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Episode 4
はじまりはきっかけ 7
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⚓
七橋商店街、模型屋の前。
映奈がギター弾き語りのストリートライブをしていると、途端にギャラリーが騒然となった。
「ほらいた、なっち!」
「元気にやってるっぽいね~」
それは、ステラプロダクション所属アイドル、レインボートレインのメンバーである鶴城海咲と大河内玉藻だった。海咲はカジュアルなセーラーワンピースにミリタリージャケットにブーツと言うマリンスタイル、玉藻はその名前から狐耳とシッポのアクセサリーと巫女装束を思わせる赤白のツートーンカラーのカジュアルジャケットとキュロットスカートで決めている。
ふたりの存在を認知した映奈だが、それでも笑顔を向けて弾き語りを続ける。ちょうど歌っていたのがレインボートレインの曲だったので、海咲と玉藻も合わせて口ずさむ。途端にアイドルライブが始まったと人々は騒ぎ立て、商店街は盛り上がる。
歌が終わると、観客たちは拍手と口笛と声援を送った。
「久しぶり、ふたりとも! 今日はどうしたの?」
「へっへーん。ふたりでお休みをもらって会いに来ちゃった。元気そうじゃん、なっち。お友達と一緒にいるところやドールハウスづくりにどうでしょうの旅も見たよ! 毎日楽しそうで何より!」
「だね~。アイドル辞めても映奈ちゃんは元気な笑顔でがんばってるみたいで、まもたちもうれしいよ~。今日はまもたちとご飯とかどうかなーって、サプライズでお誘いに来たんだぁ~」
「そうなんだ。じゃあおやつはワイルドメリケンにしよう。ゆっくり聞いてって。それじゃあ次の曲です。聞いてください、『I Love Youは君から言ってほしいな』!」
そして映奈は歌い始める。
どこまでも明るく歌う映奈の歌に、商店街の誰もが盛り上がった。
ワイルドメリケンいろは坂店。
映奈はレインボートレインの近況をふたりから聞いた。
「そっか。新しいメンバーの子も頑張ってくれてるんだね。今日はその子はいないの?」
「一緒に来て挨拶するはずだったんだけど飛び込みの仕事が来ちゃってね。バラエティー番組のメインMCのうちのひとりがインフルかかっちゃって、しばらくは代理出演かな。ほら、ご家族にも影響あるかもだし」
「新人アイドルがMC代理に抜擢とか、大出世だよね~」
「確かに。でも忙しいことはいいことだよ。そうだね、わたしは午後は毎日ヒマしてるし、今度はわたしの方からその子に会いに行くよ。名前なんだっけ?」
「矢羽ひなた。今度の四月から中三。ほかにもレインボートレインもメンバーが増えて、今では十四人体制かな。レインボーだけに『主虹と副虹』体制でがんばってます」
現在のレインボートレイン。
映奈をひとりとするスターティングメンバーは七人だったが、後輩たちも増え、映奈が引退したことで後輩である矢羽が正式メンバーとして加入、残る後輩たちのうち七人もレインボートレインに仲間入りし、主虹ポジションの『ビビッドチーム』と副虹ポジションの『ペイルチーム』が結成された。
「そうなんだ、知らなかったよ」
「十四人体制になったのは先週だからね~、色々忙しいなら知らなくてもしょうがないかも。今はストリートライブにバーティツの習いごとに、あと友達と一緒にいる方が多そうだし~。そうだぁ、バーティツ技で本屋さんに現れた暴漢をやっつけたって本当~?」
「まあね」
「わ~お、かっくぃ~!」
「ああでもしないと、先に並んでいた人も暴力受けたし友達も危なかったから」
「でさ、友達ってどんな子なのよ。すごく可愛いしアイドルにいてもおかしくないけど」
「うん、すごく可愛い子だよ。ちょっと小動物的で、妹分って感じで、引っ込み思案だけど、それでも優しさと勇気のある子で、手先が器用で、機械の構造を理解するのが早くて、その技術力で人を助けても謙虚で決して天狗にならないで、自覚してないだけで本当にすごい子なんだから」
「へぇ~。会ってみたいなあ~?」
「そう? じゃあちょっとアポ取ってみるね?」
「行動速いのが映奈ちゃんのいいところだよね~」
「だよね。なっちが元気じゃないところなんて全く想像できないくらいには」
そしてスマートフォンを取り出した映奈はICカードでダブルシュリンプバーガーとエビチリとコーヒーのセットをテイクアウトで購入し、そのまま紬の家に突撃した。
「アポって、直接訪問かーい……」
「それアポって言わないからね~?」
七橋商店街、模型屋の前。
映奈がギター弾き語りのストリートライブをしていると、途端にギャラリーが騒然となった。
「ほらいた、なっち!」
「元気にやってるっぽいね~」
それは、ステラプロダクション所属アイドル、レインボートレインのメンバーである鶴城海咲と大河内玉藻だった。海咲はカジュアルなセーラーワンピースにミリタリージャケットにブーツと言うマリンスタイル、玉藻はその名前から狐耳とシッポのアクセサリーと巫女装束を思わせる赤白のツートーンカラーのカジュアルジャケットとキュロットスカートで決めている。
ふたりの存在を認知した映奈だが、それでも笑顔を向けて弾き語りを続ける。ちょうど歌っていたのがレインボートレインの曲だったので、海咲と玉藻も合わせて口ずさむ。途端にアイドルライブが始まったと人々は騒ぎ立て、商店街は盛り上がる。
歌が終わると、観客たちは拍手と口笛と声援を送った。
「久しぶり、ふたりとも! 今日はどうしたの?」
「へっへーん。ふたりでお休みをもらって会いに来ちゃった。元気そうじゃん、なっち。お友達と一緒にいるところやドールハウスづくりにどうでしょうの旅も見たよ! 毎日楽しそうで何より!」
「だね~。アイドル辞めても映奈ちゃんは元気な笑顔でがんばってるみたいで、まもたちもうれしいよ~。今日はまもたちとご飯とかどうかなーって、サプライズでお誘いに来たんだぁ~」
「そうなんだ。じゃあおやつはワイルドメリケンにしよう。ゆっくり聞いてって。それじゃあ次の曲です。聞いてください、『I Love Youは君から言ってほしいな』!」
そして映奈は歌い始める。
どこまでも明るく歌う映奈の歌に、商店街の誰もが盛り上がった。
ワイルドメリケンいろは坂店。
映奈はレインボートレインの近況をふたりから聞いた。
「そっか。新しいメンバーの子も頑張ってくれてるんだね。今日はその子はいないの?」
「一緒に来て挨拶するはずだったんだけど飛び込みの仕事が来ちゃってね。バラエティー番組のメインMCのうちのひとりがインフルかかっちゃって、しばらくは代理出演かな。ほら、ご家族にも影響あるかもだし」
「新人アイドルがMC代理に抜擢とか、大出世だよね~」
「確かに。でも忙しいことはいいことだよ。そうだね、わたしは午後は毎日ヒマしてるし、今度はわたしの方からその子に会いに行くよ。名前なんだっけ?」
「矢羽ひなた。今度の四月から中三。ほかにもレインボートレインもメンバーが増えて、今では十四人体制かな。レインボーだけに『主虹と副虹』体制でがんばってます」
現在のレインボートレイン。
映奈をひとりとするスターティングメンバーは七人だったが、後輩たちも増え、映奈が引退したことで後輩である矢羽が正式メンバーとして加入、残る後輩たちのうち七人もレインボートレインに仲間入りし、主虹ポジションの『ビビッドチーム』と副虹ポジションの『ペイルチーム』が結成された。
「そうなんだ、知らなかったよ」
「十四人体制になったのは先週だからね~、色々忙しいなら知らなくてもしょうがないかも。今はストリートライブにバーティツの習いごとに、あと友達と一緒にいる方が多そうだし~。そうだぁ、バーティツ技で本屋さんに現れた暴漢をやっつけたって本当~?」
「まあね」
「わ~お、かっくぃ~!」
「ああでもしないと、先に並んでいた人も暴力受けたし友達も危なかったから」
「でさ、友達ってどんな子なのよ。すごく可愛いしアイドルにいてもおかしくないけど」
「うん、すごく可愛い子だよ。ちょっと小動物的で、妹分って感じで、引っ込み思案だけど、それでも優しさと勇気のある子で、手先が器用で、機械の構造を理解するのが早くて、その技術力で人を助けても謙虚で決して天狗にならないで、自覚してないだけで本当にすごい子なんだから」
「へぇ~。会ってみたいなあ~?」
「そう? じゃあちょっとアポ取ってみるね?」
「行動速いのが映奈ちゃんのいいところだよね~」
「だよね。なっちが元気じゃないところなんて全く想像できないくらいには」
そしてスマートフォンを取り出した映奈はICカードでダブルシュリンプバーガーとエビチリとコーヒーのセットをテイクアウトで購入し、そのまま紬の家に突撃した。
「アポって、直接訪問かーい……」
「それアポって言わないからね~?」
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