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第九話 先輩後輩ごった煮戦線
15※
『でもそのうちそこだけじゃ足りなくなって、根元から全部扱くわけだ』
「言うなよ、っはぁ……ぅ、……っ」
『自分で言わないからでしょ? くくく、キスしたくなったら、画面でもしゃぶっててください』
俺が必ずキスを欲しがると決めつけた言葉でからかわれて、ギュッ、と眉間に皺を寄せる。
根元から先端を絞るように擦り上げて裏筋をなぞると、腰が痺れて単純な快感が走り、思わずトーンの高い声を小さく漏らしてしまう。
『ほら、服の下で乳首勃起してるじゃないですか。触んなくていいんですかね』
そんな声を聞かれた上でそう言われると、カァァ……ッ、と足の先まで朱が侵食して、返す言葉に困った。
どれも図星だからだ。たかが機械越しの音声に操られて、暇な片手をティーシャツの下に潜り込ませて小粒な突起を摘まむと、普段は存在すら意識しない胸の付属品は、固く芯を持っていた。
「ぅ……、っつ、ぅ……」
『ん……自分で弄るのにも慣れましたねぇ。上手ですよ、先輩』
「そん、っ……慣れてなんか、ねぇ、わ」
『わかりきった嘘吐いちゃって……乳首の先っぽ爪で小刻みに速く掠めんの大好きでしょ? 前扱きながら、股間バキバキにして感じてるくせに』
──こいつ、っほんとに見えてねぇのかよ……!?
こうもことごとく自分の状態を当てられると、腹立たしいやら恥ずかしいやらを通り越して最早恐怖である。
焦ってキョロキョロと監視カメラ的なものを探すが、当然ながらそれらしいものも三初の姿も見つからず。
いや油断すンな。三初なら潜みかねねぇぞ。コイツァ俺の弱みを握るためだけに車飛ばして潜める男よ。
セルフ乳首弄りをオカズにガチ勃起して彼氏の声に興奮しながらシコる醜態なんて、悪辣暴君に見られたら悶死モノだ。別の意味でも確実に死ぬ。
『ふ。見てないから早く、続き』
「ゔ……おま、これッ……イッたら終いだかンな……」
『そう? じゃ、次は後ろ弄ってください』
「なんッ……!?」
途端、こうなったらさっさと終わらせようと射精に向けて滾っていた陰茎が、ビクッ……と手の中で力んだ。
ふざけんなコノヤロウ。
他人事だと思って平常運転しやがって、そこ触ったら本格的に物足りなくなるンだわこっちはよォ……!
「っ弄ってもお前いねぇだろっ!」
『いませんよ? でもあんた気持ちいいの中でしょうが』
「~~~っク、ソ……っ」
画面に向かって吠えてみても、ぐうの音も出ない痛いところを突かれる。
俺はしわくちゃの赤い顔で奥歯を噛み締めて、せめてと悪態を吐いた。
そりゃあこのまま前だけでイッたとしても物足りないことは変わらない。
中が疼くこともわかっている。
わかっていても一人じゃ満足できないからこれ以上意識したくなくて避けていたのに、どうしてそれをわからせようとしやがるのか。
おもしろがって煽っているのがまるわかりだ。性格悪ジメが。
俺は渋々起き上がり、カバンの中から保湿用のジェルクリームを取り出した。
ローションもゴムもないのでこれが代用品だ。流石に唾だけじゃ難しい。
クリームをたっぷりつけた指をそろそろと尻の割れ目に伸ばして、固く閉じたアナルにクリームごと突っ込み、ヌチャヌチャと窄まりの皺まで塗りこめる。
「クソが……こんな、出張先で、っ……なんで俺だけ……ゔゔ……っ」
『唸らない唸らない。自分の指、俺の指だと思って、ね。ちゃんとユルユルに解してください。覚えてるでしょ』
「知るか……っン、く……」
『ほら、もっと激しく、エロい音出して。俺の指で、俺のやり方で、ケツの中ほじくるの気持ちいいですよ』
「ぅっ……るせぇ、死ね……っ」
ベッドの上で前のめりに体を丸めて、俺は言われるがままに指を動かした。
ヌメった穴の肉と指の繋ぎ目から、チュ……チュク……チュプ……とクリームと腸液の混ざり合う水音が聞こえる。
自分じゃ見えなくてもだいたいどうなっているかわかる。相当死にたい。一人で拡げたことはあっても、後ろでひとり遊びをした経験なんてないのだ。
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