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第1話 ☆はじまりの冒険者試験☆
☆第2トラップ・鏡の部屋
扉の先には通路があり、その奥にはまたしても扉があった。
「開けるよ」
エルムが女の子たちに確認をとり、扉を開ける。
「わぁ!」
真っ先に中を覗いたルナが声をあげる。
「まぁ! すごい部屋です」
それに続いてフローラも感嘆な声をあげた。
なんだ、と思ってエルムとリリアンもいっしょになって中を覗くと、きらきらとしたまぶしい光を感じた。
それは天井から灯された魔力の白い光が床で反射していたまぶしさだった。
「これって……鏡?」
「そのようだな」
警戒しながらリリアンが入っていく。
床にタイルのように並べられた鏡にリリアンの姿が上下逆さまにうつっているのが見えた。
「すごいすごい、こんな綺麗な鏡見たのはじめて!」
「私もです。わぁ~」
鏡という物は高価であり、おいそれと手に入るものではない。貴族が持っている姿見だけでも平民がしばらく暮らしていける値段だ、なんて話があるくらいだ。
「わぁ」
エルムも自分の顔をここまではっきりと見るのは初めてで、部屋の中に入るとしゃがみ込んで自分の顔を見た。
「……うぅ」
水面などに映った自分の顔は多少なりとも見たことがあるものの、ここまでハッキリと自分の顔を見たことはない。
エルムは改めて、自分の顔がそれなりに可愛らしい男の子だと認識する。
「どうりで村でバカにされるわけだ」
冒険者になるために、ひたすら剣の修練を続けてきた村での生活だったが。
周囲の男たちは、エルムには無理だ、と笑うばかり。
それもそのはずだ、とエルムは自分の顔を見て思う。
もしも自分が別の人間だったとして、冒険者に憧れるエルムを見たら……きっと同じことを言っていたに違いない。
君みたいに可愛い男の子に冒険者なんか無理だよ。
そう言ってしまうに違いない。
「はぁ」
しかし、冒険者とは容姿で決まるものではない。と、自分に言い聞かせて立ち上がった。
「あたしってこんな顔なんだね~。ふふ」
「私もこのような顔だったとは、少しイメージが違っておりました」
ルナとフローラもしゃがみ込んで自分の顔を見ている。
それに近づいたところでエルムはギョッとした。
ふたりのスカートの中が鏡に反射して、下着が見えてしまっている。フローラはゆったりとした神官服の中に白いぱんつをはいており、おへそまで見えそうな勢いだった。
ルナもスカートの下のぱんつが見えており、こちらは少しくたびれた雰囲気がある。そういう赤裸々な感じが丸見えになってしまって、エルムは思わず天井へ視線をそらした。
「おーい、みんな。次の扉を開く説明があるぞ」
エルムは下を見ないようにしながらリリアンのいる所まで移動した。そこには扉があり、鍵が締まっているようだ。
「え~っと、『虚を見抜け』……だけ?」
エルムは首を傾げる。
「キョってなに?」
「幻とかニセモノっていう意味でしょうか」
扉にはそれ以外のことは書いていない。
「ふむ。恐らく床の鏡のことだろうな」
リリアンは鏡を見ながら歩き始める。
「どういうこと?」
エルムとフローラ、そしてルナはいっしょに首を傾げた。なんとも可愛らしい三人組の様子にリリアンはくすくすと笑う。
「鏡というものは真実を映しているだろ? 虚というものはその正反対だ。つまり、この鏡のタイルの中にニセモノの鏡があるはず。それを探せばいい」
なるほど、とエルムは納得して下を向いて探し始める。
しかし、フローラとルナのぱんつが反射で見えてしまって、思わず上を見上げてしまった。
「ちょっとエルム! ちゃんと探して」
ルナにはそれがサボりに見えたのか、エルムに対してぷんぷんと怒った。
「で、でも」
「仲間でしょ。いっしょに冒険者になるんだからね」
ルナがエルムの手を掴む。
いっしょに探そう、ということなのだろうけど、下を向くたびにルナのぱんつを見ることになってしまって、エルムはまったく集中できなかった。
「う~ん、ありませんね。リリアンさん、見つかりました?」
「見つからん」
「フローラ、交代! エルムがサボらないように捕まえてて」
「はい、分かりましたわ」
今度はフローラがエルムの隣に移動する。腕を組むような格好となり、やはりフローラのぱんつが見えてしまった。それどころか、角度と動きによっては胸まで見えてしまいそうで、ますますエルムは天井を向きたくなる。
「ダメですよ、エルムくん。ちゃんとやらないと」
「で、でも」
「ふふ。気にしませんのに」
どうやらフローラはエルムが上を向いている理由が分かっているらしい。気にしないでいいとはどういうことか、とエルムが考えていると――
「あったぞ!」
リリアンの声が鏡の部屋に響いた。
「これだ」
リリアンの前にある鏡の前に集合する。
エルムが右手を鏡の前に差し出すと……鏡の中のエルムは『右手』を差し出した。本来は左右が入れ替わるはずなのに、鏡はちゃんと左右をあべこべにせず、正しい向きの現実を映している。
「正しいのに虚……」
なんだか意味深な感じがする鏡の謎解きだ。
「ちゃんと世界を見ろ、ということを教えているのかもしれんぞ。ルナは苦手そうだからな」
「えー、あたしちゃんと世界を見てるもん!」
「美味しい物をくれると言われるとフラフラと付いていきそうだからな、ルナは。悪人と善人の区別は付けてくれよ」
はーい、と言いながらルナはそっぽを向いた。
三人はせーので虚の鏡に乗ると、ガコン、と音がして扉が開く。
「よし、次に進もう!」
元気なルナに苦笑しつつ、みんなは次の部屋へ進んだ。
通路の先に再び扉があり、その中は今までの部屋より少し狭い感じだった。真ん中には紋様が刻まれたタイルがある。他に何もないので、どうやらこのタイルを踏むしかなさそうだ。
「じゃ、踏むね」
エルムがタイルを踏む。
すると、天井がガコンと開き――上から透明の粘液が四人に降り注ぐのだった。
「開けるよ」
エルムが女の子たちに確認をとり、扉を開ける。
「わぁ!」
真っ先に中を覗いたルナが声をあげる。
「まぁ! すごい部屋です」
それに続いてフローラも感嘆な声をあげた。
なんだ、と思ってエルムとリリアンもいっしょになって中を覗くと、きらきらとしたまぶしい光を感じた。
それは天井から灯された魔力の白い光が床で反射していたまぶしさだった。
「これって……鏡?」
「そのようだな」
警戒しながらリリアンが入っていく。
床にタイルのように並べられた鏡にリリアンの姿が上下逆さまにうつっているのが見えた。
「すごいすごい、こんな綺麗な鏡見たのはじめて!」
「私もです。わぁ~」
鏡という物は高価であり、おいそれと手に入るものではない。貴族が持っている姿見だけでも平民がしばらく暮らしていける値段だ、なんて話があるくらいだ。
「わぁ」
エルムも自分の顔をここまではっきりと見るのは初めてで、部屋の中に入るとしゃがみ込んで自分の顔を見た。
「……うぅ」
水面などに映った自分の顔は多少なりとも見たことがあるものの、ここまでハッキリと自分の顔を見たことはない。
エルムは改めて、自分の顔がそれなりに可愛らしい男の子だと認識する。
「どうりで村でバカにされるわけだ」
冒険者になるために、ひたすら剣の修練を続けてきた村での生活だったが。
周囲の男たちは、エルムには無理だ、と笑うばかり。
それもそのはずだ、とエルムは自分の顔を見て思う。
もしも自分が別の人間だったとして、冒険者に憧れるエルムを見たら……きっと同じことを言っていたに違いない。
君みたいに可愛い男の子に冒険者なんか無理だよ。
そう言ってしまうに違いない。
「はぁ」
しかし、冒険者とは容姿で決まるものではない。と、自分に言い聞かせて立ち上がった。
「あたしってこんな顔なんだね~。ふふ」
「私もこのような顔だったとは、少しイメージが違っておりました」
ルナとフローラもしゃがみ込んで自分の顔を見ている。
それに近づいたところでエルムはギョッとした。
ふたりのスカートの中が鏡に反射して、下着が見えてしまっている。フローラはゆったりとした神官服の中に白いぱんつをはいており、おへそまで見えそうな勢いだった。
ルナもスカートの下のぱんつが見えており、こちらは少しくたびれた雰囲気がある。そういう赤裸々な感じが丸見えになってしまって、エルムは思わず天井へ視線をそらした。
「おーい、みんな。次の扉を開く説明があるぞ」
エルムは下を見ないようにしながらリリアンのいる所まで移動した。そこには扉があり、鍵が締まっているようだ。
「え~っと、『虚を見抜け』……だけ?」
エルムは首を傾げる。
「キョってなに?」
「幻とかニセモノっていう意味でしょうか」
扉にはそれ以外のことは書いていない。
「ふむ。恐らく床の鏡のことだろうな」
リリアンは鏡を見ながら歩き始める。
「どういうこと?」
エルムとフローラ、そしてルナはいっしょに首を傾げた。なんとも可愛らしい三人組の様子にリリアンはくすくすと笑う。
「鏡というものは真実を映しているだろ? 虚というものはその正反対だ。つまり、この鏡のタイルの中にニセモノの鏡があるはず。それを探せばいい」
なるほど、とエルムは納得して下を向いて探し始める。
しかし、フローラとルナのぱんつが反射で見えてしまって、思わず上を見上げてしまった。
「ちょっとエルム! ちゃんと探して」
ルナにはそれがサボりに見えたのか、エルムに対してぷんぷんと怒った。
「で、でも」
「仲間でしょ。いっしょに冒険者になるんだからね」
ルナがエルムの手を掴む。
いっしょに探そう、ということなのだろうけど、下を向くたびにルナのぱんつを見ることになってしまって、エルムはまったく集中できなかった。
「う~ん、ありませんね。リリアンさん、見つかりました?」
「見つからん」
「フローラ、交代! エルムがサボらないように捕まえてて」
「はい、分かりましたわ」
今度はフローラがエルムの隣に移動する。腕を組むような格好となり、やはりフローラのぱんつが見えてしまった。それどころか、角度と動きによっては胸まで見えてしまいそうで、ますますエルムは天井を向きたくなる。
「ダメですよ、エルムくん。ちゃんとやらないと」
「で、でも」
「ふふ。気にしませんのに」
どうやらフローラはエルムが上を向いている理由が分かっているらしい。気にしないでいいとはどういうことか、とエルムが考えていると――
「あったぞ!」
リリアンの声が鏡の部屋に響いた。
「これだ」
リリアンの前にある鏡の前に集合する。
エルムが右手を鏡の前に差し出すと……鏡の中のエルムは『右手』を差し出した。本来は左右が入れ替わるはずなのに、鏡はちゃんと左右をあべこべにせず、正しい向きの現実を映している。
「正しいのに虚……」
なんだか意味深な感じがする鏡の謎解きだ。
「ちゃんと世界を見ろ、ということを教えているのかもしれんぞ。ルナは苦手そうだからな」
「えー、あたしちゃんと世界を見てるもん!」
「美味しい物をくれると言われるとフラフラと付いていきそうだからな、ルナは。悪人と善人の区別は付けてくれよ」
はーい、と言いながらルナはそっぽを向いた。
三人はせーので虚の鏡に乗ると、ガコン、と音がして扉が開く。
「よし、次に進もう!」
元気なルナに苦笑しつつ、みんなは次の部屋へ進んだ。
通路の先に再び扉があり、その中は今までの部屋より少し狭い感じだった。真ん中には紋様が刻まれたタイルがある。他に何もないので、どうやらこのタイルを踏むしかなさそうだ。
「じゃ、踏むね」
エルムがタイルを踏む。
すると、天井がガコンと開き――上から透明の粘液が四人に降り注ぐのだった。
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