上 下
1 / 1

小説家になるためには

しおりを挟む
「先生、私、将来小説家になりたいと思っているんです」
「そうか……がんばれ。」
「ちょっと待ってください。そんな言葉をもらうために先生にご相談に伺ったわけではありません」
「あ、相談しに来てくれていたのか。これは失敬失敬。で、何を聞きたいのかな?」
「えーとですね、まずは先生が小説家になろうと思ったきっかけを教えて頂ければと」
「それ相談とは言わないよね。」
「はー。まあそうですね」
「そうですねじゃないよ、君。小説家を目指すものなら、まず言葉を大切にすることが一番大切だと先生は思うよ。」
「なるほど。勉強になります」
「いやいや、今のは基本中の基本だからね。で、改めて相談とは何かな?」
「はい、先生。先生がいつもセリフの最後に句点を打つみたいに、私も自分なりの作法を身に着けるべきでしょうか?」



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...