29 / 40
第1章 幼少期
20話 悪友のその後②
しおりを挟む
「初めまして、ジハナ。側近の娘のアルエットよ」
「は、初めましてアルエット様。私は金細工師ヴァーデンの息子、ジハナと申します!」
ジハナは座っていた椅子からガタッと立ち上がり、叫ぶように自己紹介をした。
「ふふ、緊張しなくて良いわ。楽にして。今日はあたし、あなたを好きなだけ磨いていいと父上から言われているの」
満面の笑みで言ったアルエットを見て、次にその手の中にある山盛りの美容用品をみるとジハナは少し嫌そうな顔をした。眉が下がって情けない顔だ。
「まずは髪をやってあげる、さぁ座って」
アルエットが促すとジハナは自分が立っていることに今気が付いたのか、さっと顔を赤く染めて椅子に座りなおした。
「髪飾り、とるわね。まぁ、随分髪が柔らかいのね。すぐ絡まってしまうでしょう」
「はい、いつも鳥の巣でした」
アルエットはジハナの髪をしばらく握ったり曲げたりして観察したあと、沢山並んだ香油瓶の中から水色の瓶を選び取った。
「ふふふ、香油を使ってゆっくり梳かして、少し時間をおいて、お風呂に入って、少しだけ香油を塗る。その後にこの粉をつけるの。髪が絡まり辛くなるわよ」
「た、たくさんやらなきゃいけないんですね」
「これでも簡単な方なのよ?」
ジハナが助けを求めるような目でこちらを見る。私はゆっくり横に首を振って声を出さずに「あきらめろ」と口を動かした。こちらを睨んでくるが知らんぷりだ。恨むなら普段から手入れをしていなかった自分を恨め。
早速アルエットが瓶を開けてジハナの髪に塗り始める。レモンのようなさわやかな香りの香油だ。
「……この香油は、いい香りですね。どこで買えますか?」
「あら気に入った?この瓶はあげるから、好きに使っていいわ」
「あ、ありがとうございます。でも、その、母に贈ったら喜ぶかなって……」
「まぁ、きっとお母様も喜ぶわ!ふふ、城内のお店でたくさん売っているから、明日にでも一緒に見に行きましょう」
「はい!」
「さぁできたわ。お風呂に入るまでに少し時間をおかなきゃね」
2人の様子を眺めていた私は会話が途切れたのを見て聞く。
「トカゲの髪はどうだ?1年後にはお披露目があるのだが」
「トカゲ?」
「俺の事です。壁にくっつくからトカゲ」
「まぁ、変なあだ名ねぇ」
アルエットはくすくす笑った後、自信にあふれた顔をした。
「傷んでいるけど、すぐ綺麗になるわ。子供だしある程度伸びてしまえばざっくり切っても良いと思うし。ジハナは髪、伸ばしたい?」
「伸ばすと手入れが大変そうだから、短い方が良いかなって思います」
「ふふ。髪っていうのはね、ジハナ。大好きな相手に見せたいな、褒めて欲しいなって思いながらお手入れするものなのよ」
「王子のこと?」
「あら王子を選ぶの?ふふ、まぁそうね、あなた側近なんだし、王子でも良いと思うわ」
アルエットが微笑んだのを見て、ジハナは自分の髪を一束つまんでしげしげと眺めると「王子が長い方が好きなら俺も伸ばそうかなぁ」と小さく呟いた。
「王子たちもこうやって毎日髪を手入れしているんですか?」
「そうねぇ。私は見たことが無いけれど時間をたっぷりかけて手入れしているはずよ。アイニェン様とはたまに手入れの話で盛り上がるの」
「だから皆髪が綺麗なんですね。いつも不思議だったんです。王子の髪、どれだけ走っても転んでも鳥の巣にならないから」
「ふふ、噂の脱走した時の話?」
「う、まぁ、はい。前に蛍を見に行った時も凄かったんですよ!蛍の光が王子の髪と目をピカピカって光らせて、綺麗だったなぁ」
「王子の髪は金色だから、きっと素敵だったでしょうね」
「はい!それに王子はいつも背筋がまっすぐで、偉い人って感じで強そうで格好いいです。寝てても真っすぐだった時はちょっと笑ったけど」
「ふふふ、真っすぐ?」
「森で昼寝してた時の話なんですけど、目が覚めて王子を見たらピンと槍の柄みたいに頭から足の先まで真っすぐに寝てて、つついても起きないし、なにか呪いにでも掛かったかなって焦ったんです」
「呪い?それは大変ねぇ」
「あ、呪いっていうのは本に出てきた悪い魔法使いが逆らった相手に掛けた呪いで、王子は大丈夫ですよ、蹴っ飛ばしたら起きましたから!あの時は本を読んだばっかりだったからそう思っちゃっただけで。ああそう、王子は本も貸してくれるんですよ。俺の好きな物語の本をわざわざ探してきて、どれが良い?って聞くんです」
「それは嬉しいわね」
「はい!難しい内容の時もあるけど、そういうのは説明しながら読んでくれるし、説明は分かりやすいし、年下なのに頼りがいがあります」
その後しばらくジハナは王子のやさしい所、格好良さや品の良さについて語った。本人曰く「親にも話せなかったから王子の話ができてうれしい」だそうだ。アルエットは始終にこにこと聞き役に徹し、ジハナの口は私が風呂に行くように指示するまで止まらなかった。
「ジハナ、話の途中で悪いが、そろそろお風呂に行ってきなさい」
「あ、すみません、話し過ぎちゃいましたね」
「私はもう部屋に戻るけど、お風呂上がりの香油はお父様が付けてくださるからね」
「そうなんですか?ありがとうございます、ネオニール様」
「うむ。風呂の場所は分かるな?」
「食堂の先を右ですよね」
「そうだ、行ってこい」
ジハナは持ってきた荷物の中から新しいローブと下着を取り出すと風呂場に走っていった。
「寄り道せずに戻ってくるのだぞ!」
「はぁい」
「ジハナ、またね!」
「アルエット様、ありがとうございました!」
あっという間に見えなくなった後ろ姿に、城の中では走らないように言わなければ、と頭の中の「してはダメ」リストに書き込んだ。
「お父様、あの子……」
ジハナが出て行って2人になった部屋でアルエットが櫛と香油の瓶を握りしめたままプルプル震える。
「なんだ?ジハナが何か粗相をしたか?」
「まさか!その逆よ!本当に、なんてかわいい子なのかしら!ずっと緊張していたのもかわいいけれど、やっぱり最初にお母様の事を考えるというのが、健気だわ!子供ってあんなにかわいいものだったかしら?」
「お、おお」
思っている以上にジハナを気に入ったようだった。
「それに王子の事を大好きなのも、笑っちゃうくらい可愛いわ。でもあの子、本当に側近にしてしまうの?きっとすごく大変だわ。ずっとあの純真なままでいられたらいいのに。お父様に色々勉強やら常識やら詰め込まれて、お父様"その2"みたいになってしまったらどうしましょう!」
「その2の何がいけないのだ?え?アルエット」
私自らの手で一生懸命「勉強やら常識やら」を詰め込んだ娘が美容に憑りつかれてしまったことはさておき、アルエットとジハナがうまくやっていけそうで安心する。正式な側近として国民にお披露目をするまで、少なくとも1年間はみっちり手入れ方法を覚えてもらわなければならないのだ。
その後「王子もジハナももっと自由させるべき」とか私の教育方針に文句を言いながらアルエットは部屋に戻っていった。ふぅ、と息を吐きジハナのベッドへ腰かけ、ジハナの帰りを待つ。
王子が抜け出すのを防ぐことばかりで、彼らが抜け出して何をしているかには考えが至っていなかった。先ほどのジハナの話を聞く限り、蛍を見て、昼寝して、本を読むだけ。特別危ないことはしていないようだ。
それよりも思ったより王子がジハナの面倒を積極的に見ている事も驚いた。王子は下の兄弟の事を可愛がっているが、あれこれ手伝ったりする事はない。城仕えの者になんでも頼める環境で生活しているからだろうか?
「ネオニール様!すごいです!城の浴場、全部水がお湯でした!流石!流石お城!」
大した時間も経たないうちにジハナは走りながら戻ってきた。
浴場に大満足だったようで部屋に入るなりどれだけすごい体験だったかを身振り手振りで一生懸命説明し始める。
「わかったわかった!トカゲ、落ち着け!ほら、香油を塗るから!座れ!」
どうにか大興奮の子供を宥めて座らせ、香油を1滴手に取り髪に馴染ませる。何度も振り返ろうとするので面倒ではあったが、髪が短いので案外時間はかからない。仕上げに白い粉をポンポンはたいて塗すと手櫛でもほとんど引っ掛からなくなった。
こんなものだな、と一息ついてジハナに今日の予定を告げる。
「ジハナ。悪いが私はこの後公務に戻らねばならん。お前の教育は明日からだ。今日は家から持ってきた荷物を整理して、腹がすいたら食堂で夕食にいくと良い。見張りの兵たちもそこで食事をしているだろうから寂しかったら構ってもらえ」
「寂しいって、そんな子供じゃないですよ!」
「風呂ではしゃぐのは子供だろう」
「へへへ、あれは本当にすごかった……」
ジハナは風呂を思い出したのか満足げにニマニマしながら背もたれに寄りかかった。アルエットが置いて行った香油の青い瓶と粉の箱をジハナの机に置く。
「では、私はそろそろ行く」
「ネオニール様、髪、ありがとうございました。アルエット様にもありがとうと言っておいてくれるとうれしいです」
「ああ、伝えておくよ」
「これからよろしくお願いします!」
「うむ」
「は、初めましてアルエット様。私は金細工師ヴァーデンの息子、ジハナと申します!」
ジハナは座っていた椅子からガタッと立ち上がり、叫ぶように自己紹介をした。
「ふふ、緊張しなくて良いわ。楽にして。今日はあたし、あなたを好きなだけ磨いていいと父上から言われているの」
満面の笑みで言ったアルエットを見て、次にその手の中にある山盛りの美容用品をみるとジハナは少し嫌そうな顔をした。眉が下がって情けない顔だ。
「まずは髪をやってあげる、さぁ座って」
アルエットが促すとジハナは自分が立っていることに今気が付いたのか、さっと顔を赤く染めて椅子に座りなおした。
「髪飾り、とるわね。まぁ、随分髪が柔らかいのね。すぐ絡まってしまうでしょう」
「はい、いつも鳥の巣でした」
アルエットはジハナの髪をしばらく握ったり曲げたりして観察したあと、沢山並んだ香油瓶の中から水色の瓶を選び取った。
「ふふふ、香油を使ってゆっくり梳かして、少し時間をおいて、お風呂に入って、少しだけ香油を塗る。その後にこの粉をつけるの。髪が絡まり辛くなるわよ」
「た、たくさんやらなきゃいけないんですね」
「これでも簡単な方なのよ?」
ジハナが助けを求めるような目でこちらを見る。私はゆっくり横に首を振って声を出さずに「あきらめろ」と口を動かした。こちらを睨んでくるが知らんぷりだ。恨むなら普段から手入れをしていなかった自分を恨め。
早速アルエットが瓶を開けてジハナの髪に塗り始める。レモンのようなさわやかな香りの香油だ。
「……この香油は、いい香りですね。どこで買えますか?」
「あら気に入った?この瓶はあげるから、好きに使っていいわ」
「あ、ありがとうございます。でも、その、母に贈ったら喜ぶかなって……」
「まぁ、きっとお母様も喜ぶわ!ふふ、城内のお店でたくさん売っているから、明日にでも一緒に見に行きましょう」
「はい!」
「さぁできたわ。お風呂に入るまでに少し時間をおかなきゃね」
2人の様子を眺めていた私は会話が途切れたのを見て聞く。
「トカゲの髪はどうだ?1年後にはお披露目があるのだが」
「トカゲ?」
「俺の事です。壁にくっつくからトカゲ」
「まぁ、変なあだ名ねぇ」
アルエットはくすくす笑った後、自信にあふれた顔をした。
「傷んでいるけど、すぐ綺麗になるわ。子供だしある程度伸びてしまえばざっくり切っても良いと思うし。ジハナは髪、伸ばしたい?」
「伸ばすと手入れが大変そうだから、短い方が良いかなって思います」
「ふふ。髪っていうのはね、ジハナ。大好きな相手に見せたいな、褒めて欲しいなって思いながらお手入れするものなのよ」
「王子のこと?」
「あら王子を選ぶの?ふふ、まぁそうね、あなた側近なんだし、王子でも良いと思うわ」
アルエットが微笑んだのを見て、ジハナは自分の髪を一束つまんでしげしげと眺めると「王子が長い方が好きなら俺も伸ばそうかなぁ」と小さく呟いた。
「王子たちもこうやって毎日髪を手入れしているんですか?」
「そうねぇ。私は見たことが無いけれど時間をたっぷりかけて手入れしているはずよ。アイニェン様とはたまに手入れの話で盛り上がるの」
「だから皆髪が綺麗なんですね。いつも不思議だったんです。王子の髪、どれだけ走っても転んでも鳥の巣にならないから」
「ふふ、噂の脱走した時の話?」
「う、まぁ、はい。前に蛍を見に行った時も凄かったんですよ!蛍の光が王子の髪と目をピカピカって光らせて、綺麗だったなぁ」
「王子の髪は金色だから、きっと素敵だったでしょうね」
「はい!それに王子はいつも背筋がまっすぐで、偉い人って感じで強そうで格好いいです。寝てても真っすぐだった時はちょっと笑ったけど」
「ふふふ、真っすぐ?」
「森で昼寝してた時の話なんですけど、目が覚めて王子を見たらピンと槍の柄みたいに頭から足の先まで真っすぐに寝てて、つついても起きないし、なにか呪いにでも掛かったかなって焦ったんです」
「呪い?それは大変ねぇ」
「あ、呪いっていうのは本に出てきた悪い魔法使いが逆らった相手に掛けた呪いで、王子は大丈夫ですよ、蹴っ飛ばしたら起きましたから!あの時は本を読んだばっかりだったからそう思っちゃっただけで。ああそう、王子は本も貸してくれるんですよ。俺の好きな物語の本をわざわざ探してきて、どれが良い?って聞くんです」
「それは嬉しいわね」
「はい!難しい内容の時もあるけど、そういうのは説明しながら読んでくれるし、説明は分かりやすいし、年下なのに頼りがいがあります」
その後しばらくジハナは王子のやさしい所、格好良さや品の良さについて語った。本人曰く「親にも話せなかったから王子の話ができてうれしい」だそうだ。アルエットは始終にこにこと聞き役に徹し、ジハナの口は私が風呂に行くように指示するまで止まらなかった。
「ジハナ、話の途中で悪いが、そろそろお風呂に行ってきなさい」
「あ、すみません、話し過ぎちゃいましたね」
「私はもう部屋に戻るけど、お風呂上がりの香油はお父様が付けてくださるからね」
「そうなんですか?ありがとうございます、ネオニール様」
「うむ。風呂の場所は分かるな?」
「食堂の先を右ですよね」
「そうだ、行ってこい」
ジハナは持ってきた荷物の中から新しいローブと下着を取り出すと風呂場に走っていった。
「寄り道せずに戻ってくるのだぞ!」
「はぁい」
「ジハナ、またね!」
「アルエット様、ありがとうございました!」
あっという間に見えなくなった後ろ姿に、城の中では走らないように言わなければ、と頭の中の「してはダメ」リストに書き込んだ。
「お父様、あの子……」
ジハナが出て行って2人になった部屋でアルエットが櫛と香油の瓶を握りしめたままプルプル震える。
「なんだ?ジハナが何か粗相をしたか?」
「まさか!その逆よ!本当に、なんてかわいい子なのかしら!ずっと緊張していたのもかわいいけれど、やっぱり最初にお母様の事を考えるというのが、健気だわ!子供ってあんなにかわいいものだったかしら?」
「お、おお」
思っている以上にジハナを気に入ったようだった。
「それに王子の事を大好きなのも、笑っちゃうくらい可愛いわ。でもあの子、本当に側近にしてしまうの?きっとすごく大変だわ。ずっとあの純真なままでいられたらいいのに。お父様に色々勉強やら常識やら詰め込まれて、お父様"その2"みたいになってしまったらどうしましょう!」
「その2の何がいけないのだ?え?アルエット」
私自らの手で一生懸命「勉強やら常識やら」を詰め込んだ娘が美容に憑りつかれてしまったことはさておき、アルエットとジハナがうまくやっていけそうで安心する。正式な側近として国民にお披露目をするまで、少なくとも1年間はみっちり手入れ方法を覚えてもらわなければならないのだ。
その後「王子もジハナももっと自由させるべき」とか私の教育方針に文句を言いながらアルエットは部屋に戻っていった。ふぅ、と息を吐きジハナのベッドへ腰かけ、ジハナの帰りを待つ。
王子が抜け出すのを防ぐことばかりで、彼らが抜け出して何をしているかには考えが至っていなかった。先ほどのジハナの話を聞く限り、蛍を見て、昼寝して、本を読むだけ。特別危ないことはしていないようだ。
それよりも思ったより王子がジハナの面倒を積極的に見ている事も驚いた。王子は下の兄弟の事を可愛がっているが、あれこれ手伝ったりする事はない。城仕えの者になんでも頼める環境で生活しているからだろうか?
「ネオニール様!すごいです!城の浴場、全部水がお湯でした!流石!流石お城!」
大した時間も経たないうちにジハナは走りながら戻ってきた。
浴場に大満足だったようで部屋に入るなりどれだけすごい体験だったかを身振り手振りで一生懸命説明し始める。
「わかったわかった!トカゲ、落ち着け!ほら、香油を塗るから!座れ!」
どうにか大興奮の子供を宥めて座らせ、香油を1滴手に取り髪に馴染ませる。何度も振り返ろうとするので面倒ではあったが、髪が短いので案外時間はかからない。仕上げに白い粉をポンポンはたいて塗すと手櫛でもほとんど引っ掛からなくなった。
こんなものだな、と一息ついてジハナに今日の予定を告げる。
「ジハナ。悪いが私はこの後公務に戻らねばならん。お前の教育は明日からだ。今日は家から持ってきた荷物を整理して、腹がすいたら食堂で夕食にいくと良い。見張りの兵たちもそこで食事をしているだろうから寂しかったら構ってもらえ」
「寂しいって、そんな子供じゃないですよ!」
「風呂ではしゃぐのは子供だろう」
「へへへ、あれは本当にすごかった……」
ジハナは風呂を思い出したのか満足げにニマニマしながら背もたれに寄りかかった。アルエットが置いて行った香油の青い瓶と粉の箱をジハナの机に置く。
「では、私はそろそろ行く」
「ネオニール様、髪、ありがとうございました。アルエット様にもありがとうと言っておいてくれるとうれしいです」
「ああ、伝えておくよ」
「これからよろしくお願いします!」
「うむ」
0
あなたにおすすめの小説
寂しいを分け与えた
こじらせた処女
BL
いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。
昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。
下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。
文章がおかしな所があったので修正しました。
大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。
ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄するから受け入れてほしいと言われる。
理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、
「必ず僕の国を滅ぼして」
それだけ言い、去っていった。
社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
隣の番は、俺だけを見ている
雪兎
BL
Ωである高校生の湊(みなと)は、幼いころから体が弱く、友人も少ない。そんな湊の隣に住んでいるのは、幼馴染で幼少期から湊に執着してきたαの律(りつ)。律は湊の護衛のように常にそばにいて、彼に近づく人間を片っ端から遠ざけてしまう。
ある日、湊は学校で軽い発情期の前触れに襲われ、助けてくれたのもやはり律だった。逃れられない幼馴染との関係に戸惑う湊だが、律は静かに囁く。「もう、俺からは逃げられない」――。
執着愛が静かに絡みつく、オメガバース・あまあま系BL。
【キャラクター設定】
■主人公(受け)
名前:湊(みなと)
属性:Ω(オメガ)
年齢:17歳
性格:引っ込み思案でおとなしいが、内面は芯が強い。幼少期から体が弱く、他人に頼ることが多かったため、律に守られるのが当たり前になっている。
特徴:小柄で華奢。淡い茶髪で色白。表情はおだやかだが、感情が表に出やすい。
■相手(攻め)
名前:律(りつ)
属性:α(アルファ)
年齢:18歳
性格:独占欲が非常に強く、湊に対してのみ甘く、他人には冷たい。基本的に無表情だが、湊のこととなると感情的になる。
特徴:長身で整った顔立ち。黒髪でクールな雰囲気。幼少期に湊を助けたことをきっかけに執着心が芽生え、彼を「俺の番」と心に決めている。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる