転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未

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11話

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(よし、決めた! 拠点が狭すぎる!) 

魔物たちでギチギチになったこの部屋で俺は残りのDP(1130)を睨みつける。
スライム軍団が稼いでくれるとはいえ、このままでは少女の生活環境も魔物たちの作業効率も最悪だ。

(今こそこのボロい一部屋生活から卒業する時だ!)

俺は意を決して脳裏のリストから【拠点機能】タブを選択。 

「フロア増設ガチャ(低コスト) - 1000 DP」

(いけっ!)

俺が強く念じた瞬間、DPが 1130 から 130 へと激減した。

直後。

ゴゴゴゴゴゴ……!

(っ!?)

部屋全体が地震のように激しく揺れ始めた!

「きゃあああっ!?」

寝袋のそばにいた少女が悲鳴を上げ、慌てて俺にしがみつく。

「ギギィ!?」

扉を守っていたゴブリンたちも突然の揺れに混乱し、床にへたり込む。 天井にいたムカデやスパイダーも慌てて天井に張り付いている。

(なんだ!? 失敗したのか!?)

俺が焦ったその時。 揺れが収まるのではなく、部屋全体が巨大なエレベーターのように「持ち上げられる」感覚に襲われた。
松明の炎が大きく揺らめく。

俺の脳裏に、リストとは違う無機質なシステムメッセージのようなものが表示された。



♢   ♢   ♢

フロア増設を実行。 既存フロアは「2階」へ移動しました。 新たに「1階」として、[C] 罠仕掛けの石造広間が生成されました。 拠点の入り口は「1階」に設定されます。

♢   ♢   ♢



(……は? どういうことだ?)

揺れが完全に収まった。 俺が混乱していると自分の「意識」が今いるこの部屋(2階)だけでなく、その下に新しくできた「1階」の様子も、同時に認識できていることに気づいた。

(なるほど……!)

俺が今いる少女やゴブリン・ファイターたちがいるこの部屋(旧1階)が、そのまま「2階」として上層に移動したんだ! 
そして、その下……スライムたちや外敵が入ってくる玄関として、新しく「1階」が生成された!

(これはいいぞ……!)

俺は興奮した。 

(これなら、俺と少女の住処は今後もガチャを引くたびに最上階……3階、4階……として安全な場所に移動できる! 

そして新しくできる低層階は……そう、玄関であり迎撃用のダンジョンエリアだ!



♢   ♢   ♢

フロア名:[C] 罠仕掛けの石造広間。
レアリティ:[C] コモン
階層:1階(玄関)

機能
[玄関扉]: 粗末な木製扉から頑丈なオーク材の扉 にアップグレードされた。
[初期トラップ (低)]: 床の一部に[UC]コボルトが起動できる[簡易トラップ]の基部が設置された。
[迎撃空間]: [旧1階]よりも天井が高く、広々とした空間。魔物を配置するのに適している。

♢   ♢   ♢



(おぉ……! 単なる部屋じゃない!)

1000DPも使っただけあって、[C]魔物ガチャとは格が違う!
さっきまでスライムたちが出入りしていたボロい扉は、自動修復機能付きの「頑丈なオーク材の扉」に進化してる!
しかも、[UC]コボルトたち(採掘・罠部隊)が即座に活用できそうな罠の基部まで床に設置されてるじゃないか!

(取り合えず、1階は玄関かつ迎撃用の部屋って感じか!)

揺れに怯える少女がしがみついている[新2階] ……俺がいる部屋は、[新1階]を経由しないと上がってこれなくなった。
階段が1階と2階を繋いでいる。物理的な安全性がさっきまでとは比べ物にならないくらい上がったぞ!

(よし、拠点が2階建てになったんだ。戦力も再配置だ!)

俺は揺れが収まって安堵している魔物たちに、リーダーの[UC]ゴブリン・ファイターを通じて新たな命令を下した。

(ファイター! 聞こえるか! お前は2階に残れ! 俺と少女の最後の護衛だ!)

(そして他の部隊を1階に降ろせ!)

俺は1階と2階を繋ぐ階段を意識で示す。

(まず「警備隊」! [C]ゴブリン(3匹)と、[UC]スケルトン(2匹)! 1階に降りて、新しい「オーク材の扉」を内側から固めろ!)

(次に、「罠・奇襲部隊」! [UC]コボルト (半数は探索に出ている)、[UC]スパイダー、[UC]大ムカデ! お前らも1階だ!)

(コボルトたちは床にある「罠の基部」を起動させろ! [簡易トラップ]を仕掛けまくれ! スパイダーとムカデは1階の天井と壁に張り付き、侵入者を待ち伏せろ!)

「グルルッ!」

ファイターが俺の命令を受け、[リーダーシップ]スキル全開でゲキを飛ばす。

「ギィ!」「(カタカタ!)」
「キャンキャン!」「(スルスル……)」

命令を受けた魔物たちが、蜘蛛の子を散らすように……というか蜘蛛もムカデもいるが1階へと降りていく。
あれほど魔物でギチギチだった俺の部屋が一気にスッキリした。 残ったのは俺、寝袋にしがみつく少女、そしてゴブリン・ファイター(リーダー)の3名だけだ。

(おぉ……やっと居住スペースっぽくなったぞ)

1階では命令通り[C]ゴブリンと[UC]スケルトンが扉の前を固め、[UC]コボルトたちが「キャンキャン!」と楽しそうに罠の基部を掘削し始め、他の連中が天井や壁に張り付いていく。完璧な防衛布陣だ。

(……だが、待てよ)

俺は、今も外で稼働しているはずの部隊のことを思った。

(スライム軍団や、「狩猟部隊」の[UC]ファングウルフ、「偵察部隊」の[UC]ラットと[UC]バット……)

あいつらがDPや獲物を持ってきた時、どうするんだろうか?
わざわざ罠だらけの1階を通り抜け、階段を上って2階の俺まで素材を投げつけに来るのか……?

(それは少しロスだな……まだ2階だからいいが、その内5階10階になるとあいつら上がるだけで疲れちゃうぞ……)

俺がそんなシステム上の懸念を抱いた、その時だった。

(ん?)

俺の意識が新しくできた1階の扉のすぐ脇……コボルトたちが罠を配置している場所とは反対側の隅に、ひっそりと「何か」が置かれていることに気づいた。 
それは俺に比べれば拳ほどの大きさしかない小さな石。 だが俺と同じように淡く、かすかに光っている。

(なんだあれ……?)

俺がそれに意識を集中させていると、ちょうど外から「ぷるるん!」と1匹のスライム が帰還した。 
スライムは階段を上ろうとはせず、一直線に「光る小石」に向かった。

そして今まで俺にしてきたのと同じように…… 「べちゃっ!」 っと光る小石に向かって、資源を吐き出した!
資源は小石に触れた瞬間、光となって吸い込まれ……俺の脳裏のDPカウンターが即座に跳ね上がった!

 [DP: 130] → [DP: 145]

(あれは……俺の分身か……! )

わざわざ最上階まで上がってこなくても、1階の納品ポスト に資源を投入すれば、リアルタイムで俺のDPになるらしい。
これなら拠点が何階建てになっても安心だ。



♢   ♢   ♢

[現在の拠点状況]
拠点名: (未設定)
階層: 2階建て(1階:迎撃フロア / 2階:コアの部屋(居住区))
DP: 145
訪問者: 1名(少女、2階で安堵)
召喚中: 各部隊に再編され、1階と2階に配置完了
その他: 1階に「DP納品石」が設置された。

♢   ♢   ♢
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