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第四章
第186話:陛下と王妃からのお礼
「いってきてくれ。俺はまだ動けないからな」
アッシュがそう口にすると、レイスは頷き、楓たちを伴い謁見の間へ移動する。
目的としていたアッシュの救出を達成できた。
悪いことではないだろうと思いながらも、どうしても陛下であるエルデクスとの謁見は毎回緊張してしまう。
「今回は本当に緊張しなくていいと思いますよ、カエデ様」
緊張が顔に出ていたのか、前を歩いていたレイスが微笑みながらそう口にした。
「あはは。……でも、適度な緊張は必要かなと思うので、これくらいは」
「そうですか? ……いえ、そうかもしれませんね。私も父上だから少しばかり緊張感に欠けていたかもしれません。相手は陛下なのですからね」
楓の想いを尊重し、レイスはそう答えた。
そんなレイスに対して楓も笑みを返したところで、謁見の間に到着した。
既に扉は開かれており、いつでも入ってこいと言っているようだ。
「入りましょうか」
「え? い、いいんですか?」
「はい。扉が開かれている場合は、入場を許可するという意味ですから」
「へぇ。そんな意味があったんですね」
何事も時短が大切、ということだろうか。
そんなことを考えつつ、楓たちはレイスに続いて謁見の間へ入っていく。
「レイス。そして、カエデ、アリス、スズネ。ティアナ、ヴィオン。この度は愚息を助け出してくれて、感謝する」
「皆さん。本当にありがとうございました」
エルデクスだけではなく、アリシャからも感謝の言葉をいただいた楓。
だが、二人が椅子から立ち上がり、頭を下げてきたことで大慌てになってしまう。
「お、お顔をお上げください! 私たちは、当たり前のことをしただけですから!」
「……あぁ、そうだったな。だが、今回の礼は、一国の王としてではなく、子供の親としての礼だったのだ。受け取ってくれないだろうか?」
エルデクスは一国の王として判断を下す場面も多くあった。
その中には子供たちとの時間を犠牲にするものも多く、時には年単位で顔を合わすことがなかった時もある。
それでも、子供の命が危険に晒されているとなれば、心配しない親はいないだろう。
それが一国の王であっても、同じことだ。
「……かしこまりました」
「感謝するぞ、カエデ」
「カエデさん。本日私たちが皆さんをお呼びしたのは、アッシュを助けてくれたことに褒美を与えたいと思ったからなのです」
「ほ、褒美ですか?」
続いて口を開いたアリシャの発言に、楓たちは顔を見合わせてしまう。
「その、私たちは当たり前のことをしただけで、褒美というのは……」
「受け取ってほしいの。これも、アッシュの親としての想いよ。ダメ、かしら?」
ここでアリシャが悲しそうな表情を浮かべる。
親として、とは言っているが、相手は王妃である。
きっと断ったとしてもお咎めはないだろうが、相手を立てるという意味でも、ここは受け取っておいた方がいいのかもしれない。
「……それでは、ありがたく頂戴したいと思います」
「そうしてくれると嬉しいわ。それじゃあ、いきましょうか」
「へ? いくとは、どこへ?」
嬉しそうに笑いながらアリシャがそう口にすると、楓は思わず聞き返してしまう。
「どこって、宝物庫よ? そこで皆さんに褒美を選んでもらいたいの」
「「「「「…………ええええええええぇぇぇぇええぇぇっ!?」」」」」
まさか宝物庫から自分で選んでいいとは思わず、今回ばかりは楓だけではなく、ティアナたちも驚きの声を上げた。
ルンルン気分で立ち上がったアリシャとエルデクス。
楓たちは口をパクパクと動かしながらレイスを見る。
「ああなった父上と母上は止まりませんから、一緒に向かいましょうか」
「……は、はは……さすがは、一国の王、ですね」
唖然としたまま、楓たちは宝物庫へと歩き出した。
アッシュがそう口にすると、レイスは頷き、楓たちを伴い謁見の間へ移動する。
目的としていたアッシュの救出を達成できた。
悪いことではないだろうと思いながらも、どうしても陛下であるエルデクスとの謁見は毎回緊張してしまう。
「今回は本当に緊張しなくていいと思いますよ、カエデ様」
緊張が顔に出ていたのか、前を歩いていたレイスが微笑みながらそう口にした。
「あはは。……でも、適度な緊張は必要かなと思うので、これくらいは」
「そうですか? ……いえ、そうかもしれませんね。私も父上だから少しばかり緊張感に欠けていたかもしれません。相手は陛下なのですからね」
楓の想いを尊重し、レイスはそう答えた。
そんなレイスに対して楓も笑みを返したところで、謁見の間に到着した。
既に扉は開かれており、いつでも入ってこいと言っているようだ。
「入りましょうか」
「え? い、いいんですか?」
「はい。扉が開かれている場合は、入場を許可するという意味ですから」
「へぇ。そんな意味があったんですね」
何事も時短が大切、ということだろうか。
そんなことを考えつつ、楓たちはレイスに続いて謁見の間へ入っていく。
「レイス。そして、カエデ、アリス、スズネ。ティアナ、ヴィオン。この度は愚息を助け出してくれて、感謝する」
「皆さん。本当にありがとうございました」
エルデクスだけではなく、アリシャからも感謝の言葉をいただいた楓。
だが、二人が椅子から立ち上がり、頭を下げてきたことで大慌てになってしまう。
「お、お顔をお上げください! 私たちは、当たり前のことをしただけですから!」
「……あぁ、そうだったな。だが、今回の礼は、一国の王としてではなく、子供の親としての礼だったのだ。受け取ってくれないだろうか?」
エルデクスは一国の王として判断を下す場面も多くあった。
その中には子供たちとの時間を犠牲にするものも多く、時には年単位で顔を合わすことがなかった時もある。
それでも、子供の命が危険に晒されているとなれば、心配しない親はいないだろう。
それが一国の王であっても、同じことだ。
「……かしこまりました」
「感謝するぞ、カエデ」
「カエデさん。本日私たちが皆さんをお呼びしたのは、アッシュを助けてくれたことに褒美を与えたいと思ったからなのです」
「ほ、褒美ですか?」
続いて口を開いたアリシャの発言に、楓たちは顔を見合わせてしまう。
「その、私たちは当たり前のことをしただけで、褒美というのは……」
「受け取ってほしいの。これも、アッシュの親としての想いよ。ダメ、かしら?」
ここでアリシャが悲しそうな表情を浮かべる。
親として、とは言っているが、相手は王妃である。
きっと断ったとしてもお咎めはないだろうが、相手を立てるという意味でも、ここは受け取っておいた方がいいのかもしれない。
「……それでは、ありがたく頂戴したいと思います」
「そうしてくれると嬉しいわ。それじゃあ、いきましょうか」
「へ? いくとは、どこへ?」
嬉しそうに笑いながらアリシャがそう口にすると、楓は思わず聞き返してしまう。
「どこって、宝物庫よ? そこで皆さんに褒美を選んでもらいたいの」
「「「「「…………ええええええええぇぇぇぇええぇぇっ!?」」」」」
まさか宝物庫から自分で選んでいいとは思わず、今回ばかりは楓だけではなく、ティアナたちも驚きの声を上げた。
ルンルン気分で立ち上がったアリシャとエルデクス。
楓たちは口をパクパクと動かしながらレイスを見る。
「ああなった父上と母上は止まりませんから、一緒に向かいましょうか」
「……は、はは……さすがは、一国の王、ですね」
唖然としたまま、楓たちは宝物庫へと歩き出した。
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