俺TUEEE出来るって常識だよね?

チガーイ

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第二章

町ブラ

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 ボス討伐の為に万全をきして、午前中に挑み30分と経たずに倒してしまった為、今日という時間が有り余っている。
 でもふざけたことをするとユキに怒られるのが目に見えているし、たまには町をプラプラするのも悪くはない。

 この町に来てからのんびりと町を歩くこともなかったし、色々と見て回ろうと思う。今までの田舎町とは比べ物になら無い位にでかいし、道によっては馬車が走っていたりする。
 路面店では、果物屋や肉を売っている威勢の良い声も聞こえる。

 と、なると買い物袋で前が見えなくなった可愛い子が小石に躓き、袋からこぼれ落ちたリンゴを拾い『大丈夫?  前ちゃんと見た方がいいよ』なーんて優しさ振り撒いて、恋に発展なんてなもんだな。

 あー。やったなこれ。サクラビでも見た周りの目だ⋯⋯マスクして町歩こうかな。ニヤニヤしてても大丈夫だし。

 そんな思いをしていると肩をバンバンと叩かれた。
「あんた面白な」
 いてーよ⋯⋯

「あー、昔からの癖なんだよ」

「そーなんか。それは気つけねーとな」

「おっしゃるとおり」

 そうやって俺に話しかけてきたのは、ふくよかな男だった。年は30才手前くらいか。いかにも冒険者です。って格好はしてるが知らんやつだし、わざわざ敬語で話さなくてもいいだろう。

「で、何か用だった?」

「いや用ってことはないさ。周りから変な目で見られてたからどんやつかなと思って、声かけちまったんだよ」

「あー、好奇心か⋯⋯」

 人の事言えないが変わった人もいるんだな。

「そーいえば、あんた冒険者か?」

「あぁそうだが、それがどうかしたか?」

「いやなに、冒険者ってのは、この時間は塔にいるもんじゃないのかってな」

「それを言うならあなたもだろ?」

「だよなぁ~」

 やっぱり変わった人だな。

「紹介が遅れちまったな。俺はガンってんだ。よろしくな。こう見えても30階層にはいるんだ。あんたは?」

「俺はヒデだ。今日10階ボスを倒したばかりの駆け出しだよ」

「おぉ、駆け出しでもボスを倒したって言うならいっちょ前だな」

 笑いながら人の肩をバンバン叩くのやめねーかな、この人。

「将来有能な冒険者って事で、仲良くしてくれよ」

「有能ではないよ。知らない事ばかりだしな」

 そう伝えると、さっきまで笑っていたガンが真顔になる。笑ってたのが真顔になるの流行ってんのか?

「⋯⋯これから知ったら良いさ。にしてもあの塔は本当にたけーな。飛行機でもありゃ届くのかね?」

「ん?  なんだそれは?  アイテムか何かか?」

「あぁ、何でもない気にしねーでくれ」

 勿論、飛行機は知っている。この世界にはスロスカイと呼ばれるものしか無いことも。
 ただ、見ず知らずの人に伝えるべきではない。
 そもそもこの世界にない名前がなぜ出てくる?

「まぁ俺も塔に上ってるそのうち会うかもしれんさ」

「確かにな」

「そんときはよろしくな」

「こちらこそ」

 そう伝えるとギルドへと帰る事にした。これ以上プラプラしてたくなかったし、考えなければならないことも出てきた。

『この世界には、元の世界から来た人は俺以外にもいるんじゃないのか?』
 あそこで飛行機を知っていると答えたらどうなっていた?
 俺を元の世界の人間だと思って話しかけてきたのか?
 なぜ、元の世界から来た人間がいるとあいつは知っている?元の世界から来た人間をさがしてどうする?

 わからないことだらけだ。

 ふと頭に以前の記憶がよみがえる。

 ギアさんが一言だけ言った
「いいか、上位冒険者にも会うだろうが、|相手を観察して喋れよ」

 こういうことなのかギアさんよ。
 って事はあなたも元の世界から来た人間なのか。
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