、龍皇が4人を制する。

龍皇「お前たちは強くなっているが、まだ、この男には届かない…私がやろう。」
火火野「まぁ、ちょっとだけ待て。お前の目的はなんだ?」
龍皇「…言ってやる必要はないだろう。」
火火野「ちょっとだけ、察しは着くがな。壮大な夢を描くもんじゃないぜ?」
龍皇「お前には分からんさ。」
火火野「そうかね?ま、人の夢は儚いもんだ。忠告はしたぜ。お前が、人に牙を剥けば叩き折るぞ。」
龍皇「やれるのか?お前如きに!」

龍皇の圧が一気に膨れ上がる。

火火野「おっと、もうお暇させてもらうぜ。ただの嫌がらせに来ただけだからな。」
龍皇「では、さようなら。とでも言うと思っているのか?」
火火野「見送りは要らないさ…まぁ、火消しに励めよ。」

俺は、徐(おもむろ)に肩を叩くジェスチャーをする。

龍皇はハッと何かに気づく。

火火野~その塊は陽の現身 弾けて爆ぜろ~

龍皇の肩辺りで、火球が発生しどんどん大きくなる。

火火野~奥義 壊の段 陽の火(ザ・サン)~

火火野「では、サヨウナラ。」
スカジャン&Yシャツ「待てコラァ!!」

火球はすでに10mを超えていて、俺と他の5人を寸断していた。

龍皇~我が放つは全てを飲み込む漆黒の闇~
龍皇~漆黒重力波(ヤミノイザナイ)~

火球は、黒い球に吸い込まれ消滅する。

フゥっと龍皇は息を吐く。

龍皇「まさか、罠を仕込まれているとはな。フッフッフ…面白い男だ。」
スカジャン「あ、血ぃ出てるぞぉ。」
龍皇「ん?」

龍皇の頬の小さい一筋の傷がついていた。

龍皇「どこで…さっきではない。では…あの時か。ハッハッハー!!楽しみが増える。」
Yシャツ「今日は良く笑いますね?大丈夫ですか?」
龍皇「あぁ、アイツ等の制圧は思ったより骨が折れそうだと思ってな。」
暗い女性「メンドクサイのにタノシイノ?」
龍皇「フッ。多少の面倒が合った方が、事を成した時の達成感が上がるものだ。」
長髪サングラス「そんなもんかねぇ。」

その頃、俺は既に何kmも離れた場所まで進んでいた。

火火野「龍皇…アイツやっぱり、俺よりつえぇわ。ヤバかったー。」

さて、前住んでいた家は継続してくれているらしいから、久しぶりにお家に帰ろう。

本当の予定は、明日。今日は色々ありすぎた。しこたま疲れた。
でも、やっぱり良くは眠れそうにない。
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