剣士エルムくんと3人の女の子たちの冒険者生活(H)

風喜舞

文字の大きさ
4 / 46
第1話 ☆はじまりの冒険者試験☆

☆第2トラップ・鏡の部屋

 扉の先には通路があり、その奥にはまたしても扉があった。

「開けるよ」

 エルムが女の子たちに確認をとり、扉を開ける。

「わぁ!」

 真っ先に中を覗いたルナが声をあげる。

「まぁ! すごい部屋です」

 それに続いてフローラも感嘆な声をあげた。
 なんだ、と思ってエルムとリリアンもいっしょになって中を覗くと、きらきらとしたまぶしい光を感じた。
 それは天井から灯された魔力の白い光が床で反射していたまぶしさだった。

「これって……鏡?」
「そのようだな」

 警戒しながらリリアンが入っていく。
 床にタイルのように並べられた鏡にリリアンの姿が上下逆さまにうつっているのが見えた。

「すごいすごい、こんな綺麗な鏡見たのはじめて!」
「私もです。わぁ~」

 鏡という物は高価であり、おいそれと手に入るものではない。貴族が持っている姿見だけでも平民がしばらく暮らしていける値段だ、なんて話があるくらいだ。

「わぁ」

 エルムも自分の顔をここまではっきりと見るのは初めてで、部屋の中に入るとしゃがみ込んで自分の顔を見た。

「……うぅ」

 水面などに映った自分の顔は多少なりとも見たことがあるものの、ここまでハッキリと自分の顔を見たことはない。
 エルムは改めて、自分の顔がそれなりに可愛らしい男の子だと認識する。

「どうりで村でバカにされるわけだ」

 冒険者になるために、ひたすら剣の修練を続けてきた村での生活だったが。
 周囲の男たちは、エルムには無理だ、と笑うばかり。
 それもそのはずだ、とエルムは自分の顔を見て思う。
 もしも自分が別の人間だったとして、冒険者に憧れるエルムを見たら……きっと同じことを言っていたに違いない。
 君みたいに可愛い男の子に冒険者なんか無理だよ。
 そう言ってしまうに違いない。

「はぁ」

 しかし、冒険者とは容姿で決まるものではない。と、自分に言い聞かせて立ち上がった。

「あたしってこんな顔なんだね~。ふふ」
「私もこのような顔だったとは、少しイメージが違っておりました」

 ルナとフローラもしゃがみ込んで自分の顔を見ている。
 それに近づいたところでエルムはギョッとした。
 ふたりのスカートの中が鏡に反射して、下着が見えてしまっている。フローラはゆったりとした神官服の中に白いぱんつをはいており、おへそまで見えそうな勢いだった。
 ルナもスカートの下のぱんつが見えており、こちらは少しくたびれた雰囲気がある。そういう赤裸々な感じが丸見えになってしまって、エルムは思わず天井へ視線をそらした。

「おーい、みんな。次の扉を開く説明があるぞ」

 エルムは下を見ないようにしながらリリアンのいる所まで移動した。そこには扉があり、鍵が締まっているようだ。

「え~っと、『虚を見抜け』……だけ?」

 エルムは首を傾げる。

「キョってなに?」
「幻とかニセモノっていう意味でしょうか」

 扉にはそれ以外のことは書いていない。

「ふむ。恐らく床の鏡のことだろうな」

 リリアンは鏡を見ながら歩き始める。

「どういうこと?」

 エルムとフローラ、そしてルナはいっしょに首を傾げた。なんとも可愛らしい三人組の様子にリリアンはくすくすと笑う。

「鏡というものは真実を映しているだろ? 虚というものはその正反対だ。つまり、この鏡のタイルの中にニセモノの鏡があるはず。それを探せばいい」

 なるほど、とエルムは納得して下を向いて探し始める。
 しかし、フローラとルナのぱんつが反射で見えてしまって、思わず上を見上げてしまった。

「ちょっとエルム! ちゃんと探して」

 ルナにはそれがサボりに見えたのか、エルムに対してぷんぷんと怒った。

「で、でも」
「仲間でしょ。いっしょに冒険者になるんだからね」

 ルナがエルムの手を掴む。
 いっしょに探そう、ということなのだろうけど、下を向くたびにルナのぱんつを見ることになってしまって、エルムはまったく集中できなかった。

「う~ん、ありませんね。リリアンさん、見つかりました?」
「見つからん」
「フローラ、交代! エルムがサボらないように捕まえてて」
「はい、分かりましたわ」

 今度はフローラがエルムの隣に移動する。腕を組むような格好となり、やはりフローラのぱんつが見えてしまった。それどころか、角度と動きによっては胸まで見えてしまいそうで、ますますエルムは天井を向きたくなる。

「ダメですよ、エルムくん。ちゃんとやらないと」
「で、でも」
「ふふ。気にしませんのに」

 どうやらフローラはエルムが上を向いている理由が分かっているらしい。気にしないでいいとはどういうことか、とエルムが考えていると――

「あったぞ!」

 リリアンの声が鏡の部屋に響いた。

「これだ」

 リリアンの前にある鏡の前に集合する。
 エルムが右手を鏡の前に差し出すと……鏡の中のエルムは『右手』を差し出した。本来は左右が入れ替わるはずなのに、鏡はちゃんと左右をあべこべにせず、正しい向きの現実を映している。

「正しいのに虚……」

 なんだか意味深な感じがする鏡の謎解きだ。

「ちゃんと世界を見ろ、ということを教えているのかもしれんぞ。ルナは苦手そうだからな」
「えー、あたしちゃんと世界を見てるもん!」
「美味しい物をくれると言われるとフラフラと付いていきそうだからな、ルナは。悪人と善人の区別は付けてくれよ」

 はーい、と言いながらルナはそっぽを向いた。
 三人はせーので虚の鏡に乗ると、ガコン、と音がして扉が開く。

「よし、次に進もう!」

 元気なルナに苦笑しつつ、みんなは次の部屋へ進んだ。
 通路の先に再び扉があり、その中は今までの部屋より少し狭い感じだった。真ん中には紋様が刻まれたタイルがある。他に何もないので、どうやらこのタイルを踏むしかなさそうだ。

「じゃ、踏むね」

 エルムがタイルを踏む。
 すると、天井がガコンと開き――上から透明の粘液が四人に降り注ぐのだった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…

アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。 そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。