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第2章 -少女期 復讐の決意-
64.プレデビュタント -1-
騒めいている会場にリリーナはエディにエスコートされ入場していた。
自分の信頼している人が一緒で知り合いも出来た分、ランチ会よりもリリーナはリラックスしていた。
支度している時からちょっと具合が悪くて心配したけど大丈夫そう・・・。
(無理しちゃダメよ!!本当はさっさとバジル領に帰って欲しいのにっ明日楽しみにしてるなら今日はゆっくり休むべきよ!!あんな失礼なピンク女に王子がいるんだもの、アンタが行かなくても誰も文句言わないわ!!)
リベアがプンプンして文句を言っているが、それは難しい話だ。
いくら気分を害そうが、自分より格上の身分の者のしたこと。記憶を抹殺して何もなかったことにした方がいい・・・ピンク髪は別だが。
体調が多少悪くても、ここで行かなければなんだか奴に負けた気がして絶対に嫌だった。
「リリー、大丈夫?こんな不埒に視線を浴びること初めてだろう。・・・本当、勘弁してほしいよね。何人か後で”お話”しに行かなきゃな・・・。あぁ、ムンクとシャルがいれば・・・いや、ダイスとハヤトに言って秘密裏に・・・。」
初めは心配そうにのぞき込んでいたエディだったが、途中からブツブツと顔をそむけて何か思案した様子だった。
「リ、リリー大丈夫?・・・最低限殿下達に挨拶したら帰ろうよ。ここにいてもリリーにプラスになる様な人いないし・・・そ、それにあんまり貴族子息達と話してほしくないし・・・。」
セシルをエスコートしていたグレンも心配になって近づいてきた。
グレンも最後の方はボソボソと正直何を言っているか分からない・・・。
最近グレンは前の気弱な少年はどこへ行ったかと思う程、ハッキリと自分の意見を言える明るい少年になったが、リリーナに対してはこの様にボソボソ話すことがあり・・・もしかして苦手に思われてる?と心配していた。
「リリー、本当に無理しなくていいのよ?明日リリーと王都で遊びたいし、今日は王子様達に挨拶してお暇しましょう。」
青みっぽい銀色の涼し気なドレスを身にまとったセシルが、リリーに寄り添いながら話しかけた。
セシルも髪をキッチリとしたアップスタイルにしており、その顔立ちも含めて幼いながらも凛とした雰囲気を醸し出していた。
「大丈夫よ、皆。ちょっと疲れただけだから。・・・でも、私も明日が一番楽しみだし、無理しないように気を付けるわね。」
2人のタイプの違う、花の妖精と氷の妖精の様に可憐な美少女が並ぶとより一層視線が強くなった。
「めちゃめちゃ可愛い・・・」「おい、あれって氷の薔薇と言われてるポートマンの・・・なんか雰囲気柔らかくないか?」「おい、話しかけてみようぜ」「お、お前が先に行けよ!」「待て待てっ・・・あそこにいるの猛獣の再来と言われてる・・・」「び、美少女と喋りたいのに怖くて行けねぇ・・・」
年頃の子息達が集まってざわざわし始めた所に、エディはニッコリとイイ笑顔を向けた。
「ヒ、ヒイイイィィィ!聞こえてるぞアレ!」「お、俺は何も!」「は、はは。何言ってんだ、偶然だろう。・・・俺ちょっとあそこに知り合いが・・・」「ず、ずりぃ!!お、俺も挨拶しに・・・」
目が笑っていないエディの笑顔に、本能が”危険”を感じたのか・・・集まっていた子息達は途端に散っていった。
実は初めはグレンがリリーナの、エディはセシルのエスコートをすることに決まっていたが、初めて社交場に出て躱し方も知らず下心ある者にも丁寧に対応しそうな妹を危惧して、エディの我儘で交代してもらったのだ。
ちなみにグレンはちょっとだけ残念そうだったが、ポートマン姉弟二人共エディの説得を聞くと二つ返事で了承していた。
「まったく・・・。そんな下心丸分かりなお前等、愛しいリリーに近づけさせる訳ないじゃないかっ。・・・リリー、今日は用が終わったらすぐに帰ろうか。上の親族フロアにいる父様達も、長居はしないって言ってたし。ここにいる間は絶対に俺達と離れちゃダメだからね。」
そうリリーに言い聞かせている時だった。
「エディ、お前が自慢する妹君に会うのを楽しみにしてたが・・・まさかこんなに美しい妖精の様な方だったとは。今までお前を妹馬鹿と言ってたが訂正するよ。これは仕方ない。」
エディと同じくらいの年頃だろう、数人の中学生くらいの男の子達が集まってきた。
・・・恐らく、エディの友人達だろう。エディがめんどくさそうな雰囲気を醸し出しているが、顔に嬉しさが隠せていない。
「お前達、今日は挨拶に来なくていいって言ってたじゃないか!・・・まぁ仕方ないか。本物のリリーは本当に可愛いだろう?お前達は俺の話をずっと流して真剣に聞いてくれないしっ。やっと分かってくれて嬉しいよ。───リリー、それにセシルもグレンも。彼等は俺の友人だ。・・・ちょっと変わってるけど、信用できる人達だよ。紹介しよう。」
その後エディの友人達と自己紹介して談笑しつつ、王子様達を待っていると・・・クリス王子が彼よりも色素の薄い・・・恐らく兄であろう少し年上の少年に連れられて来ているのが目に入った。
王子達が通ると、周辺の者達は礼をしつつ挨拶をする者、話しかけようとする者様々だったが、目に入ってないと言わんばかりに見事にスルーしてリリーナ達のもとへ向ってきた。
「エディ!!久しぶりだな!・・・グレンとセシルは最近会ったな。皆元気そうで何よりだ。エディ、俺の弟をお前に紹介したくてな、待ってたぞ。」
「ルーカス・・・王子!久しぶりです。王子もお元気そうで何よりです。はは、噂の弟君ですか!それは嬉しい!」
2人が仲良さげに会話をしていることに驚きつつ、話していた皆王子達に礼をする。
「あぁ、すまんな。まずは君たちの挨拶を聞こうか。」
今気づいたという様子のルーカスの言葉に、まずエディの友人達が挨拶していく。
それに「あぁ、よろしく頼む。」「あ!そなたの父君にはお世話になってるぞ!」などルーカスもクリスも穏やかに返事をしている。
・・・どうやらクリス王子は奴の様なキチガイがいない限りは、普通に穏やかな少年の様だ。
危惧していたことが一つ解消し、ホッとする。
しかし・・・エディはいつルーカス王子と仲良くなったのだ??王都には行った事ないはずだけど・・・。
グレンとセシルとも話終わり、ルーカスとクリスはリリーナへ眼を向けた。
「・・・始めまして、リリーとお呼びしてもいいかな?・・・エディとグレンから君の話をずっと聞いていて、初めてあった気がしないが・・・こんなに可憐な女性だったとは。私はルーカス・ハーブリバ、クリスの2歳年上の兄だ。・・・ランチ会の事、聞いたよ。我が弟がすまない。ちょっと向こう見ずで思い切りの良い子なんだ。どうか許してやって欲しい。・・・これから、是非仲良くしてくれ。」
ルーカスはリリーナの白くて小さな手を取り、チュッと軽いキスを送りつつも自己紹介してくれた。
な・・・なんというザ☆王子様な対応なんだ・・・!!
銀髪に金目という神々しい容姿といい・・・コヤツ、できるっ!!
(ひゅ~♪この子やるわね!こんな積極的な男子、今までいなかったわね!グレンはリリーに奥手だし・・・これはいいんじゃない??私的にオススメ男子よ!リリー、本気出してメロメロにしておしまい!)
前世も含めこんなお姫様の様な対応を家族以外の異性にされたことがなく、リリーナが衝撃を受けているとリベアが訳の分からないことを言いだした。
またまた・・・こんな王子様には、見た目も中身も可愛らしい守ってあげたくなる系女子がお似合いと相場が決まっているのだ。
こんな見た目はともかく中身アラサーな干物女、お呼びじゃないんだぜ?
「まぁ、嬉しいお言葉ありがとうございます。私、リリーナ・バジルと申します。お兄様がどんな話をされていたか・・・ちょっと恥ずかしいですが、よろしくお願い致します。クリスで・・・クリス様のことはお気になさらないでください。お陰様で緊張が解けましたの。クリス様も名前で呼んでいいと仰ってくださったり、とても細やかに気配りなさってましたわ。」
クリスに向けてニコッと笑いかけながら、リリーナはルーカスに返事をした。
「・・・君は、相変わらず優しいな。・・・そうか、良かったよ。こんなんでも私の大事な弟なんだ。あまり知らない令嬢達に今日の事で嫌われてしまったのではと心配していたんだ。君だけでも、クリスを気に入ってくれて良かったよ。リリー、良ければ私の事もルーカスと呼んでくれ。」
「リリーナ!優しい言葉をありがとう!!僕もリリーと呼んでもいいだろうか??お父様は今まで僕と年頃の令嬢を会わせることがあまりなかったからな!失礼な事を言ってしまうかもしれないが、その時は遠慮せずに教えてくれ!」
何だか分からないが、どうやらこの王子兄弟に気に入られはしたらしい。
ルーカスに至っては、エディの話を聞きすぎたのかまるで昔会った事があるような言い方をしている。
何でこんなことに・・・周囲の強い視線を感じて、胃が痛くなった気がしながらも若干ひきつった笑顔でリリーは了承していた。
その後しばらくクリスにエディを紹介して男性陣で盛り上がったり、王子達が周囲の挨拶を受けつつ私達と会話を楽しんでいた。
特にクリス王子とエディは波長があったらしく、興奮しながらアレコレ話しながら盛り上がっていた。
その内容を聞いていたが、知らない生物やイタズラの内容ばかりだったので早々に聞くのを止めてセシルやグレン、それからエディの友人達と談笑していた。
ルーカス王子はもしかしたらフェミニストなのかもしれない。
あれだけ私に対して王子様対応をしてくれていたのに、挨拶に来る子息に対しては中々素っ気無い。
もじもじしたり、キャッキャして順番を待っている令嬢達に対してだったら、またあの完璧な王子様対応が見れることだろう。
密に楽しみにしていると、入り口の方で騒めきが起こった。
騒めきはすぐに収まったが、続けてヒソヒソと小声で話す者達の音が立て続けに聞こえる。
・・・今日も同じ様なことがあったな、と嫌な予感がしつつも談笑していた皆が入り口へ視線を送った。
─────そこには、何か激しい運動でもしてきましたか?という程に後れ毛が出たアップスタイルのピンク髪に、目の色に合わせたのだろうか・・・深い青色の、少女が着るにはどうかと思われる様な飾りが質素だが露出が少し多いドレスを着たアイリーンがいた。
自分の信頼している人が一緒で知り合いも出来た分、ランチ会よりもリリーナはリラックスしていた。
支度している時からちょっと具合が悪くて心配したけど大丈夫そう・・・。
(無理しちゃダメよ!!本当はさっさとバジル領に帰って欲しいのにっ明日楽しみにしてるなら今日はゆっくり休むべきよ!!あんな失礼なピンク女に王子がいるんだもの、アンタが行かなくても誰も文句言わないわ!!)
リベアがプンプンして文句を言っているが、それは難しい話だ。
いくら気分を害そうが、自分より格上の身分の者のしたこと。記憶を抹殺して何もなかったことにした方がいい・・・ピンク髪は別だが。
体調が多少悪くても、ここで行かなければなんだか奴に負けた気がして絶対に嫌だった。
「リリー、大丈夫?こんな不埒に視線を浴びること初めてだろう。・・・本当、勘弁してほしいよね。何人か後で”お話”しに行かなきゃな・・・。あぁ、ムンクとシャルがいれば・・・いや、ダイスとハヤトに言って秘密裏に・・・。」
初めは心配そうにのぞき込んでいたエディだったが、途中からブツブツと顔をそむけて何か思案した様子だった。
「リ、リリー大丈夫?・・・最低限殿下達に挨拶したら帰ろうよ。ここにいてもリリーにプラスになる様な人いないし・・・そ、それにあんまり貴族子息達と話してほしくないし・・・。」
セシルをエスコートしていたグレンも心配になって近づいてきた。
グレンも最後の方はボソボソと正直何を言っているか分からない・・・。
最近グレンは前の気弱な少年はどこへ行ったかと思う程、ハッキリと自分の意見を言える明るい少年になったが、リリーナに対してはこの様にボソボソ話すことがあり・・・もしかして苦手に思われてる?と心配していた。
「リリー、本当に無理しなくていいのよ?明日リリーと王都で遊びたいし、今日は王子様達に挨拶してお暇しましょう。」
青みっぽい銀色の涼し気なドレスを身にまとったセシルが、リリーに寄り添いながら話しかけた。
セシルも髪をキッチリとしたアップスタイルにしており、その顔立ちも含めて幼いながらも凛とした雰囲気を醸し出していた。
「大丈夫よ、皆。ちょっと疲れただけだから。・・・でも、私も明日が一番楽しみだし、無理しないように気を付けるわね。」
2人のタイプの違う、花の妖精と氷の妖精の様に可憐な美少女が並ぶとより一層視線が強くなった。
「めちゃめちゃ可愛い・・・」「おい、あれって氷の薔薇と言われてるポートマンの・・・なんか雰囲気柔らかくないか?」「おい、話しかけてみようぜ」「お、お前が先に行けよ!」「待て待てっ・・・あそこにいるの猛獣の再来と言われてる・・・」「び、美少女と喋りたいのに怖くて行けねぇ・・・」
年頃の子息達が集まってざわざわし始めた所に、エディはニッコリとイイ笑顔を向けた。
「ヒ、ヒイイイィィィ!聞こえてるぞアレ!」「お、俺は何も!」「は、はは。何言ってんだ、偶然だろう。・・・俺ちょっとあそこに知り合いが・・・」「ず、ずりぃ!!お、俺も挨拶しに・・・」
目が笑っていないエディの笑顔に、本能が”危険”を感じたのか・・・集まっていた子息達は途端に散っていった。
実は初めはグレンがリリーナの、エディはセシルのエスコートをすることに決まっていたが、初めて社交場に出て躱し方も知らず下心ある者にも丁寧に対応しそうな妹を危惧して、エディの我儘で交代してもらったのだ。
ちなみにグレンはちょっとだけ残念そうだったが、ポートマン姉弟二人共エディの説得を聞くと二つ返事で了承していた。
「まったく・・・。そんな下心丸分かりなお前等、愛しいリリーに近づけさせる訳ないじゃないかっ。・・・リリー、今日は用が終わったらすぐに帰ろうか。上の親族フロアにいる父様達も、長居はしないって言ってたし。ここにいる間は絶対に俺達と離れちゃダメだからね。」
そうリリーに言い聞かせている時だった。
「エディ、お前が自慢する妹君に会うのを楽しみにしてたが・・・まさかこんなに美しい妖精の様な方だったとは。今までお前を妹馬鹿と言ってたが訂正するよ。これは仕方ない。」
エディと同じくらいの年頃だろう、数人の中学生くらいの男の子達が集まってきた。
・・・恐らく、エディの友人達だろう。エディがめんどくさそうな雰囲気を醸し出しているが、顔に嬉しさが隠せていない。
「お前達、今日は挨拶に来なくていいって言ってたじゃないか!・・・まぁ仕方ないか。本物のリリーは本当に可愛いだろう?お前達は俺の話をずっと流して真剣に聞いてくれないしっ。やっと分かってくれて嬉しいよ。───リリー、それにセシルもグレンも。彼等は俺の友人だ。・・・ちょっと変わってるけど、信用できる人達だよ。紹介しよう。」
その後エディの友人達と自己紹介して談笑しつつ、王子様達を待っていると・・・クリス王子が彼よりも色素の薄い・・・恐らく兄であろう少し年上の少年に連れられて来ているのが目に入った。
王子達が通ると、周辺の者達は礼をしつつ挨拶をする者、話しかけようとする者様々だったが、目に入ってないと言わんばかりに見事にスルーしてリリーナ達のもとへ向ってきた。
「エディ!!久しぶりだな!・・・グレンとセシルは最近会ったな。皆元気そうで何よりだ。エディ、俺の弟をお前に紹介したくてな、待ってたぞ。」
「ルーカス・・・王子!久しぶりです。王子もお元気そうで何よりです。はは、噂の弟君ですか!それは嬉しい!」
2人が仲良さげに会話をしていることに驚きつつ、話していた皆王子達に礼をする。
「あぁ、すまんな。まずは君たちの挨拶を聞こうか。」
今気づいたという様子のルーカスの言葉に、まずエディの友人達が挨拶していく。
それに「あぁ、よろしく頼む。」「あ!そなたの父君にはお世話になってるぞ!」などルーカスもクリスも穏やかに返事をしている。
・・・どうやらクリス王子は奴の様なキチガイがいない限りは、普通に穏やかな少年の様だ。
危惧していたことが一つ解消し、ホッとする。
しかし・・・エディはいつルーカス王子と仲良くなったのだ??王都には行った事ないはずだけど・・・。
グレンとセシルとも話終わり、ルーカスとクリスはリリーナへ眼を向けた。
「・・・始めまして、リリーとお呼びしてもいいかな?・・・エディとグレンから君の話をずっと聞いていて、初めてあった気がしないが・・・こんなに可憐な女性だったとは。私はルーカス・ハーブリバ、クリスの2歳年上の兄だ。・・・ランチ会の事、聞いたよ。我が弟がすまない。ちょっと向こう見ずで思い切りの良い子なんだ。どうか許してやって欲しい。・・・これから、是非仲良くしてくれ。」
ルーカスはリリーナの白くて小さな手を取り、チュッと軽いキスを送りつつも自己紹介してくれた。
な・・・なんというザ☆王子様な対応なんだ・・・!!
銀髪に金目という神々しい容姿といい・・・コヤツ、できるっ!!
(ひゅ~♪この子やるわね!こんな積極的な男子、今までいなかったわね!グレンはリリーに奥手だし・・・これはいいんじゃない??私的にオススメ男子よ!リリー、本気出してメロメロにしておしまい!)
前世も含めこんなお姫様の様な対応を家族以外の異性にされたことがなく、リリーナが衝撃を受けているとリベアが訳の分からないことを言いだした。
またまた・・・こんな王子様には、見た目も中身も可愛らしい守ってあげたくなる系女子がお似合いと相場が決まっているのだ。
こんな見た目はともかく中身アラサーな干物女、お呼びじゃないんだぜ?
「まぁ、嬉しいお言葉ありがとうございます。私、リリーナ・バジルと申します。お兄様がどんな話をされていたか・・・ちょっと恥ずかしいですが、よろしくお願い致します。クリスで・・・クリス様のことはお気になさらないでください。お陰様で緊張が解けましたの。クリス様も名前で呼んでいいと仰ってくださったり、とても細やかに気配りなさってましたわ。」
クリスに向けてニコッと笑いかけながら、リリーナはルーカスに返事をした。
「・・・君は、相変わらず優しいな。・・・そうか、良かったよ。こんなんでも私の大事な弟なんだ。あまり知らない令嬢達に今日の事で嫌われてしまったのではと心配していたんだ。君だけでも、クリスを気に入ってくれて良かったよ。リリー、良ければ私の事もルーカスと呼んでくれ。」
「リリーナ!優しい言葉をありがとう!!僕もリリーと呼んでもいいだろうか??お父様は今まで僕と年頃の令嬢を会わせることがあまりなかったからな!失礼な事を言ってしまうかもしれないが、その時は遠慮せずに教えてくれ!」
何だか分からないが、どうやらこの王子兄弟に気に入られはしたらしい。
ルーカスに至っては、エディの話を聞きすぎたのかまるで昔会った事があるような言い方をしている。
何でこんなことに・・・周囲の強い視線を感じて、胃が痛くなった気がしながらも若干ひきつった笑顔でリリーは了承していた。
その後しばらくクリスにエディを紹介して男性陣で盛り上がったり、王子達が周囲の挨拶を受けつつ私達と会話を楽しんでいた。
特にクリス王子とエディは波長があったらしく、興奮しながらアレコレ話しながら盛り上がっていた。
その内容を聞いていたが、知らない生物やイタズラの内容ばかりだったので早々に聞くのを止めてセシルやグレン、それからエディの友人達と談笑していた。
ルーカス王子はもしかしたらフェミニストなのかもしれない。
あれだけ私に対して王子様対応をしてくれていたのに、挨拶に来る子息に対しては中々素っ気無い。
もじもじしたり、キャッキャして順番を待っている令嬢達に対してだったら、またあの完璧な王子様対応が見れることだろう。
密に楽しみにしていると、入り口の方で騒めきが起こった。
騒めきはすぐに収まったが、続けてヒソヒソと小声で話す者達の音が立て続けに聞こえる。
・・・今日も同じ様なことがあったな、と嫌な予感がしつつも談笑していた皆が入り口へ視線を送った。
─────そこには、何か激しい運動でもしてきましたか?という程に後れ毛が出たアップスタイルのピンク髪に、目の色に合わせたのだろうか・・・深い青色の、少女が着るにはどうかと思われる様な飾りが質素だが露出が少し多いドレスを着たアイリーンがいた。
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