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中学生編
目覚め②
しおりを挟む先生が今後の予定やらを話し始める
前を向き、先生の話を聞いているつもりだが、内容は何一つ入ってこない。
気になってしまう。後ろのあの子が
(もう一度姿を見たい
だが、突然振り返るわけにもいかない
彼女の目線は今どこに、
どんな風に先生の話を聞いているのだろう、
彼女と話をするタイミングはないだろうか。)
そんなことを考えている内に1時間目の授業が終わる
彼女のことでいっぱいだったのであっという間に時間が過ぎていた
トイレに立とうとしたとき、思いつく
(行き帰りに彼女を一目見るチャンスがある)
緊張しながら立ち上がり、後ろを振り返る
彼女はカバンの中を除き何かを探していた
(顔を上げてくれ)
そう願ったが、思いどおりにはならない
じっと彼女を見ておくわけにもいかず、仕方なくトイレへ向かう。
小便器で用を足していると隣にシュンタがニヤケながらやってきた
「先生の話なげーよな、聞いてるつもりだったんだけど、ほとんど何も覚えてないわ、50分がめちゃくちゃ長く感じた」
「長かったよなー、ほんとに何も記憶に残ってない」
自分も笑いながら返した
ほんとうは彼女のことをことを考えて時間は一瞬に過ぎたと感じていたが、それとなく話を合わせた
それから廊下で休み時間が終わるまでシュンタと立ち話をした。
「そろそろ帰るか」
「おう」
シュンタと話している間は忘れていたが、彼女を見るチャンスだと思い出し、少し気分が上がりつつ、教室のドアを開ける
一番後ろの席に彼女はいない。
教室を軽く見渡したが、彼女の姿はない
自分の席に座ると数秒も経たないうちにチャイムの音が鳴る。
すると同時に後ろの席の椅子が引かれる音がした
(帰ってきたんだ)
そう思うとまた彼女のことが気になり始めてしまった
チャイムが鳴り終わり、しばらくしても先生が来なかったため少しおしゃべりを始める者もちらほら出てきていた。
二年生初めての登校日とは思えないほど、教室の中は賑やかだった。
そんな中、自分は友達が周りにいるわけでもなく、賑やかな声を聞きつつクラスを眺める
少し寂しく感じた。
いっそ後ろを振り返り、彼女と話をしてみようかなとも思ったが、そんな勇気はない
今度は黒板の日付の文字を眺め、ぼーっとしてみる
(退屈だ…)
トントン、背中に何かあたったような気がする
続けてトントン、思わず反射的に後ろを振り返ってしまった
彼女と目が合う
一瞬時が止まったように感じた
(やばい、何か言わなくては)
焦れば焦るほど言葉は出ない
「どうしたのー」
彼女が先に口を開く
「あ、あの背中を突かれた気がしたんだけど」
「え、そうなんだー、幽霊かな(笑)」
「幽霊だったのか…」
予定外の返答だったので、苦笑いで答えた
「うそうそ、私だよ(笑)、筆箱を忘れちゃって鉛筆貸して欲しかったんだよ」
「あ、そうだったんだ、全然いいよ」
そう言い、慌てて自分の筆箱を取り出し綺麗な鉛筆と消しゴムを探した
「どうぞ」
「ありがとう。消しゴムまで用意してくれたんだ、気がきくね!」
「全然そんなことないよ」
「そうだ名前なんて言うの?」
「あ、ケイタっていう…」
「ケイタくんね、私はミレイって言うの!、よろしく」
「よろしく」
(ミレイさんか…美しい名前だ)
“ガラガラ”
ドアの音が鳴る
「ごめんなさい遅れてしまいました。授業を始めます。」
授業が急ぎで始まろうとした
「これ今日の帰りまで借りてていい?ちゃんと返すから!」
「うん、全然いいよ!」
そう言ってミレイさんとの会話は一旦終わりを迎えた。
(はぁ、緊張した)
胸の鼓動が一気に上がり、なんだか冷や汗のようなものをかいた。だがそれほど、心地悪くはなかった
(やっぱり目が大きく、白い肌に愛嬌のある笑顔だったな~)
見た目がすごく可愛いのはもちろんのこと、気さくで、優しい子なんだろうなと感じた
それからというもの授業中は彼女のことばかりが頭の中を駆け巡り、あっという間に時間は過ぎていった
気がつけば下校時間になり、教室に夕陽が差し込む
皆んなが帰り支度をし始めた頃、
自分もバックに教科書などを詰め始めたが、ミレイさんに貸した鉛筆と消しゴムはまだ返ってきていない。
午前に貸して以来、一言も喋っていないので声の掛け方も分からず、どうしようかと悩んでいた
“トントン”
背中が突かれる感覚
(きたっ!)
勢いよく振り返る
喜びを隠しきれず、笑みが溢れていたかもしれない
「これ、ありがとう!」
「うん、また忘れたら貸すから言ってね」
「ありがとう!遠分忘れないと思うけどね…(笑)
逆に貸してあげるからケイタくん、忘れてもいいよ(笑)」
「あ、じゃあ忘れようかな…(笑)」
“ドン”
「帰りの会を始めるので、静かにー」
お互い笑みを見せ、会話は終わり、前を向いた
体全体が熱くなる、急に自分がどんな顔をして話していたのか気になり、鏡で自分の顔を見たくなった
そして、ほんとうに明日、筆記用具を忘れてこよかと考えた。
帰りの挨拶が始まる
「それではさようなら」
「さようなら」
生徒が一斉に動き出す
「よっ、帰ろうぜ!」
シュンタがすぐに声をかけてきた
「おう…」
帰ろと後ろを振り返るが、彼女はもういない、帰ったようだ
シュンタとは帰り道が途中まで一緒だった。
朝もタイミングが合えば、一緒に登校することが多い
「初日から6限めちゃ疲れたわー」
「疲れたよな~、普通午前だけとかじゃない」
「ほんとに!」
「今日は部活なかったし、うちでゲームでもして帰るか?」
「今日はいいかな、疲れたし」
「ふーん、ケイタ今日なんかいいことあった?」
「え、どうして?」
「顔がさー、なんかニヤけてない?(笑)」
(ヤバい)「いや別にニヤけてないだろう(笑)」
「そうか、いいことあったらさ、なんでも教えてくれよな!」
「うん、いいことあったらな!」
それからしばらく歩きながら話をしてそれぞれの家への分岐路になった
「じゃあまたな」
「うん、また!」
(そうか、ニヤけてたか…)
自分はそんなにわかりやすい人間なのか、それともシュンタだからそう気づくのか、どちらにしても少し恥ずかしかった
ミレイさんと話している時も変な顔になってたらどうしよう
そんなことを考えるいると、ふと気づく
(どうして自分は一年生の間、ミレイさんのことを知らなかったんだろう…
ひと学年に180人ぐらい生徒がいたとしても、さすがに一年間あれば姿くらい見る機会がある気がするんだけどな…)
(そうか!あんまり人に興味ないもんな)
自分が元来、他人に興味があまりないことに気づき、一人で納得してしまった
(まあでも、今日はいい日だったな)
ミレイさんと話せた時間は1分にも満たなかったが 、どうしてこんなにも頭の中は彼女でいっぱいなのかわからなかった
(明日が楽しみだ)
そう思いながら残りの道を歩むと、なんだか足が軽くなり、スキップを2,3回してしまった
そんな自分に驚き、周りを見渡した
揺れる緑と眩しい夕陽、田舎風景以外そこには何もなかった
ほっとしてまた歩き出す
(今夜は寝れそうにないな)
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