悪魔とダラダラ異世界道中

灯籠

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第23話

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 「ん・・・。」

 目が覚めた。頭痛は治っていた。気持ち悪くもない。

 改めて周囲を見回してみた。木造の部屋で、大きな鏡が一つあった。木でできた開閉式の小窓が後ろにあった。イーギは床で寝ていた。寝言で、

 「もうみんな殺したヨ・・・むにゃむにゃ。」

 と言っていた。物騒すぎる。

 俺はそんなイーギを起こさないように静かに移動して、小窓を少し開け、頭を出した。朝だった。

 俺はイーギを叩き起こし、部屋を出て、近くで食事をとった。

 「イーギ。確か俺達って借金があったよな?ぼちぼち返済していかねーか?」

 「そういってお前、ただギャンブルがしたいだけだろ、ナァ?」

 「そういうお前こそ、顔がニヤついてるぜ。」

 意見が一致した俺達は、カジノに向かうことにした。

 カジノに向かう途中、俺はイーギに提案をした。

 「そういやお前、テレパシーと変身以外にできることってあんのか?」

 「あるにはあるがナ。・・・冒険屋、おぬしも悪よのウ。」

 「いえいえ、お悪魔様ほどでは・・・。」

 そんな小芝居をしつつ、俺達は億万長者を確信していた。



 「え?ギャンブルができない?」

 「そうです。こちらに来られるお客様の中には、特殊な能力を持つ方々がたくさんいらっしゃいます。それでは通常の賭けが成立しません。そのため、こちらで行わせていただくのは、主にこちらが用意させていただく勝負の勝敗予想や、数字合わせとなっています。」

 カジノに着いた俺達は、受付の人にそう言われた。考えてみたら当たり前だよな。魔法とかいう訳の分からんものが常識な時点で、対策するわな。 

 「でも、そんなことだけでこんな街が維持できるのか?」

 「ご心配には及びません。ここシノアには毎日たくさんの方々が来られます。その方々のおかげで、この街が成り立っているのです。」

 いわゆるセレブってやつだな。クソ、俺もなってみてえな。

 俺達は予定が狂ったので、一旦カジノを出た。 

 「おい、どうするよ、イーギ。」

 「しくじったナ。まさかこの下界の人間がこんなに賢いとはナァ・・・。」

 それはみくびりすぎだろ。

 「ホントにどうするよ?何かあてはないのか?」

 「できれば強盗とかイリーガルなことはしたくねえからナ。・・・待てヨ。確か、さっきの受付のヤツ、勝負の勝敗予想がギャンブルの対象だとか言ってたナ。」

 「ああ、確かにそう言ってたな。」

 「じゃあさ、俺かお前がそれに出て、もう一方が出る方に賭ければよくネ?」

 「いいこと言うじゃねえか、イーギ。それで行こう。」

 俺達はそのプランを採用して、もう一度そのカジノに向かった。



 「現在募集が行われているシングルマッチのイベントとしましては、初心者向け、そして変則フィールドのトーナメントがあります。」

 そう言いながら受付は二枚の紙を俺達に見せた。それぞれ、入場資格や参加費、そして賞金などの説明が書いてあった。

 今の手持ちの金と、そもそも賞金ではなく賭けによる配当金で稼ぐことを考えて、初心者向けの方を選ぶことにした。てか、変則の方の参加費が足りなかった。

 「じゃあ、初心者の方に出ようかな。」

 「では、二人のどちらが参加をされるのですか?それとも、お二人とも出られますか?」

 そう聞かれたので、俺はイーギより一歩前に出て、

 「俺が出る。」

 と言い、エントリーシートに記入をし、参加費を払った。昨日のイーギを見て、少し闘志がみなぎっていた。

 「登録が終わりました。開始は8日後となりますので、お忘れのないように。」

 そう言われて、俺達はカジノを去った。



 俺達は金の無駄遣いを避けるため、宿には泊まらないことにした。しかし・・・。

 「おい、イーギ。暇でしょうがないな。何か金になることってねえのか?」

 「そうだナ。そんジャ、ギルドにでも行ってみるカ。最初はお前に詳しい説明をしていなかったガ、ギルドの役割の一つとして、その地域の依頼を掲示板に張り出すことがあるんだヨ。しかもその依頼ってのを解決すると、報酬が依頼主からもらえるんだゼ。」

 おっ、なんか俺達のイメージ通りのギルドっぽいな。ちょっとあこがれてたんだよな、そーゆうの。

 「面白そうだな。行ってみようぜ。」

 イーギの意見に賛成した俺は、この街のギルドに向かうことにした。



 近くにいた人に場所を聞きながら、ようやくギルドに着いた。

 イングべ村のときと比べると、外見の大きさはこちらの方が一回り大きいくらいなのだが、これが依頼関連のみしか扱わないギルドであったので、街とギルドの規模は比例するものなのだと感じた。

 ギルドに入ってみると、1階はイングべ村の時と同じように食事処になっていたが、繁盛の具合が全く違う。重たそうな鎧を着て静かに話し合う集団もいれば、足を机に乗せてふてぶてしい態度をとっている人もいる。

 とにかく、これぞ冒険者、って人々であふれかえっていた。自分以外の冒険者が集っていたことがいい刺激だった。

 俺とイーギは、ここで依頼を探すことにした。
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