転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未

文字の大きさ
12 / 72

12話

しおりを挟む
俺は1階の様子を満足げに眺めていた。
 [UC]スケルトンたちが扉を固め[UC]ムカデや[UC]スパイダーが天井や壁に張り付いて防衛網を構築している。
コボルトの一部は1階で[簡易トラップ]を設置しようと床を掘削中だ。

「ぷるるん!」

そこへ外から[C]スライム軍団の一匹が帰還し、例の「DP納品石」に「べちゃっ」と資源を吐き出す。

[DP: 145] → [DP: 160] 

(よしよし、順調にDPが積み上がっていくな)

スライムたちが順調に作業しているその時だった。

「キャン! キャン!」

ゴブリンが開閉管理している扉から、スライムとは違う犬のような鳴き声が聞こえた。
1階にいたコボルトとは別の外に出していた採掘部隊のコボルトが帰還したようだ。
彼はスライムと違い背中に粗末な袋を背負っている。そして納品石の前に来ると、袋から何か……キラキラと鈍く光る「鉱石」的なものを取り出し、無造作に納品石に投げつけた!

カラン!

(お?)

直後、俺の脳裏のDPカウンターが見たことのない勢いで跳ね上がった!

[DP: 160] → [DP: 280]

(は!? いま、120も増えたぞ!?)

コボルトは「やったぜ!」と言わんばかりに「キャン!」と一鳴きすると、すぐにまた袋を背負い外へ……次の採掘に飛び出していった。

(そうか!)

俺は[UC]コボルトのステータス([採掘 (Lv.1)])を思い出す。

(あいつら、スライムが拾ってくる低級資源とは別にちゃんと鉱石を掘り当ててきやがる!)

スライムのDP効率が「+15」程度だとしたら、コボルトのDP効率は「+120」……!

(コボルトは罠の設置だけじゃなくて、スライム的なDP収集の役割も担うらしい。かなり役に立つな……!)

俺は天井で待機させているだけの[UC]大ムカデや、偵察に出した[UC]ラットたちを思う。

(恐らくは俺が把握できていないだけで、大体の魔物は役に立つのかもしれない)

[UC]ラットもただ偵察するだけじゃなく何かを拾ってくるかもしれない。
[UC]ムカデだってただの奇襲要員じゃなく[強酸液]で何かをできるかもしれない。

(みんなの特性を見つけなきゃな)

この拠点を運営していくには俺が主として、こいつらの能力を最大限に引き出してやる必要がある。 
石のくせに中間管理職みたいな悩みが増えてきたぞ。

その後コボルト採掘部隊の残りが帰還しDPがさらに増加した!

[DP: 640] (コボルト4匹分の鉱石納品 + スライムたちの納品 合計)



♢   ♢   ♢

[現在の拠点状況]
拠点名: (未設定)
階層: 2階建て(1階:迎撃フロア / 2階:コアの部屋)
DP: 640
訪問者: 1名(少女、2階で安堵)
召喚中: 全38匹(各部隊に再編され、1階と2階に配置完了)
その他: 1階に「DP納品石」設置済み。[UC]コボルトが高効率DP源と判明。

♢   ♢   ♢



「ガルル……」

1階の扉が警備の[C]ゴブリンによって開かれる。
スライム軍団や[UC]コボルト採掘隊の帰還とは違う低い唸り声。 

帰ってきたのは今朝「狩猟部隊」として送り出した[UC]ファングウルフ二匹だ!
彼らは[UC]ゴブリン・ファイターが2階にいるのを匂いで確認すると、1階の警備ゴブリンに「フン」と鼻を鳴らし、堂々と中へ入ってきた。

その口には狩ってきたであろう小動物……ウサギのような獣が何匹かくわえられている!

(おぉ! 初獲物だ!)

俺が興奮して見守る中、ウルフたちは1階の隅にある「DP納品石」の前まで進む。
そしてコボルトが鉱石を投げ入れたのと同じように、血の滴る獲物を納品石に向かって放り投げた!

獲物は納品石に触れた瞬間、光の粒子となって吸い込まれていく。
よし、DPゲットだ!

[DP: 640] → [DP: 660]

……ん?

(あれ? 2匹分で、たったの 20DP?)

[C]スライムの苔(+15DP)よりはマシだが、[UC]コボルトの鉱石(+120DP)と比べると雀の涙だ。
……効率が悪すぎる。これじゃ[UC]ランクの食費に見合わないじゃないか。 俺が内心でがっかりしかけた、その時だった。

獲物が吸収された直後、脳裏に新しいウィンドウがポップアップした!



♢   ♢   ♢

[原材料:森ウサギの肉] がストックされました。 [原材料:森ウサギの毛皮] がストックされました。
【生成リスト:基礎食料】および【生成リスト:生活雑貨】が更新されます。

♢   ♢   ♢



(は!? ストック?)

俺は慌てて、【生成リスト:基礎食料】タブを開いた。
リストの一番上に、さっきまで無かった項目が、眩しく輝いている!



♢   ♢   ♢

【生成リスト:基礎食料】
[素材消費] 焼き肉 …… 1 DP
(必要素材:[森ウサギの肉])

[素材消費] ウサギのシチュー …… 3 DP
(必要素材:[森ウサギの肉])

温かいシチュー(一皿) …… 30 DP
チーズと干し肉のセット …… 50 DP

♢   ♢   ♢



(1DP!? シチューが 3DP!?)

 通常ならDPだけでシチューを生成すると 30DP。
だがウルフが狩ってきた肉)をストックとして使うことで、DPコストがかなり安くなってる……!

(そうか……! 素材があるから低コストで作れるんだ!」)

俺は【生活雑貨】リストも確認する。



♢   ♢   ♢

【生成リスト:生活雑貨】
[素材消費] ウサギの毛皮(なめし加工) …… 2 DP
(必要素材:[森ウサギの毛皮] x1)

粗末な毛布(一枚) …… 15 DP
清潔な寝袋(一つ) …… 100 DP

♢   ♢   ♢



(こっちもだ! 毛皮まで素材になってる!)

これなら「粗末な毛布(15DP)」を買うより、ウサギを狩ってきて「なめし毛皮(2DP)」を作ったほうが遥かに安い!

(よし……!これで魔物の餌や少女のご飯をコスパよく作れるぞ!)

スライムとコボルトがDPを稼ぎ、ファングウルフが素材を稼ぐ。完璧な分業体制が確立した……!

(しかし肉が素材扱いになるなら、鉱石は素材扱いにならないのかな?)

スライムが持ってくる苔や泥がDP直換算なのは分かる。だがコボルトが持ってきた鉱石は肉と同じように素材になっても良さそうなものだ。
 ……それとも、今の俺の拠点では鉱石を素材として加工する機能……例えば鍛冶場のような設備がアンロックされていないから素材として認識されず、単純にDPするしか処理方法がないとか?

(もしかして武器や道具、防具はガチャでしか手に入らないのかもな……) 

[C]コモン装備ガチャでナイフや盾が出たように、強力な装備品は今のところガチャでしか手に入らないのかもしれない。

(まぁいい)

俺は思考を切り替える。 ひとまず食費の問題はファングウルフたちの狩猟によって劇的に改善される道筋が見えた。
スライム軍団とコボルト採掘隊がDPを稼ぎ、ファングウルフ狩猟隊が食料を稼ぐ。 このサイクルさえ回れば俺の拠点は安泰だ。

DPもまだ660残っている。
だけどもっと増やして……安全を確保しなきゃな。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

転生したら王族だった

みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。 レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……

無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。 死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった! 呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。 「もう手遅れだ」 これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

処理中です...