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3.ルカの覚醒
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「いってきまーす」
「あ、待ってレオにぃ。お弁当どうぞ!」
今日も朝早くから狩りに出かけるレオにぃに、できたばかりのお弁当を渡す。
「ありがとう、ルゥ。お手伝いえらいなぁ」
「へへ。今日も、『おいしくなぁーれ』っていっぱいしたよ!」
「ルゥが作ったごはんを食べると元気になるから助かるよ。今日も頑張って大きい獲物を獲ってくるからね」
「うん!でも、むりはしないでね?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
もう1度「いってきます」と言って外に出るレオにぃの後ろ姿を見て、何だかざわざわする。――最近、レオにぃががんばりすぎている気がするんだ。今だって充分すぎるほど強いのに、もっともっと、って。
だけど、ぼくはまだ何もできなくて。8歳になってやっと、「火や包丁は大人と一緒に使う」とを約束して、ごはん作りのお手伝いをさせてもらえるようになっただけ。「おいしい」って言ってくれるのはうれしいけれど、ぼくももっとお役に立ちたいのに。
*
「よし、ルカ。今日は畑の種まきをするぞ」
「え!ぼくもやっていいの?草むしりだけじゃなくて?」
「ルカももう8歳だしな。頑張っているレオのために、おいしい野菜をたくさん作るぞ!」
「わぁーい!じぃじ、ぼくがんばる!!」
「はいはい、張り切るのはいいけれど、ちゃんとお帽子被らないとダメよ?お水もちゃんと飲んでね?」
初めての種まきがうれしくて、すぐ外に飛び出そうとするぼくの頭にばぁばが帽子をかぶらせてくれる。あごのところをヒモでキュッと結んだらバッチリだ。
「ありがとう、ばぁば!いってきます!」
「はい、いってらっしゃい。じぃじから離れないようにね」
「はぁーい!じぃじ、いこ!」
「おう!じゃあ、いってくるな」
「気をつけてくださいね」
じぃじの畑は、お家からちょっとだけ離れたところにあるから、そこまでじぃじと手をつないで歩く。
「ねぇ、じぃじ?」
「ん?どうした?」
「レオにぃ、むりしてない?」
「あーアイツはなぁ……。まぁ、昔からちょっと無理しがちなところがあったな。ただ、今は昔と違ってがむしゃらに、というよりも明確な目標を持って頑張ってるみたいだから、そんなに心配することはないと思うぞ?」
「……そう?」
「あぁ。自分の力量もわかっているだろうしな。それにまた無茶なことをしたらばぁさんの説教が待ってる。そうそう、アホなことはしないだろう」
「そっかぁ。ばぁばのお説教……こわいもんね」
「な。だから、大丈夫だ。ただ、それは何もレオに限ったことじゃない。ルカも気を付けろよ?」
「だ、大丈夫だよ!ニクスも見ててくれるしね。ね、ニクス?」
「無論だ。我がルカを危ない目に合わせるわけがないだろう」
じぃじが意地悪な顔をして笑うから、ちょっとだけ焦ってニクスに助けを求めるとすごく頼もしい答えが返ってきた。さすがニクス、頼れるぼくの相棒だ。
*
初めての種まき。じぃじが開けてくれた穴に種を入れ、『おおきくなぁーれ』と言いながら土をかぶせる。途中で休憩を取りながら、何とか全部の種をまき終えた頃、何だか空がくもってきた。
「ルカ、雨が降りそうだ。少し急ぎめで帰るぞ」
「はぁい。ニクス、お願い」
「承知。捕まったか?行くぞ」
じぃじとニクスが並んで走り出す。空からゴロゴロ聞こえる。……レオにぃ、大丈夫かな……。
*
「レオにぃが帰ってこない」
「いつもより遅いわねぇ……」
「雨が酷くなってきたからな、どこかで雨宿りしてるのかもしれん」
ぼくたちが家に着いて少しして、雨がひどくなった。外はもう真っ暗なのにレオにぃが帰って来なくて、心配になってくる。
ドンドンッ
「すみません!誰かいますか!?怪我人なんです!助けてください!」
「!?」
突然響いた、乱暴に扉を叩かれる音と必死な声に驚き、はじかれるように扉を開ける。そこには知らないお兄さんと、そのお兄さんに背負われてグッタリしているレオにぃがいた。
「――っ!レオにぃ!!!!」
「レオ!?」
「酷い怪我じゃないか!何があった!?」
「すみません、この方は僕を庇ってこんな傷を……っ」
お兄さんは顔を真っ青にしながら説明し、レオにぃを下ろす。
「レオにぃ……?」
名前を呼んでも、レオにぃの反応はない。血がたくさん出てて、すごく苦しそう。
「村まで行って医者を呼んでくる!とにかく止血をして、安静にさせといてくれ!」
「レオにぃ……」
「ルカ、ちょっと離れてね。流れている血を止めないと、レオが死んでしまうわ」
死……?レオにぃ、死んじゃうの……?
「やだ……」
「え?」
「レオにぃが死んじゃうなんて、やだ!!!!!!」
ピカッ――――
レオにぃが死んじゃう、って思った瞬間。すごく苦しくなって、体が熱くなって……ブワーッてなったら、レオにぃが光った。
緑色の光に包まれているレオにぃ。血だらけだったところがキレイになって、苦しそうなのがなくなった。
「ん……?」
光が消えて、レオにぃの目が開く。
「レオにぃ!起きた?大丈夫?どこか痛くない?」
「ルゥ?ここは……家?どうしてここに……。確か俺はウルルスに……」
「良かった……レオにぃ起きたぁ……っ」
安心した途端に涙が止まらなくなって、レオにぃに抱き着いてわんわん泣いてしまった。レオにぃはまだ驚いた顔をしていたけど、ぼくの頭を優しく撫でてくれる。
その手の温かさにホッとして少し落ち着いて顔を上げると、みんながポカンとした顔でぼくとレオにぃを見ていた。
「ルカ、今何をしたんだ……?今のは……?」
じぃじが何だかあわあわしている。
「じぃじ、どうしたの?レオにぃ起きたよ?」
「ルカが、レオを起こしてくれたの?」
「?わかんない?」
じぃじもばぁばも、どうしたんだろう?でも何でもいいよね。レオにぃが起きてくれたんだから。うれしくて、ぼくはもう1度レオにぃにギュッて抱き着いた。
「あ、待ってレオにぃ。お弁当どうぞ!」
今日も朝早くから狩りに出かけるレオにぃに、できたばかりのお弁当を渡す。
「ありがとう、ルゥ。お手伝いえらいなぁ」
「へへ。今日も、『おいしくなぁーれ』っていっぱいしたよ!」
「ルゥが作ったごはんを食べると元気になるから助かるよ。今日も頑張って大きい獲物を獲ってくるからね」
「うん!でも、むりはしないでね?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
もう1度「いってきます」と言って外に出るレオにぃの後ろ姿を見て、何だかざわざわする。――最近、レオにぃががんばりすぎている気がするんだ。今だって充分すぎるほど強いのに、もっともっと、って。
だけど、ぼくはまだ何もできなくて。8歳になってやっと、「火や包丁は大人と一緒に使う」とを約束して、ごはん作りのお手伝いをさせてもらえるようになっただけ。「おいしい」って言ってくれるのはうれしいけれど、ぼくももっとお役に立ちたいのに。
*
「よし、ルカ。今日は畑の種まきをするぞ」
「え!ぼくもやっていいの?草むしりだけじゃなくて?」
「ルカももう8歳だしな。頑張っているレオのために、おいしい野菜をたくさん作るぞ!」
「わぁーい!じぃじ、ぼくがんばる!!」
「はいはい、張り切るのはいいけれど、ちゃんとお帽子被らないとダメよ?お水もちゃんと飲んでね?」
初めての種まきがうれしくて、すぐ外に飛び出そうとするぼくの頭にばぁばが帽子をかぶらせてくれる。あごのところをヒモでキュッと結んだらバッチリだ。
「ありがとう、ばぁば!いってきます!」
「はい、いってらっしゃい。じぃじから離れないようにね」
「はぁーい!じぃじ、いこ!」
「おう!じゃあ、いってくるな」
「気をつけてくださいね」
じぃじの畑は、お家からちょっとだけ離れたところにあるから、そこまでじぃじと手をつないで歩く。
「ねぇ、じぃじ?」
「ん?どうした?」
「レオにぃ、むりしてない?」
「あーアイツはなぁ……。まぁ、昔からちょっと無理しがちなところがあったな。ただ、今は昔と違ってがむしゃらに、というよりも明確な目標を持って頑張ってるみたいだから、そんなに心配することはないと思うぞ?」
「……そう?」
「あぁ。自分の力量もわかっているだろうしな。それにまた無茶なことをしたらばぁさんの説教が待ってる。そうそう、アホなことはしないだろう」
「そっかぁ。ばぁばのお説教……こわいもんね」
「な。だから、大丈夫だ。ただ、それは何もレオに限ったことじゃない。ルカも気を付けろよ?」
「だ、大丈夫だよ!ニクスも見ててくれるしね。ね、ニクス?」
「無論だ。我がルカを危ない目に合わせるわけがないだろう」
じぃじが意地悪な顔をして笑うから、ちょっとだけ焦ってニクスに助けを求めるとすごく頼もしい答えが返ってきた。さすがニクス、頼れるぼくの相棒だ。
*
初めての種まき。じぃじが開けてくれた穴に種を入れ、『おおきくなぁーれ』と言いながら土をかぶせる。途中で休憩を取りながら、何とか全部の種をまき終えた頃、何だか空がくもってきた。
「ルカ、雨が降りそうだ。少し急ぎめで帰るぞ」
「はぁい。ニクス、お願い」
「承知。捕まったか?行くぞ」
じぃじとニクスが並んで走り出す。空からゴロゴロ聞こえる。……レオにぃ、大丈夫かな……。
*
「レオにぃが帰ってこない」
「いつもより遅いわねぇ……」
「雨が酷くなってきたからな、どこかで雨宿りしてるのかもしれん」
ぼくたちが家に着いて少しして、雨がひどくなった。外はもう真っ暗なのにレオにぃが帰って来なくて、心配になってくる。
ドンドンッ
「すみません!誰かいますか!?怪我人なんです!助けてください!」
「!?」
突然響いた、乱暴に扉を叩かれる音と必死な声に驚き、はじかれるように扉を開ける。そこには知らないお兄さんと、そのお兄さんに背負われてグッタリしているレオにぃがいた。
「――っ!レオにぃ!!!!」
「レオ!?」
「酷い怪我じゃないか!何があった!?」
「すみません、この方は僕を庇ってこんな傷を……っ」
お兄さんは顔を真っ青にしながら説明し、レオにぃを下ろす。
「レオにぃ……?」
名前を呼んでも、レオにぃの反応はない。血がたくさん出てて、すごく苦しそう。
「村まで行って医者を呼んでくる!とにかく止血をして、安静にさせといてくれ!」
「レオにぃ……」
「ルカ、ちょっと離れてね。流れている血を止めないと、レオが死んでしまうわ」
死……?レオにぃ、死んじゃうの……?
「やだ……」
「え?」
「レオにぃが死んじゃうなんて、やだ!!!!!!」
ピカッ――――
レオにぃが死んじゃう、って思った瞬間。すごく苦しくなって、体が熱くなって……ブワーッてなったら、レオにぃが光った。
緑色の光に包まれているレオにぃ。血だらけだったところがキレイになって、苦しそうなのがなくなった。
「ん……?」
光が消えて、レオにぃの目が開く。
「レオにぃ!起きた?大丈夫?どこか痛くない?」
「ルゥ?ここは……家?どうしてここに……。確か俺はウルルスに……」
「良かった……レオにぃ起きたぁ……っ」
安心した途端に涙が止まらなくなって、レオにぃに抱き着いてわんわん泣いてしまった。レオにぃはまだ驚いた顔をしていたけど、ぼくの頭を優しく撫でてくれる。
その手の温かさにホッとして少し落ち着いて顔を上げると、みんながポカンとした顔でぼくとレオにぃを見ていた。
「ルカ、今何をしたんだ……?今のは……?」
じぃじが何だかあわあわしている。
「じぃじ、どうしたの?レオにぃ起きたよ?」
「ルカが、レオを起こしてくれたの?」
「?わかんない?」
じぃじもばぁばも、どうしたんだろう?でも何でもいいよね。レオにぃが起きてくれたんだから。うれしくて、ぼくはもう1度レオにぃにギュッて抱き着いた。
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