私は聖女になります、性女(娼婦)にはなりません

ブラックベリィ

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第15章 まずは小姑を片付けないと………

291★大量の塩を手に入れました

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 湖水へと潜ったジュリアスを見送ったエリカが、アルファードに振り返って言う。

 「アルぅ~………岩塩になっているモノが
  既に有るのかな?」

 「そうかも知れないな」

 「でも、魔法は試してみたいから
  ちょっと良いかな?」

 「構わないだろう
  ここの主は、あいつだろうし………」

 「うん、ちょっと、やってみるね」

 エリカは、アルファードに、大きな魔法を使っても良いという許可を取って、オリジナル呪文を唱える。 

 「風よ、水を吸い上げろ
  グラントルネード」

 すると辺りに強烈な風が渦巻き、巨大な竜巻が、ザルツェ湖の塩水を吸い上げて更に大きくなって行く。
 それに、エリカは、新たな呪文を唱える。

 「竜巻よ変化しろ
  チェンジトルネード

  風は風に 水は水に
  ウォーターボール」

 強烈な竜巻は、突然その力を失い巻き上げられた塩水が、湖面へ落ちようとするときに、エリカの唱えた呪文により呆れるほどの大きさの水球になる。
 それを見たエリカは、再度、呪文を唱える。

 「水は、H2O 塩はNaCl
  変化せよ 分離せよ
  
  チェンジウォーター&
  チェンジソルト」

 エリカの呪文が終わると辺りは、濃い湿気に包まれた。
 空中には、真っ白な塩の塊が浮いている。
 エリカは、塩水を水と塩に分離させたのだった。

 その結果、にがり成分は、水に含まれてしまい、塩は単結晶化していたのだった。
 そう純粋でサラサラした塩に変化しているのだ。

 エリカは、出来上がった数トンの塩を、【魔倉庫】につるんと入れた。
 その直ぐ後に、意気揚々と言う感じで、ジュリアスが現れる。

 「マスター…塩の塊です……
  欲しかったのはこれですか?」

 そう言うと、ジュリアスは、空中に魔法で塩の塊を幾つも浮かべて見せる。
 先程、エリカが作り出した塩の塊?よりも大きな物だった。

 それが、幾つもあったので、エリカ達はかなりご機嫌になる。
 ジュリアスににっこりと笑って、塩の塊をひょいひょいと【魔倉庫】に入れてから、エリカはお礼を言う。

 「あのがとう、ジュリアス
  この塩の塊は、他にもあるの?」

 エリカのお礼と質問に、ジュリアスは、嬉しいのぉ~という表情で答える。

 「はい、結構あります

  この程度の塊は
  その辺の小島に幾つもあります

  それに、岬部分にも幾つかあります

  コレよりも小さな塊なら
  もっと色々な場所にあります

  もっと欲しいのでしたら
  この湖をくまなく捜しますが?」

 ジュリアスの答えに、エリカはアルファードを見詰める。

 「アル、あのくらいの塩の塊が
  幾つもあるって………」

 エリカの言葉に、アルファードは、黒いオーラを纏ったままで心底嬉しいと笑う。

 「ああ、それを持ってきて
  もらえるなら助かる

  それに、エリカの言う方法で
  塩を作るなら、幾らでも、
  塩を用意出来るよな」

 「ええ、もし、皇妃の祖国が
  他の国にも同じように
  岩塩を高値で輸出しているなら

  私達がそれより安い塩を輪出して
  値崩れを起すコトも可能だと思うわ

  輸出するときに、【魔倉庫】に
  たぁ~っぷりの塩を入れて
  レオに乗って行けば良いんだもの」

 アルファードと同じように、黒いオーラを纏ったエリカも、かなりアレな発言を口にする。
 エリカとしても、愛するアルファードを何度も暗殺しようとした皇妃(塩ババア)とその祖国に対して、容赦するつもりは無かったから………。

 そして、長年、皇妃(塩ババア)の暗殺と嫌味に耐えていたアルファードに、配慮も遠慮も無かった。
 獰猛な笑顔でアルファードは嗤う。

 「そうだな、こうなると簡単に
  あの国の国力と影響力を
  削るコトが出来るな」

 それに、エリカも人の悪い笑顔で言う。

 「それも、ほとんど経費を掛けずにね」

 アルファードに話した後に、エリカは、ジュリアスに再度塩が欲しいと頼むのだった。

 「ということで、ジュリアス
  今回のお塩の量より多く

  貴方の持てる限りの塩の塊を
  持ってきて欲しいんだけど

  良いかしら?」

 エリカの気分が高揚しているのを感じて、ジュリアスも更に嬉しくなってニコニコしながら答える。

 「はい、マスター
  私の持てる限りの塩の塊を
  持ってまいります」

 「ありがとうジュリアス
  お願いね」

 「はい」

 エリカにお礼を言われて、再度、お願いをされたジュリアスは、嬉しそうに笑って、また、ザルツェ湖の中にすぅーっと消えて行った。
 それを、エリカ達は、にっこり笑って見送った。







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