愛情を知らないサイコヤンデレ皇子

夜桜

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第一章

祖父母

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 レオが、ベビーベットの上で死んだような目で天井を見上げている。
「レオ~!こっちの服はどうかしら!!」
ベビーベットの上から、上機嫌のシオナが覗く。
《もう寝かせてくれ…………。》
「ムフフフ……。」
シオナがキラキラして目でレオを捕まえる。
《い……嫌だ……!離してくれ…!!!》
レオがシオナの腕の中でジタバタする。
「うちのレオは、元気でちゅね~!」
シオナがレオの頬に自分の頬に擦れつける。
《ん~!!!離せっ~!》
レオが必死に離れようとする。
「あっ!アレク~!」
部屋の扉の隙間からアレクが顔を覗かせる。
「シオナ……。なぜ、言う。宰相にバレないように抜け出してきたのに!」
アレクの顔が青ざめていく。
「アレクッ!公務をすっぽかしてきたの!?」
シオナが言う。
「シオナァ~!助けてぇ~!」
アレクが、シオナとレオに抱きつく。
「アレク?戻りましょうね~?」
シオナの目が笑っていない顔でアレクを連れ戻していく。
「シ…オ…ナ???」
アレクの顔がみるみる青ざめていく。
「レオォ~!助けてぇ~!」
ついには、レオにすがりつく。
《うげぇ~!離してくれっ!!!》
レオが嫌な顔をする。
「はぁはあ……。陛下っ!!!」
扉から突然現れた、宰相にアレクが睨まれる。
「っ!?宰相!?」
アレクの顔が引きつる。
「陛下…。何をしていらっしゃるんですか???」
宰相が真顔で聞く。
「さ……宰相。これはだな???」
アレクが必死に言い訳しようとするが、宰相がじりじり近づいてくる。
「はぁ…。陛下、皇后陛下と陛下のご両親がいらっしゃいました…。」
宰相が逃げ出そうとする、アレクに向かって言う。
「なっ!?父上と母上が来てるのか!?」
アレクが驚く。
「そういえば、お父様とお母様にレオをお披露目してないわね…。」
シオナが納得しながら言う。
《そういえば、二人の両親…。つまり…俺の祖父母達は、見たことないなぁ。》
レオは、自分の中で納得していた。
「「だったら…!!!!」」
二人は、レオにじりじり詰め寄ってくる。
《もう、嫌だ~~~!!!!》
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