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第九話 先輩後輩ごった煮戦線
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しおりを挟む「ぅっ……は……この腐れサド……今更、指なんかじゃイけねぇっつのに……ふ……ぅっ……」
『あぁ……ん、ま……大丈夫。先輩のケツは感度良好なんで、リードしてあげればイけますよ。奥は届かなくても、前立腺バカほど扱けば勝手によがる』
「バカほどバカかよコラ、っ、ン、ンっ……はっ……バカが……ンっ……」
狭く閉じたがる直腸内を中指と薬指、二本の指で拡げて、引っ掻いて、根元で円を描き、呼吸を調整して緩めた。
ふと、尽きない文句で責める俺と違い酷く楽観的な三初が、通話の向こう側でふぅ、と色を混ぜた息を吐く。
『……やっらしい声出してんなー……』
それはほんの小さな独り言だったが、電子音だからこそ拡声されて、俺の耳には届いてしまったらしい。
なんだよ。余裕ぶってても、テメェだって欲情してるじゃねぇか。
俺に好き放題な指示を出した本人がその有り様に煽られるとは、ざまぁない。
(……ってことはこれ、チャンスじゃねぇの?)
キュピン、と閃く。
イコールの察しがついた俺に、僅かばかりむくむくと反抗心が芽生えた。三初の余裕をかき乱す、ご機嫌な作戦だ。
俺はさっそく後ろを弄る指を三本に増やして激しめに抜き差しし、先走りでドロドロに汚れた自身を握る手は自分の弱点を意識して、本格的に動かした。
「ぁ、あっ……ぁん……ぁ…ああ……」
『──……ん?』
羞恥と不慣れで控えめだった行為が、狙って強く性感帯を嬲るようになると、当たり前だがガッツリ気持ちいい。
気持ちいいと声も出る。半分くらいは出したほうが気持ちよく浸れるからとつい喘ぐものだが、もう半分は癖になって反射的にあがるものだ。
それを我慢せず、わざわざ晒した。
手のひらと竿が摩擦するたび、クチュッ…クチュッ…クチュッ…、と小刻みな水音が鳴る。
それも全部わざわざ大袈裟に出す。
それから首を横に向けて通話口によく受け止められるよう考えてわざと喘ぎ、はッ、はッ、と興奮した呼吸まで余すことなく聞かせる。まぁつまり、そういうことだ。
三初が俺の声をエロいと思っているなら、当てつけのように煽り散らかしてやればいいんじゃねーか? ってこと。
そしてこれを機に、調教されたおかげでいつでもウェルカム状態にさせられていたチョロい俺のケツがどれだけありがたいかってのを、下半身でヒシヒシと理解しろ。この慢性的いじめっ子め。
ふん、いい仕返しだろ?
俺ばっか物足りねぇで乱されンのは、フェアじゃねぇ。
もちろんこれがバカげた作戦だということを理解できるほど、今の俺のオツムは冴えていない。
冴えていたならそもそもこんな仕返しは思いつかなかっただろう。
これが三初曰く、ミラクルアホ回路とやらが搭載された俺の閃きだ。
「はあっ……三初、イイぜ……お前抜きでも、全然……っン、ンっ……ぉ……」
自分でうつ伏せになって尻を浮かせてシーツに縋り、ぐちゅぐちゅと穴の中をクリームまみれにしながら掻き混ぜる。
引っ掛けた指を伸ばして前立腺をどうにか掠めていると、白の混じった粘液がトロォ……とシーツに垂れた。
声を上げるほど感じる、なんて、アイツの手管を思い出せば問題ない。
俺を抱く男のカラダ。
仕草、指使い、慣れた快感。
頭の中の記憶を反芻して、今俺を追い詰めているのは三初の指だと自分に言い聞かせながら、目を閉じて、後ろと前を同時に弄って絶頂を求める。
欲情した声でも我慢しない。口をついて出たものはそのまま聞かせる。
平時ならどんな淫乱野郎だよ! とキレ散らかす所業だが、これが仕返しになるのなら今回限りで別だ。
こっちだけ飢えてたまるか。テメェもさっさと欲しがれ、俺を。
『へぇ……』
「あっ、ぁ、く……あっ、あ、あ」
『なるほど。俺の指、先輩の中に何本入ってるか言ってみ』
「んっ……さ、三本、っ……中、ぐちゃぐちゃ、て、してん、だよ……ん、ぉっ……んぁっ……」
ニヤリと勝気に口角を上げて、頭が快感で溶け始めたまま答える。
もっと言葉で追い詰めてくるだろうという予想に反して、三初は俺の声と音を聞いて笑うだけだ。
仕返しの効果は絶大らしい。
いじめる余裕がねぇってか?
『ぷっ、あーあ、困ったなぁ……俺今先輩がホテルのベッドで俺の声オカズにケツ弄ってトロットロに感じてんの想像して、スゲームラムラしちゃってますもん。どうしよ、手ぇ止まんないわ』
「はぁ……っん、……くくっ……なぁに興奮してんですか、後輩」
色っぽい艶やかな猫撫で声で俺で感じたことを明かした三初に、俺は気分よく最初に言われた言葉をそっくり言い返してやった。
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