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親公認
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《sideセシル》
「…という訳で…セシルを俺の嫁にしたい。」
「う…うぅ…やっと決めたのね…ニック…誇らしいわ!」
「あぁ本当に…良かった…」
「俺もこれで安心して仕事出来るわ~!」
え…ニックのご両親…と兄上…本当にそれで良いのですか…?
まて…待て待て待て!婚約…って…こんなにもあっさり決まるものだったか!?
第1僕の両親にはなんと言えば…!
いや…いやいやいや…!!ニックに拾われた事はむしろ嬉しいんだ!嬉しいんだが…貴族ってそれだけではないだろう…?
「…ん、良かった。」
なんだその顔コラ!カッコイイでは無いか!!ニック君って人は!!
「…む…」
「なぁに…むすくれてんの?俺との婚約ヤダ?」
「いや…じゃないが…」
ニックが微笑む度持ち上がる目元も…揺れる前髪も…全部が全部カッコイイんだ…目に悪い!!
「…セシル…ちょっと抑え目にできねぇ?…さすがの俺も照れるわ…」
「あ…!!!」
そうだった!ニックは特殊な人間なんだった…僕の心なんてお見通しじゃないか!これは思ったよりも恥ずかしい…!!
「可愛い…やっぱりそうだ…俺の運命…」
「…運命?」
「運命は運命だよ、セシルは他の人と違う…優しい色がする…。」
「ふはっ!それは一体どんな色なんだい?」
「セシルみたいな色。」
僕みたいな…色……?全くニックのやつ、それでは何も分からないでは無いか!!
「なぁセシル、お前の元婚約者のノエルとはなんで婚姻関係だったんだ…?アイツ子爵家だろ?」
「あぁ…あれは単に幼少からの縁だ、アレでも昔は僕の事を大切にしてくれていたんだ。」
僕の父様がノエルの父様と凄く良い仲だった…になるのだろうか。
……僕は失敗ばかりだな。
「…セシルはまだ…ノエルが好きか…?」
「…いや全然…あの扱いを見ただろう?僕はそんなに善人ではないよ。」
「……セシル、俺はお前が好きだ。」
「…ニック……」
…勝手にこの僕を婚約者にしておいて…よく今更そんな縋るような顔ができるものだ。
「ニック・エバンズ、言っておくが、今僕は嫌では無いからここに居るんだ。もう、初対面では無いだろう…?君の…」
「…君の……?」
「……僕は…君のお嫁さんに…なるのだからな……」
「……セシルッ!!お前は最高だ!!可愛すぎる!!!」
「フハハハ!そうだろう!そうだろう!僕は常に完璧を求めてきた!よってニックの欲しい言葉も手に取るように分か…!!うぶっ…!!」
「……本当に…初めてだよ…こんな気持ち。」
……僕がニックの重すぎる愛を知るのは、もう少し月日が経ってからだった。
「…という訳で…セシルを俺の嫁にしたい。」
「う…うぅ…やっと決めたのね…ニック…誇らしいわ!」
「あぁ本当に…良かった…」
「俺もこれで安心して仕事出来るわ~!」
え…ニックのご両親…と兄上…本当にそれで良いのですか…?
まて…待て待て待て!婚約…って…こんなにもあっさり決まるものだったか!?
第1僕の両親にはなんと言えば…!
いや…いやいやいや…!!ニックに拾われた事はむしろ嬉しいんだ!嬉しいんだが…貴族ってそれだけではないだろう…?
「…ん、良かった。」
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「…む…」
「なぁに…むすくれてんの?俺との婚約ヤダ?」
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ニックが微笑む度持ち上がる目元も…揺れる前髪も…全部が全部カッコイイんだ…目に悪い!!
「…セシル…ちょっと抑え目にできねぇ?…さすがの俺も照れるわ…」
「あ…!!!」
そうだった!ニックは特殊な人間なんだった…僕の心なんてお見通しじゃないか!これは思ったよりも恥ずかしい…!!
「可愛い…やっぱりそうだ…俺の運命…」
「…運命?」
「運命は運命だよ、セシルは他の人と違う…優しい色がする…。」
「ふはっ!それは一体どんな色なんだい?」
「セシルみたいな色。」
僕みたいな…色……?全くニックのやつ、それでは何も分からないでは無いか!!
「なぁセシル、お前の元婚約者のノエルとはなんで婚姻関係だったんだ…?アイツ子爵家だろ?」
「あぁ…あれは単に幼少からの縁だ、アレでも昔は僕の事を大切にしてくれていたんだ。」
僕の父様がノエルの父様と凄く良い仲だった…になるのだろうか。
……僕は失敗ばかりだな。
「…セシルはまだ…ノエルが好きか…?」
「…いや全然…あの扱いを見ただろう?僕はそんなに善人ではないよ。」
「……セシル、俺はお前が好きだ。」
「…ニック……」
…勝手にこの僕を婚約者にしておいて…よく今更そんな縋るような顔ができるものだ。
「ニック・エバンズ、言っておくが、今僕は嫌では無いからここに居るんだ。もう、初対面では無いだろう…?君の…」
「…君の……?」
「……僕は…君のお嫁さんに…なるのだからな……」
「……セシルッ!!お前は最高だ!!可愛すぎる!!!」
「フハハハ!そうだろう!そうだろう!僕は常に完璧を求めてきた!よってニックの欲しい言葉も手に取るように分か…!!うぶっ…!!」
「……本当に…初めてだよ…こんな気持ち。」
……僕がニックの重すぎる愛を知るのは、もう少し月日が経ってからだった。
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