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第15章 まずは小姑を片付けないと………
309★性女(または、塩ババァ)と皇帝の攻防?
しおりを挟む話している途中から、アルフレッドは沈痛な表情を浮かべる。
性女などという穢れた存在を、己が身体で抱き殺すという行為をするしか無かった、彼の皇帝の不憫さに………。
今の自分自身の状況を、重ね合わせているのかも知れない。
アルフレッド自身は、全く好意を持っていないのに、帝国の民の為にご機嫌をとり、それなりに抱いてやるしかない、皇妃リリアーナを思い出していたのだろう。
また、それを聞いているアスランも、彼の皇帝を思い悲痛な表情を浮かべていた。
そして、アスランは思う。
7人の妃を娶り、15人の皇子と皇女を設けた兄も、彼の皇帝と同じように、辛いのだろうと………。
特に怒りしか湧かない皇妃リリアーナを、立場上は抱かなければならないアルフレッドの辛さを思い、表情を暗くするアスランだったりする。
が、そのコトを口にするのは、立場上不味いし、兄が同情されるコトを嫌う性格なので、アスランは意識を切り替える為に彼の皇帝の話しをする。
「聖女なのに、男に媚びる
…んですか? 考えられない」
そう記録に残る歴代の聖女達は、大変恥ずかしがり屋で帝国の貴族女達にくらべると、言動もはるかに大人しかったのだ。
特に異性に対しては、一歩も二歩も引いていたと記録には残っていた。
清らかな乙女達だったと………。
その記録を何度も読んでいたアスランは、ぼそぼそと言う。
それに対して、アルフレッドは、より具体的なコトを口にする。
「そう、身近いる騎士
魔法使い、神官などにな
勿論、世話をしてる皇子にもだ」
信頼する兄から、聖女とは思えない行動を聞き、アスランは心底驚く。
同時に、それが性女なのかとも納得する。
が、しかし、だからこそ、アスランはそんな行動をとる聖女…もとい性女に、なぜ何人も引っ掛かる者がいるのか?と疑問を持つのだった。
「それは………」
アスランの視線に、アルフレッドは苦笑しながら説明を続ける。
「最初は目立たないが
段々と酷くなっていく
そして、皇子と関係を持つと
その後は手当たり次第に
なっていくのだ
たぶんに、性女が
魅了魔法や魅縛魔法を
無意識で使っていたのだろうと
寵愛の聖女様は書き残している
それに抵抗できるのは
性女より魔力量の多い者達だけ
だろうとも………」
兄の説明に、そこまでわかっているなら、なぜ各騎士団に聖女の面倒をみさせるという無駄なコトをしているのか?という表情でアスランは尋ねる。
「では、何故それを
公表しないのですか?」
なんだその意味がわからないのか?という視線をアスランに流し、アルフレッドは懇切丁寧な説明を始めるのだった。
「性女に引っ掛かる者達は
重要な地位に着けられない
者達だからだ
それを見極める為に
そのままにする
また、嫡子を含めた息子達に
人となりを見抜く教育を
施せなかった家に
その地位は相応しく無いと言い
侯爵から伯爵、伯爵から子爵
というように爵位の降格処分と
領地の一部没収
法衣貴族なら爵位の降格処分に
俸給の減額処分を行う為にな
権力志向の馬鹿を減らせるし
皇家の資産を増やすコトが出来るし
国家予算も増額出来る
一石二鳥では無く
一石三鳥にもなる
実力と忠誠心がある
爵位の低い貴族達を上に
あげるコトも公然とできるからな
高位貴族が減ったと言ってな
他に、大臣や宰相でも子息が
相応しく無いコトをしたと
責め立てて辞任させ
相応しい能力と忠誠心のある者達を
宰相や大臣の地位につけるコトが
出来たのでな
聖女候補と性女の
見分けがつかないと言って
野心家の者達を焚きつけて
性女に魅了されるように
わざとしむけるのだ
それらを処分対象にする為にな」
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