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第二章:集落誕生?
久しぶりの魔界
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リーレインさんの突然の提案により、俺たちは魔界へ向かう事になった。
まあ、足を踏み入れて即座に索敵スキルを行えばツヴァイルも見つかるだろうし、そうなればさっさと連れて帰ればいいか。
とはいえ、少しでもブレイレッジを離れるのだから戦力は分けなければならない。
「私が残るわよ。魔界はリリルの領分じゃないの?」
「ありがとう、ルリエ!」
……というわけで、あっさりと向かう人員が決まった。
俺とリリルで向かう、はずだったのだが――
「僕も行くよ、スー君」
「いいんですか、リーレインさん?」
「ずっと人界にいたからねー。たまには魔界にも足を運んでおこうかと思ってね」
「……そんな簡単に決めていい事じゃないですよね?」
「僕にとっては人界も魔界もそこまで変わらないからね。簡単に決めていい事なんだよ」
リーレインさんの実力は俺でも判断がつかないが、本人が口にしているのだから問題はないのだろう。
ブレイレッジの警備にはルリエにシルクさん、それに七色の光の五人もいるから大丈夫なはずだ。
「……分かりました。でも、そこまで長居はしませんよ? ツヴァイルを見つけたらすぐに連れて帰りますから」
「構わないよ。目的は神獣君を連れ帰る事だからね」
「ツヴァイル……大丈夫かしら」
「あいつも強いし、神獣だ。きっと大丈夫だろう」
心配そうにそう呟いたリリルに声を掛けたのだが、俺とは別の心配をしていた。
「ちゃんと食事は摂っているかしら。魔獣を食べてお腹を壊してないかしら。バランスよく食べているかしら」
「……え? 食事の心配?」
「それはそうですよ! ブレイレッジではちゃんとした食事を朝昼晩で三食与えていましたし、おやつだって! それが無くなったんですよ、心配になりますよ!」
……うん、きっとツヴァイルは無事だな。魔王の娘であるリリルが殺される心配をしていないんだから。
「と、とりあえず、魔界に行くか」
「行ってみよー!」
「ツヴァイルのおやつも持ちました! 行きましょう!」
おやつって、ピクニックかよ。
※※※※
ブレイレッジから北に向けて進むこと5分、あっという間に魔界に到着した。
ずっと人界と魔界の境にあると思っていたブレイレッジだったが、少しだけズレていたらしい。
とはいえ、規模が大きくなると魔界にも広がりそうなので、できるだけ規模は小さく収めたい。……というか、スローライフが遠ざかるから広げないぞ。
「スー君、索敵スキルはどうかな?」
「あ、あぁ。ちょっと待ってくれ」
全く違う事を考えていて忘れていた。
俺は集中力を高めて索敵スキルを発動し、周囲の生物を確認していく。
だが、ここで問題が起きた。
「……魔獣が多過ぎて、どれがツヴァイルか分からないな」
「だろうねー」
「こうなる事が分かってたんですか、リーレインさん?」
「だってここ、魔界だもん」
「……はぁ。リリル、魔界でツヴァイルが向かいそうな場所って分かるか?」
「この辺りは境に近いから荒れているんです。なので……美味しい食糧が手に入るわけでもないので」
「また食事かよ!」
聞く相手を間違えた。
だが、リーレインさんが分かるはずもない。何せツヴァイルに会ったことが無いのだから。
「仕方がない。近いところから片っ端に当たっていくか。リリルは索敵スキルを持っているか?」
「ごめん、私は持ってないわ」
「僕は持ってるよー」
リーレインさん、意外と万能だな。
「それじゃあ、リーレインさんとリリルは右側から当たってくれ。俺は左側を行く」
「一人で大丈夫なの?」
「俺はな。だけど、ツヴァイルは神獣とはいえ子供だからな。大丈夫だとは思うが、心配は心配だし」
「スー君は素直じゃないんだねー。分かった、それじゃあ行こうか、リーちゃん?」
「……気をつけてね、スウェイン」
「おう」
簡単な返事を返し、俺は二人を見送った。
魔界に足を踏み入れたのはシャドウウルフの肉を手に入れた時と魔人化したエレーナを倒した時の二回しかない。それも浅いところだったのでほとんど初めてと言っていいだろう。
「……まあ、何とかなるか」
深く考えても仕方がないと気持ちを切り替え、俺は右側にいる近い気配に向けて駆け出した。
まあ、足を踏み入れて即座に索敵スキルを行えばツヴァイルも見つかるだろうし、そうなればさっさと連れて帰ればいいか。
とはいえ、少しでもブレイレッジを離れるのだから戦力は分けなければならない。
「私が残るわよ。魔界はリリルの領分じゃないの?」
「ありがとう、ルリエ!」
……というわけで、あっさりと向かう人員が決まった。
俺とリリルで向かう、はずだったのだが――
「僕も行くよ、スー君」
「いいんですか、リーレインさん?」
「ずっと人界にいたからねー。たまには魔界にも足を運んでおこうかと思ってね」
「……そんな簡単に決めていい事じゃないですよね?」
「僕にとっては人界も魔界もそこまで変わらないからね。簡単に決めていい事なんだよ」
リーレインさんの実力は俺でも判断がつかないが、本人が口にしているのだから問題はないのだろう。
ブレイレッジの警備にはルリエにシルクさん、それに七色の光の五人もいるから大丈夫なはずだ。
「……分かりました。でも、そこまで長居はしませんよ? ツヴァイルを見つけたらすぐに連れて帰りますから」
「構わないよ。目的は神獣君を連れ帰る事だからね」
「ツヴァイル……大丈夫かしら」
「あいつも強いし、神獣だ。きっと大丈夫だろう」
心配そうにそう呟いたリリルに声を掛けたのだが、俺とは別の心配をしていた。
「ちゃんと食事は摂っているかしら。魔獣を食べてお腹を壊してないかしら。バランスよく食べているかしら」
「……え? 食事の心配?」
「それはそうですよ! ブレイレッジではちゃんとした食事を朝昼晩で三食与えていましたし、おやつだって! それが無くなったんですよ、心配になりますよ!」
……うん、きっとツヴァイルは無事だな。魔王の娘であるリリルが殺される心配をしていないんだから。
「と、とりあえず、魔界に行くか」
「行ってみよー!」
「ツヴァイルのおやつも持ちました! 行きましょう!」
おやつって、ピクニックかよ。
※※※※
ブレイレッジから北に向けて進むこと5分、あっという間に魔界に到着した。
ずっと人界と魔界の境にあると思っていたブレイレッジだったが、少しだけズレていたらしい。
とはいえ、規模が大きくなると魔界にも広がりそうなので、できるだけ規模は小さく収めたい。……というか、スローライフが遠ざかるから広げないぞ。
「スー君、索敵スキルはどうかな?」
「あ、あぁ。ちょっと待ってくれ」
全く違う事を考えていて忘れていた。
俺は集中力を高めて索敵スキルを発動し、周囲の生物を確認していく。
だが、ここで問題が起きた。
「……魔獣が多過ぎて、どれがツヴァイルか分からないな」
「だろうねー」
「こうなる事が分かってたんですか、リーレインさん?」
「だってここ、魔界だもん」
「……はぁ。リリル、魔界でツヴァイルが向かいそうな場所って分かるか?」
「この辺りは境に近いから荒れているんです。なので……美味しい食糧が手に入るわけでもないので」
「また食事かよ!」
聞く相手を間違えた。
だが、リーレインさんが分かるはずもない。何せツヴァイルに会ったことが無いのだから。
「仕方がない。近いところから片っ端に当たっていくか。リリルは索敵スキルを持っているか?」
「ごめん、私は持ってないわ」
「僕は持ってるよー」
リーレインさん、意外と万能だな。
「それじゃあ、リーレインさんとリリルは右側から当たってくれ。俺は左側を行く」
「一人で大丈夫なの?」
「俺はな。だけど、ツヴァイルは神獣とはいえ子供だからな。大丈夫だとは思うが、心配は心配だし」
「スー君は素直じゃないんだねー。分かった、それじゃあ行こうか、リーちゃん?」
「……気をつけてね、スウェイン」
「おう」
簡単な返事を返し、俺は二人を見送った。
魔界に足を踏み入れたのはシャドウウルフの肉を手に入れた時と魔人化したエレーナを倒した時の二回しかない。それも浅いところだったのでほとんど初めてと言っていいだろう。
「……まあ、何とかなるか」
深く考えても仕方がないと気持ちを切り替え、俺は右側にいる近い気配に向けて駆け出した。
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