25 / 55
第24話
しおりを挟む
ギルドの依頼を引き受けようとは思ったものの、俺達は引き受け方が分からなかったので、受付の男に聞くことにした。男だった。
「なあ、受付さん。依頼ってどうすれば引き受けられるんだ?」
「主に2つある。1つは、冒険者免許による申し込みだ。地域の依頼を調べて、そのまま引き受けることができる。んで、もう1つがギルドで直接引き受けるものだ。・・・てか、そんなことも知らないで、お前達は冒険者なのか?」
「冒険者だって。ほら。」
疑われるのも嫌だったので、俺は冒険者免許を見せた。
「本物だ。悪かったな、新米冒険者。」
「知らなくて悪かったな。でもよ、免許でどうにかできるんだったら、ギルドに掲示しなくていいんじゃねえか?」
「それがな、免許で募集されるやつってのは、大体引き受けるのに条件があったりするんだよ。それも相当キビシイ条件でな。だから、ほとんどの冒険者ってのは、ギルドで張り出されてるローカルなヤツから引き受けるもんなんだよ。」
やっぱりこの世界、見かけと違って結構うまく成り立ってるな。ギャップがすごすぎる。
「へえ、助かったわ。」
依頼の仕組みを知った俺達は、改めてギルドの依頼を探すことにした。
しばらく探していると、イーギが俺を呼んで、
「こんなものもいいんじゃねえカ?」
と一枚の紙を指さした。見てみると、
「ニトログリズリン 例年より獰猛につき、報酬増加」
と書いてあった。さらに先を読むと、
「主な生息地:ラベンチル峡谷周辺」
と記されていた。イラストも描かれていた。明らかにグリズリーだった。
「イーギ、場所分かるか?」
と聞いてみると、
「分からないわけがねえだロ。俺達、どうやってこの街に来たと思ってんだヨ?」
「え?ってことは、俺達が通った道がそれだってことか?」
「そーいうことダ!」
「おお・・・。」
「何だシイマ、びっくりした顔しやがっテ。」
「俺の抱くお前のイメージとの温度差がありすぎてな・・・。」
「・・・今度俺がお前にどう思われてるか、話し合いをする必要があるナ。」
そんな感じで、俺達はニトロなんとかを狩りに行くことにした。
峡谷に向かうと、既にほかの冒険者がチラホラと集団を作っていた。どの冒険者も、俺達と違って物騒な格好をしていて、それぞれ弓矢や大剣といった武器を持ち、役割が決まっているようだった。
俺はそのうちの一人に声をかけ、話をすることにした。
「よう。そんな重そうな鎧を着てて平気なのか?」
「それはこっちのセリフだ。お前ら、あの化け物相手に、丸腰で挑むつもりか?イカレてるぜ。」
言われてみれば、俺達は何一つ装備を持っていない。武器すらなかった。
「何言ってんだよ。この肉体が武器なんだよ。」
「そのわけ分からん自信はどっから来るんだよ・・・。」
「ところでさ、ニトロなんとかってのはどんなやつなんだ?」
「ニトログリズリンはな、普段はおとなしくしているが、何らかの理由で急に獰猛になって手が付けられなくなる熊なんだよ。ちょうど今の季節なら、冬眠のための準備にまつわる何かが暴走の原因になったりするな。」
「へー、ソーナンダ。」
「・・・ん?ひょっとしてお前、ニトログリズリについて何も知らないのか!?」
そういや、調べてなかったな、そのクマのこと。
「なんだその無知を差別するかのような言い方は。よくいるよな、知識量でマウントとりだす奴。知ってるからって偉いとは限らねえんだよ。」
「信じらんねえよ。モンスター討伐をここまでナメてる新人は初めて見たぜ。お前、どうなっても知らねえぞ。」
「望むところだ、ハゲ。」
「だ、誰がハゲじゃい!」
ハゲから情報を得た俺達はひとまず作戦を立てることにした。
「イーギ、とりあえず木の上から偵察するとかでいいんじゃね?」
「そうだナ。どれほどの大きさとかよく分からねえかラ、とりあえず声のする方に近づいていくカ。」
俺とイーギが方針を決定して、木の上に飛ぼうとした瞬間、
「「お、おったぁぁぁぁ!!」」
その木の枝の上に、毛むくじゃらのアイツがいた。
半身が枝葉で隠れて見えないが、大きさは俺くらいだ。ううん、どう仕留めようか・・・?
そう考えながら木の上に向かって構えを取り、少しの間膠着状態でいると、グリズリーが俺達に向かって、
「グルルルァァ!」
と吠え、ジャンプをして襲い掛かってきた。
そこで俺はチャンスと思い、そのクマの着地地点に先回りをした。そしてグリズリーの前足を避けながら、
「ソォラアァ!」
と叫びながら、グリズリーにボディーブローをかました。ボディーブローは見事に直撃したものの、それで意識を失ったグリズリーはその勢いのまま俺にのしかかった。
「おい、イーギ。こいつを持ち上げてくんねーか?」
とイーギに頼むと、
「お前、戦闘センスがありすぎダロ・・・。」
と言いながら、イーギが近寄ってきた。
その瞬間、グリズリーの体が光りだした。それと同時に、その体も温かく、いや、熱くなりだした。なんか嫌な予感がする。すると、
ドカァン!
という音とともに、グリズリーが爆発した。なるほど、ニトロって、そういう・・・。
と思考を巡らせながら爆発に巻き込まれた俺は、フツーに死んだ。
「なあ、受付さん。依頼ってどうすれば引き受けられるんだ?」
「主に2つある。1つは、冒険者免許による申し込みだ。地域の依頼を調べて、そのまま引き受けることができる。んで、もう1つがギルドで直接引き受けるものだ。・・・てか、そんなことも知らないで、お前達は冒険者なのか?」
「冒険者だって。ほら。」
疑われるのも嫌だったので、俺は冒険者免許を見せた。
「本物だ。悪かったな、新米冒険者。」
「知らなくて悪かったな。でもよ、免許でどうにかできるんだったら、ギルドに掲示しなくていいんじゃねえか?」
「それがな、免許で募集されるやつってのは、大体引き受けるのに条件があったりするんだよ。それも相当キビシイ条件でな。だから、ほとんどの冒険者ってのは、ギルドで張り出されてるローカルなヤツから引き受けるもんなんだよ。」
やっぱりこの世界、見かけと違って結構うまく成り立ってるな。ギャップがすごすぎる。
「へえ、助かったわ。」
依頼の仕組みを知った俺達は、改めてギルドの依頼を探すことにした。
しばらく探していると、イーギが俺を呼んで、
「こんなものもいいんじゃねえカ?」
と一枚の紙を指さした。見てみると、
「ニトログリズリン 例年より獰猛につき、報酬増加」
と書いてあった。さらに先を読むと、
「主な生息地:ラベンチル峡谷周辺」
と記されていた。イラストも描かれていた。明らかにグリズリーだった。
「イーギ、場所分かるか?」
と聞いてみると、
「分からないわけがねえだロ。俺達、どうやってこの街に来たと思ってんだヨ?」
「え?ってことは、俺達が通った道がそれだってことか?」
「そーいうことダ!」
「おお・・・。」
「何だシイマ、びっくりした顔しやがっテ。」
「俺の抱くお前のイメージとの温度差がありすぎてな・・・。」
「・・・今度俺がお前にどう思われてるか、話し合いをする必要があるナ。」
そんな感じで、俺達はニトロなんとかを狩りに行くことにした。
峡谷に向かうと、既にほかの冒険者がチラホラと集団を作っていた。どの冒険者も、俺達と違って物騒な格好をしていて、それぞれ弓矢や大剣といった武器を持ち、役割が決まっているようだった。
俺はそのうちの一人に声をかけ、話をすることにした。
「よう。そんな重そうな鎧を着てて平気なのか?」
「それはこっちのセリフだ。お前ら、あの化け物相手に、丸腰で挑むつもりか?イカレてるぜ。」
言われてみれば、俺達は何一つ装備を持っていない。武器すらなかった。
「何言ってんだよ。この肉体が武器なんだよ。」
「そのわけ分からん自信はどっから来るんだよ・・・。」
「ところでさ、ニトロなんとかってのはどんなやつなんだ?」
「ニトログリズリンはな、普段はおとなしくしているが、何らかの理由で急に獰猛になって手が付けられなくなる熊なんだよ。ちょうど今の季節なら、冬眠のための準備にまつわる何かが暴走の原因になったりするな。」
「へー、ソーナンダ。」
「・・・ん?ひょっとしてお前、ニトログリズリについて何も知らないのか!?」
そういや、調べてなかったな、そのクマのこと。
「なんだその無知を差別するかのような言い方は。よくいるよな、知識量でマウントとりだす奴。知ってるからって偉いとは限らねえんだよ。」
「信じらんねえよ。モンスター討伐をここまでナメてる新人は初めて見たぜ。お前、どうなっても知らねえぞ。」
「望むところだ、ハゲ。」
「だ、誰がハゲじゃい!」
ハゲから情報を得た俺達はひとまず作戦を立てることにした。
「イーギ、とりあえず木の上から偵察するとかでいいんじゃね?」
「そうだナ。どれほどの大きさとかよく分からねえかラ、とりあえず声のする方に近づいていくカ。」
俺とイーギが方針を決定して、木の上に飛ぼうとした瞬間、
「「お、おったぁぁぁぁ!!」」
その木の枝の上に、毛むくじゃらのアイツがいた。
半身が枝葉で隠れて見えないが、大きさは俺くらいだ。ううん、どう仕留めようか・・・?
そう考えながら木の上に向かって構えを取り、少しの間膠着状態でいると、グリズリーが俺達に向かって、
「グルルルァァ!」
と吠え、ジャンプをして襲い掛かってきた。
そこで俺はチャンスと思い、そのクマの着地地点に先回りをした。そしてグリズリーの前足を避けながら、
「ソォラアァ!」
と叫びながら、グリズリーにボディーブローをかました。ボディーブローは見事に直撃したものの、それで意識を失ったグリズリーはその勢いのまま俺にのしかかった。
「おい、イーギ。こいつを持ち上げてくんねーか?」
とイーギに頼むと、
「お前、戦闘センスがありすぎダロ・・・。」
と言いながら、イーギが近寄ってきた。
その瞬間、グリズリーの体が光りだした。それと同時に、その体も温かく、いや、熱くなりだした。なんか嫌な予感がする。すると、
ドカァン!
という音とともに、グリズリーが爆発した。なるほど、ニトロって、そういう・・・。
と思考を巡らせながら爆発に巻き込まれた俺は、フツーに死んだ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる