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第一章:逆行聖女
第18話:剣士アリシア 12
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「……私に見えたところだと、軸足が重要かなと思いました。常に動かしている逆の足もですけど、軸足がしっかりしていないとあの動きは再現できないと思います」
アリシアから的確な意見が口にされたことで、二人は驚きと共に真剣な面持ちで耳を傾ける。
「足腰を鍛えることも重要かな。ほとんど足の力だけで動いているから、すぐにばてちゃうかも」
「……いやー、驚いたわー」
「ふむ、これは私も驚いたぞ、アリシア」
「そ、そうかな?」
大人ならある程度考えて答えを出せるだろうが、子供にそこまでを求めるつもりは毛頭なかった。
しかし、今のアリシアは普通の子供ではなく、前世の大人になった頃の記憶を残したままになっている。
やり過ぎたかもと思ってしまったが、口にしてしまったことはもうどうしようもない。
変に誤魔化すことはせず、自分なりの意見としてそのまま伝えることにした。
「あっ! だからお父さんは私に元気いっぱい遊びなさいって言ったのね!」
「ん、んん?」
「だって、たくさん走り回れば足腰も鍛えられるもの! そういうことだよね?」
そして、自分の意見はアーノルドの言葉を元にしたものだと、こじつけようと考えた。
「そういうことだったんですか、団長?」
「いや、そういうわけでは……」
「えっ? 違うの、お父さん?」
「うっ!?」
アリシアが上目遣いにそう口にすると、少し困ったような表情を浮かべたものの、アーノルドはしばらくして小さく頷いた。
「……はぁ。そうだな、そうかもしれんな」
「なんですか、団長。歯切れが悪いですねぇ」
「まあいいさ。それではアリシア、他に気づいたことはあるかい?」
「うーん……あとは腕の振りとかだけど、そこは今の私じゃあどうしようもないかも」
「うん、そうだね。剣を振る筋肉を鍛えるには、実際に振ってみた方が鍛えやすいからね」
「それじゃあ、私もたくさん素振りをしたらできるようになるかな?」
「あぁ、もちろんだ。この柔の剣はアリシアのために考えたものだからね」
ニコリと微笑みながらそう口にしたアーノルドを見て、アリシアは嬉しそうに笑う。
その姿を見たシエナはしばらく考え込んでいたものの、すぐに気持ちを切り替えたのかパンと一つ手を叩いた。
「それじゃあアリシアちゃん、私と一緒に訓練場を走りましょうか!」
「えっ! でも、シエナさんの訓練は?」
「これも私の訓練だよ。走ることは大事だからね」
ウインクしながらそう言われてしまい、アリシアは確認の意味も含めてアーノルドへ視線を向けた。
「いいんじゃないか。シエナ、アリシアを頼むぞ」
「お任せください、団長!」
「アリシアもシエナの言うことをちゃんと聞くんだぞ」
「はーい!」
元気よく返事をしたところで、アーノルドは訓練場を離れて詰め所の中へ行ってしまった。
「よーし! それじゃあアリシアちゃん、最初はゆっくりのペースで走るけど、段々と早くしていくから覚悟してよねー」
「よ、よろしくお願いします、シエナさん!」
こうしてアリシアとシエナは、訓練場に沿うようにして外側を走り出した。
ただ走るだけでもよかったが、アリシアは他の自警団員がどのような訓練をしているのかを観察しながら走っており、その姿を見たシエナは感心してしまう。
「勉強熱心だねぇ、アリシアちゃんは」
「今から習うんだもの、たくさん努力しないといけませんから!」
「そっか。……よーし、それじゃあもう少しペースを上げるからね!」
「は、はい!」
額に汗を滲ませ、気づけば顎を伝い地面へ垂れていく。
洋服も汗でぐっしょりとなっていたが、それでもアリシアは気にすることなく限界まで走り続ける。
そして気づけば――夕日を背にするまで走り続けていたのだった。
アリシアから的確な意見が口にされたことで、二人は驚きと共に真剣な面持ちで耳を傾ける。
「足腰を鍛えることも重要かな。ほとんど足の力だけで動いているから、すぐにばてちゃうかも」
「……いやー、驚いたわー」
「ふむ、これは私も驚いたぞ、アリシア」
「そ、そうかな?」
大人ならある程度考えて答えを出せるだろうが、子供にそこまでを求めるつもりは毛頭なかった。
しかし、今のアリシアは普通の子供ではなく、前世の大人になった頃の記憶を残したままになっている。
やり過ぎたかもと思ってしまったが、口にしてしまったことはもうどうしようもない。
変に誤魔化すことはせず、自分なりの意見としてそのまま伝えることにした。
「あっ! だからお父さんは私に元気いっぱい遊びなさいって言ったのね!」
「ん、んん?」
「だって、たくさん走り回れば足腰も鍛えられるもの! そういうことだよね?」
そして、自分の意見はアーノルドの言葉を元にしたものだと、こじつけようと考えた。
「そういうことだったんですか、団長?」
「いや、そういうわけでは……」
「えっ? 違うの、お父さん?」
「うっ!?」
アリシアが上目遣いにそう口にすると、少し困ったような表情を浮かべたものの、アーノルドはしばらくして小さく頷いた。
「……はぁ。そうだな、そうかもしれんな」
「なんですか、団長。歯切れが悪いですねぇ」
「まあいいさ。それではアリシア、他に気づいたことはあるかい?」
「うーん……あとは腕の振りとかだけど、そこは今の私じゃあどうしようもないかも」
「うん、そうだね。剣を振る筋肉を鍛えるには、実際に振ってみた方が鍛えやすいからね」
「それじゃあ、私もたくさん素振りをしたらできるようになるかな?」
「あぁ、もちろんだ。この柔の剣はアリシアのために考えたものだからね」
ニコリと微笑みながらそう口にしたアーノルドを見て、アリシアは嬉しそうに笑う。
その姿を見たシエナはしばらく考え込んでいたものの、すぐに気持ちを切り替えたのかパンと一つ手を叩いた。
「それじゃあアリシアちゃん、私と一緒に訓練場を走りましょうか!」
「えっ! でも、シエナさんの訓練は?」
「これも私の訓練だよ。走ることは大事だからね」
ウインクしながらそう言われてしまい、アリシアは確認の意味も含めてアーノルドへ視線を向けた。
「いいんじゃないか。シエナ、アリシアを頼むぞ」
「お任せください、団長!」
「アリシアもシエナの言うことをちゃんと聞くんだぞ」
「はーい!」
元気よく返事をしたところで、アーノルドは訓練場を離れて詰め所の中へ行ってしまった。
「よーし! それじゃあアリシアちゃん、最初はゆっくりのペースで走るけど、段々と早くしていくから覚悟してよねー」
「よ、よろしくお願いします、シエナさん!」
こうしてアリシアとシエナは、訓練場に沿うようにして外側を走り出した。
ただ走るだけでもよかったが、アリシアは他の自警団員がどのような訓練をしているのかを観察しながら走っており、その姿を見たシエナは感心してしまう。
「勉強熱心だねぇ、アリシアちゃんは」
「今から習うんだもの、たくさん努力しないといけませんから!」
「そっか。……よーし、それじゃあもう少しペースを上げるからね!」
「は、はい!」
額に汗を滲ませ、気づけば顎を伝い地面へ垂れていく。
洋服も汗でぐっしょりとなっていたが、それでもアリシアは気にすることなく限界まで走り続ける。
そして気づけば――夕日を背にするまで走り続けていたのだった。
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