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第一章
トラップ
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宿のベッドで目覚めた。
体のあちこちが痛く、体を起こすだけでも一苦労だった。いたるところに包帯が巻かれていて、死なずにすんだんだと気付き、少し泣いた。
ほんのちょっとだけ泣いた⋯⋯
お礼を言うために、体を引きずりながらカウンターまで行くとベックさんが一瞬驚き、安堵した表情をした。
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
「大丈夫か? 3日も目覚めなかったから心配してたぞ」
「満身創痍ですが、なんとか⋯⋯」
「そうか、何があった? いや、ここで話すのも辛いだろう。おーい! ちょっとここ変わってくれ、ヒデと少し話す」
そう言うと、奥さんとカウンターを代わり、ベックさんの部屋へと向かう―――
【キュア】で体が光った事。
ツノウサギ3匹に挑んだ事。
光るだけで回復しなかった事。
全てを伝えると、ベックさんが残念な顔をした。
「お前な~。キュアって言うのは僧侶や賢者が使えるスキルで、それ以外が唱えると体が光るだけなんだぞ」
「えっ!?」
「回復するキュアは青く光り、それ以外は黄色く光るだけだ。お前は黄色く光っただろう?」
あの時の事を思い出すと確かに黄色く光った。
「はい。黄色だったと思います」
「まったく⋯⋯何も覚えてないとは聞いていたが。ま~何はともあれ生きてりゃいいさ。とりあえず今は治療に専念しろ」
「ありがとうございます」
そう、伝え自分の部家に戻りベッドに横になり眠る事にした。
それから一週間は薬草を飲みながら、ひたすら【キュア】と唱え続けた。
青に光ることは1度もなく、黄色く光るだけで回復することは無かった―――
もうなんなの。トラップすぎるじゃん!
光ったら使えてると思うだろう?
この世界クソすぎるって⋯⋯
3ヶ月たっても雑魚モンスターの代名詞のツノウサギにすら瀕死にされるし、どーすんの?
伝説の武器とか落ちてこねーかな⋯⋯
体のあちこちが痛く、体を起こすだけでも一苦労だった。いたるところに包帯が巻かれていて、死なずにすんだんだと気付き、少し泣いた。
ほんのちょっとだけ泣いた⋯⋯
お礼を言うために、体を引きずりながらカウンターまで行くとベックさんが一瞬驚き、安堵した表情をした。
「すみません。ご迷惑をおかけしました」
「大丈夫か? 3日も目覚めなかったから心配してたぞ」
「満身創痍ですが、なんとか⋯⋯」
「そうか、何があった? いや、ここで話すのも辛いだろう。おーい! ちょっとここ変わってくれ、ヒデと少し話す」
そう言うと、奥さんとカウンターを代わり、ベックさんの部屋へと向かう―――
【キュア】で体が光った事。
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全てを伝えると、ベックさんが残念な顔をした。
「お前な~。キュアって言うのは僧侶や賢者が使えるスキルで、それ以外が唱えると体が光るだけなんだぞ」
「えっ!?」
「回復するキュアは青く光り、それ以外は黄色く光るだけだ。お前は黄色く光っただろう?」
あの時の事を思い出すと確かに黄色く光った。
「はい。黄色だったと思います」
「まったく⋯⋯何も覚えてないとは聞いていたが。ま~何はともあれ生きてりゃいいさ。とりあえず今は治療に専念しろ」
「ありがとうございます」
そう、伝え自分の部家に戻りベッドに横になり眠る事にした。
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