一之瀬くんは人気者になりたい【R18版】

オヲノリ

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8.ちょっとしたアオハル*

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 モテ男やイケメンもだが、憎たらしい存在であり同時に憧れの存在でもあった。嫉妬と憧れは紙一重か。はじめこそはたまに嫌味をぶつけていた春風にはいつの間にか今では不思議と嫉妬心が湧かなくなった。その人柄がそうさせるのかもしれない。

 今日は春風と約束していた金曜日だ。約束というのは授業で自習の時に一之瀬の勉強の進み具合を心配した春風が一緒に勉強しようと提案し春風の家に行く約束である。春風の家に行くのは初めてで実際どんな所に住んでるのか興味があった。明日は休みとあって気分は良くて足取りは軽い。

 普段は帰る方向が真逆で春風ともそうだが、花岡や霧谷とも一緒に帰る事はない。校門までは途中に一緒の時もあるが、基本一人で帰る事が多く誰かと一緒に帰るのは久しぶりであった。
 学校の帰りに春風とたわいない話をしながら春風の家に向かった。

「ごめん、一之瀬。近くのコンビニでお茶菓子を買ってくるから部屋で少し待ってて」

 春風の家に上がり、春風の部屋に入って部屋中を見渡した。置いてあるのはタンスにベットに机と至ってシンプルで余計な物は置いてなく綺麗に片付けられていた。一方、一之瀬の部屋は年頃の男子っぽい部屋で服や本が重なってごちゃごちゃしていた。春風の部屋は男子高生の部屋かと疑う程全体的に整っていて衝撃的だ。
 少し時間を置いて戻ってきた春風は家にお茶菓子にするものがないらしく買いに行くそうだ。

「別に行かなくてもいいんじゃねーのか? お菓子なんてなくてもいいだろ。でもまぁ、春風が食いたいなら別だけどな」
「せっかく一之瀬が初めて家に来てくれたんだからおもてなしさせて。それに他に買うものもあったからね」
「そうか。急がなくていいからゆっくり行ってこい」

 何か買うものがあるか聞かれたものの特になかったため頭を振った。ごめん、行ってくるね、と一言言って春風はコンビニへ出かけて行った。

(さてと勉強でもするか……)

 鞄を開けて教科書とノートを出そうとしたら、一番下の方に謎の黒い包みが入っていた。その包みには見覚えがあって武田から預かった大人の本だったと思い出した。何となく中身が何なのかそれを開封してみた。

──どSなナース系、合法ロリの妹系……清楚な制服美少女系もあるのか。

 ジャンルは様々で全て定番のものだ。その中で自分の性癖である清楚な制服美少女系の大人の本『清純を売る少女』に興味が湧いて生唾なまつばを飲み込んだ。

 ちょっとだけならいいか。ちょっとだけ……。といやらしい女性を見たさにその本を手にした。

(うっわー、すげぇエロい。次は……M字開脚だと!?)

 しばらく時間を気にせずに読みふけっていた。そして次のページをめくると清楚な黒髪の制服美少女の下着を履いてないあられもない姿にさらに興奮する。だが、あまりにも集中し過ぎて周りの状況に全く気づいてなかった。

「一之瀬はやっぱりこういう子がタイプなんだな」
「まあな……ってお前、いつの間に帰って来てたのかっ!?」

 誰もいないはずの部屋で話しかけるように真上に声が聞こえて反射的に返事をしてしまった。声の方向に顔を向けたら春風が覗き込むように見ていた。その目は冷ややかな眼差しが向けられる。いつの間にか帰っていた春風に驚いた。

「音で気づくと思うけど。自分好みの女の子によっぽど夢中だったんだね」

 声はいつもより低く皮肉っぽく聞こえた。余程お怒りのようで内心かなり焦った。

「お、お前が買い物を行ってる間にこんなもん見ててわりぃっ! すぐに勉強をするから」
「それ、このままにしてもいいの?」

 その視線で勃ってる自身の事を指しているようだ。咄嗟に両手で盛り上がっているソコを隠した。

「春風、トイレ借り……いや、人ん家では駄目だ。今日は帰るっ!」

 一之瀬は帰ろうと立ち上がった。

「この状態じゃ帰れないだろ? 抜くのは僕が手伝ってあげるよ」
「いや、手伝わんでいいっ!」
「いいから。自分でするよりも気持ち良くするからやらせてくれない?」

 春風が一之瀬のベルトに手をかけた。制服のズボンを下着ごと下ろされ春風が勃起した自身を躊躇ちゅうちょなく咥える。そこまでするとは思ってもなかった一之瀬はかなり動揺していた。

「や、やめろっ!」

 制止を聞かない春風に辿々たどたどしく吸われたり舌で転がされたりされるがままされる。初めての快感で身体に快楽の波が押し寄せる。
 口では止めろとは訴えるが、その熱はその先を求めてしまう。早く解放してくれと。それでも気持ちが良過ぎて快楽の最高潮に達する。

「あっ……はぁっ、イくっ……イくから離せっ!」

 聞く耳を持たない春風に押し戻そうと頭を掴んだ。しかし舌の先の刺激に抗えなく腰を揺らしてしまって春風は苦しそうに顔を歪ませる。

「はぁっ、ああっ……──」

 もっとその顔を歪ませたいと興奮して最奥の喉に突き上げたら、びくっと痙攣けいれんして呆気なく果ててしまった。しかも男の友人の口の中で。さっきの一時期の感情がどうかしていたと後悔した。勢いよく出た欲のせいで春風が少しむせていていた。

「わ、わりぃ、春風。大丈夫か? 早く口から出せよ」

 はぁはぁと荒い息をしながら、急いでティッシュ箱を探していた。

 うっ……と唸り声が聞こえ春風の方に振り向いたら、気持ち悪そうに自分の口に手を押さえてた。その様子にまさかと思い慌てて声をかける。

「お前まさかアレを飲んだのか!?」
「思ってた以上に変な味だな……」

「じゃあ、あんなもん飲むなよ。汚ねぇだろ」

 同性の欲望を飲んだのが未だに信じられない。

「全然汚くはないよ。一之瀬が出したものだから……」

「……えっ!?」
「一之瀬のものだから……」

 春風は真剣な顔でぽつりと静かに呟いた。変な空気が流れて顔を合わせてもお互い気まずそうにそっと視線を外したまま。この場からすぐに逃げ出したかった。

 ぼーっとして頭が回らなくてそれからどうやって帰ったかも覚えていない。衝撃的な事態で何も手に付かず放心状態で休日はあの出来事を思い出してはどうしようかと悩みを繰り返していた。

 春風の本音がわからない。聞きたいようで聞きたくない気持ちだ。来週はどういう顔をして学校に行けばいいのかと憂鬱感で一杯だった。
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